🦈side
暗い寝室。
ベッドサイドにあるルームライトがきんときの横顔を照らす。
きんときは俺を見下ろして熱い視線を向けてくる。
服は脱がされ、Tシャツ1枚しか着ていない。
そのくせにきんときはズボンを下ろしているだけ。
激しく腰を振って突いてくるものだから吐息が漏れてしまう。
「…っ…はぁ…」
正直、きんときと行為をする時間は好きだ。
でも自分の吐息や喘ぎ声できんときが萎えてしまわないか心配になる。
俺は男だから、女の人のような艶やかな声は出ない。
「…かわいい」
きんときがぽつんと言う。
かわいいなんて言われると恥ずかしい。
俺は無意識にも強がって返事をする。
「…ばか…」
声を聞かれるのも恥ずかしいが、快感でぐちゃぐちゃになった顔も見られたくない。
きんときはいつも俺の顔を見てくるから余計。
咄嗟に両手で顔を隠す。
「ほら、顔隠さないで」
きんときが一度動きを止め、優しく手を退かしてくる。
いつもよりも低いきんときの声に鼓動が速まる。
抵抗しようとしても、上手く力が入らなくてされるがまま。
きんときに手首を握られ、そのまま腕をベッドに強く押し付けられる。
「…恥ずかしい」
顔を見られた。
誰にも見せれない、恥ずかしい顔を。
きんときは俺の事を見て口角を上げた。
心做しか中に入っているものが硬く、大きくなった気がする。
「もっと声聞かせて」
そう耳元で囁かれた。
きんときの甘く熱い吐息が触れ、耳が赤くなる。
耳朶を甘噛みしてくる。
「……もっと恥ずかしい」
恥ずかしくなって視線をきんときから外す。
しかし、視界に必ず入ってくるきんときに目がいってしまう。
目が無意識に追いかけてしまう。
「聞かせて」
やけに声を聞きたがるきんとき。
余計声を出しずらい。
その時、きんときの手が俺の腰をがっしりと掴んでくる。
きんときの腰が動き始める。
先程よりも激しく、奥まで。
「…無理」
俺はその一言しか言えなかった。
それ以上喋ったら、情けない声が漏れてしまうから。
部屋には肌と肌が打ち付ける音が響く。
唇を噛み締めて、きんときを受け止める。
「…俺の名前…呼んでよ」
顔を近付けて甘い声できんときは言う。
そう色っぽく笑うものだから、ドキッとしてしまう。
俺は諦めて口を開く。
それからは何も我慢出来なかった。
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