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うめぼっち

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臣桜
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鷹槻れん/鷹槻うなの

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#恋愛
水無月 京
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あ、その顔は何かあるね、とはしゃぐ梓をどうなだめようか。
チラリと紫水を見ても、今度は虎視眈々と肉の仕上がりを待っていて、全く使い物にならなさそうだ。
「あーうん、だから優しいよ彼は」
「それはもう聞いた」
「豆さんは秘書に業務上の秘密を共有するタイプじゃな…」
「豆さん!?」
半分悲鳴のような梓の声を聞いて、自分の失態を悟る。
「めっちゃ仲良しじゃん!」
「あのパートナーをそんなあだ名で呼んでる奴見たこと無いわ」
「…他のパートナーにはいるみたいだよ」
ギリギリの反論も、当たり前だパートナーならいてもおかしくねーだろ、とあっさり紫水に振り払われて道がなくなる。
「ちょっとその経緯を」
話すまでまどかに肉はないわよ。
どうせ私がこの場で肉を1枚も食べなかったとしても、話すまでこの追及は続くのだろう。
というか紫水、変なところでこっちの話題に戻ってこないでほしい。
到底2人の目を見ることはできなくて、良い音を立てる網を眺めながら流れをかいつまんで話す。
「うわあ、それは彼も策士だね」
「名前呼ぶよりはさ、豆さんの方がマシじゃない?」
「大豆生田さん、本当はまどかに名前呼んで欲しかったんじゃないの?」
うっすら頬がピンクに染まっている梓は、今日も今日とて酔い始めているらしい。可愛らしさを増した彼女だけど、中身は反比例して面倒臭くなっていくのもどうやら定石通りだった。
「…それはないと思うよ」
「どうかなー。私だったらまどかに名前呼んでほしいけど」
「大豆生田(アイツ)とお前一緒にすんなよ」
バカじゃねーの、と言いながらどんどん追加の注文をしていく紫水。私のお財布事情を思い出して、少しだけ胸が不安でさざめく。
「しかしな、潔癖な顔してとんだ変態じゃねーの」
「変態ではなくない!?」
「だって名前呼ばせようとしたんだろ、部下に」
流石に曲解がすぎるよと言えば、梓も紫水に同調し始めるから手に負えない。もう食べることに徹してさっさと解散しようか!?
「で、まどかは大豆生田さんに対してどう思ってるわけ」
うわぁ、これ以上厄介なツッコミをしてこないで。
私は思わず頭を抱えてテーブルに肘をつく。
「好きなんじゃないの?」
酔って目が潤んだ彼女から放たれる一撃は凶悪だ。顔が可愛いだけに尚更悪質さが増す。
「え、何をどうしたらそういう話になんの」
なんの論理も通ってないけど、とロジック妖怪の紫水は呆れて手元の酒に口をつける。
「あ、梓…なんで…」
「なんだろ、女の勘かな」
いくらまどかが仕事ドMだったとしても、そこまでされて文句言わないのおかしいし。何より、なんか最近すごく楽しそうだもん。
「そ、そう…?」
「うん」
梓の屈託のない笑顔は酔った時こそ拝めるレアな表情だ。可愛いのに、反論を組み立てることに必死で彼女の顔をよく見れない。
「好きっていうか…」
「っていうか?」
「いや…うん…」
「もう水臭いな!」
好きなら好きでいいの!とキッパリ言い切る梓は、多分相当に酔いが回ってきている気がする。
「弓家が大豆生田を好きでも嫌いでもどっちでも良いけど、とりあえずお前ら肉食えよ」
自分には理解し得ない話題だと思ったのか、しばらく黙っていた紫水はどうやら焼肉マシーンに転生していたようで、私たちの皿の上には焼き上がった肉が積まれていた。
「あ、ありがとう」
肉を焼いてくれたということより、どちらかと言うと話を一旦逸らしてくれたことにお礼をいれば、紫水の視線は肉から私に移った。
「まじで弓家が誰を好きになろうと俺はどうでもよくて」
「…でしょうね?」
話題を逸らしてくれたと思ったのは私の勘違いだったようだ。
積まれた肉を上から口に入れていくと、再びタブレットを手に取り、今度はタブレットに視線を運ぶ。
「ただ、アイツは相当人格者な気がするから、その選択眼は間違ってない気がする」
成就するかは知らんけどなと要らない一言を足して、「乙女心がわからない紫水は黙っとけ、永遠に」と梓に吠えられている。
「…ありがと」
「別に」
お詫びの会のはずが、ずいぶんな展開を迎えてしまった。
あとは、「まどかの恋の成就を願ってもう一杯飲もうかー」とやたらとはしゃぐこの子だけを止めないとね。
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