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2人並んで校門を出る。

「瀬南くん厳しくするって言ってたから、ビクビクしてたけど優しかったし、めちゃくちゃ分かりやすかった」

「思いの外、君の頭がポンコツじゃなかったからね」

「ポンコツ…」


瀬南くん、どれくらい私が馬鹿だと思ってたんだろ…

「ポンコツが僕に噛み付いてきたと思って、スパルタで教えるつもりだったのに」

「いや、だって瀬南くんのメッセージが小馬鹿にしてる感じがして」

「してる感じじゃない、小馬鹿にしてたの」

「うっ……それにしても、瀬南くんってスタンプとか使うんだね」

「たまーにね。僕の気持ちとリンクしてるものがあったら使う程度」

そのたまーにの確率でリンクしたスタンプがあの生意気な猫って


「五十嵐はパンダのスタンプだよね」

「あれ、丸々してて可愛いでしょ?」

「まぁ悪くないデザインだと思う」

「気に入ってるの!このパンダシリーズのスタンプ、6つ持ってる」

「へー、そんなに好きなの?」

「好き!なんなら、ぬいぐるみに欲しいくらい! 」

「売ってないの?」

「売ってないんだよね。発売したら買う!発売予定ないけど」

「だったら作ればいいじゃん」

「いや、ぬいぐるみとか作れなくない? 」

「作り方さえ分かれば、ぬいぐるみなら作れるでしょ」

「え、作れないよ?!どんだけ器用なの瀬南くん!」


手先の器用さも勉強も私より圧倒的に出来る瀬南くん。自分には出来ないことが出来る人って尊敬する。

美術部へのきっかけをくれた人でもあるし、ほんとこの人と知り合えただけでも私はありがたく思わなければならないのかもしれない。


「まぁ作れる作れない別にしてスタンプの中でもどれが好きなの?」

「ん?んとねー、この花束持ってるパンダ! 」

ふいに聞かれたので端末を取り出して、瀬南くんに見せるとこちらを覗き込んでくる


「へー、頑張って作れるといいね」

「いや、作んないよ?!そんな器用じゃないし!」

「不器用な五十嵐が作ったら、不細工なパンダ出来上がりそうだよね」

「なっ、ん~!否定できない」

「否定しないんだ?」

なんか瀬南くんと普通に話せるのいいな、すごく楽しい。素で話せるからかな。たまに素っ気なく返されることはあるけど、はっきりと物を言ってくれるから、裏表なくてすごく話しやすい。


「駅着いちゃったね」

「駅に向かって歩いてるからね」

「早いなぁ。もうちょっと話していたかったのに」

「明日の放課後も英語教えるから、たぶん明日の帰りも話せるでしょ」

「うん、そうだけど…」

俯く五十嵐を見ると、少し考えるような素振りをしてから瀬南が口を開く。


「明後日の再試験、結果がよかったらちょっと寄り道してく?」

「え!いいの?!」

「っ、本当分かりやすいんだから」

私が顔を上げると声の大きさに少しびっくりしたような顔をする彼はクスッと笑った


「や、約束ね?」

「頑張った子にはご褒美あげるから、帰ったらちゃんと復習すること」

「うん!」

「ん、じゃあ今日は早めに帰りな?」

瀬南くんは私の気持ちを動かすのが上手だ。さっきまでちょっと寂しかったのに今は明日が楽しみでわくわくしてる。


「うん!じゃあね瀬南くん!また明日!」

「はいはい、また明日ね」

手を振ってバイバイして改札を抜ける。その後に後ろを振り返ったら私のことを見てくれてる彼と目が合う。嬉しくて笑顔でもう1度手を振った。

微糖な貴方に惹かれる私

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