休み時間に入り、はるは心配そうに教室を出る。
「かな、どこに行ったのかしら…?」
はるは、かながいつも行きそうな場所をいくつか思い浮かべ、そこを一つずつ探し始める。最初に思いついたのは、屋上。かなは時々、屋上で一人になることがあるからだ。
屋上に到着すると、風が少し強く吹いている。
「かな、いる?」
はるは屋上にいる誰かを探しながら呼びかける。すると、隅に座り込んでいるかなを見つけた。彼女はうつむき加減で座っていて、目を伏せている。
「かな?」
はるが少し躊躇しながら声をかけると、かながゆっくりと顔を上げる。
「…何だよ。」
その声には、いつもの反抗的なものではなく、どこか寂しげな響きがあった。
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