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専業主婦になって初めはとてもよかった、私の時間は彼のためにすべて使えるし、私は日常生活において彼の要求に従うように躾けられ
些細なことまで俊哉の要求に応え、彼の好みを自分の好みに作り変えた、家でいつも彼が穏やかに過ごせるように心を配った
彼を仕事に送り出してから掃除は隅々まで、掃除機をかけて雑巾で床を水拭きした、浴槽を磨き、便器を磨き、彼の靴を磨きシーツは毎日変えて洗った
午後からは激安スーパーを何件もめぐって、安くて良い食材を買い込み
レシピサイトとにらめっこして何時間もかけて、手の込んだ手料理で彼をもてなした
彼が会社から戻ってくるまえに着替えて化粧までしてわざわざ出迎えた
夫をつかまえた後は身だしなみすら、かまわないようなだらしない妻にはなってほしくないと、言われて以来ずっとそうしている
彼が帰宅して私は笑顔で迎える、そうすると彼は一つ一つキッチンや、家事を点検していって笑顔を見せる
しかし最近は必ず晩酌に缶ビールを三本も飲む彼に、少し嫌気がさしていた
彼はテレビを見ながら二本目に入ると、酔っ払ってうつろな目になる
「ねぇ・・・・その辺でお酒やめとけば?」
「何本飲もうと俺の稼ぎで飲んでいるんだからいいだろ」
「私は別に・・・・体に悪いから・・・明日も早いしもう寝たらと思っただけで・・・」
「君は実家にいた頃こずかいいくらもらってたんだ?」
またその話?最初の頃はバカ正直に金額を聞かれるままに言ってたけど、今は私も知恵がついてきている。彼は私の実家のお金の話が大好きでそして最後には必ず不機嫌になる
「・・・・もう随分前のことだから忘れたわ、あなたと会う頃は働いていたし」
「でもそれもあのクソ親父さんの会社なんだから、重役手当をもらっていたんだろう」
ぐびぐびビールを飲む
「君もこんな貧乏暮らしをするなんて思ってもみなかっただろう?本当は実家に帰りたいんじゃないのか?」
「そんな!私はあなたの傍で幸せよ!」
彼はこれまでに私が話して聞かせた家族の話は、逐一覚えているのだが彼の中で、勝手に脚色してしまっている所があった