その巻が完成した場合は、題名の横に「改」をつけます。
2023/11/14 12:42 by.月猫の琥珀 獣神ツァブラミナが言っていた1000年にも渡った戦闘とは何なのか、
獣の中で最上級クラスに強い獣がなぜ、どのように負けてしまったのかを示す番外編です!
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セグラル自然渓谷村は、昔は荒れ地だった。
そして、昔セグラル自然渓谷村が荒れ地だった頃にその地で起きた、1000年にも渡った戦闘〈セグラルの戦乱〉の真っ最中に、その獣は生きていた。
その獣の名は、後に〈神獣黒翼カルミア〉と語り継がれるようになった。
セグラルの戦乱は、ありがちな人族VS人族の戦闘ではなく、一定の種族VSモンスターの戦闘だった。
そもそも黒翼カルミアは魔界に住んでいた。
だが、戦闘でモンスターに押されていた種族たちが黒翼カルミアを召喚し、仲間に引き入れようとした。
そして黒翼カルミアは戦闘が終わったら自分を魔界へ戻すという条件で仲間になることにした。
だが、実際はそう簡単には行かなかった。
モンスターたちは〈黒き輪〉から無限に湧いてくる。
だが、黒翼カルミアはものすごい戦力になった。もしこの獣がいなければこの星はとっくにモンスターに占拠されていたことだろう。
ただ厄介なことに〈黒き輪〉は、たまにピタッとモンスターが湧くのが止まった、戦闘が終わったと思ったら一年後にすごい勢いで暴走湧きすることもある。
それを知らない黒翼カルミアは、一旦湧きが止まると戦闘が終わったと思い、魔界に戻してくれと種族たちに頼んだ。
だが種族たちにしてみれば黒翼カルミアを魔界に戻して、その後また戦闘が始まったら重大な戦力がなくなってしまう。
だからこそ、その種族達は黒翼カルミアを魔界に戻すのを拒んだ。
それに怒った黒翼カルミアは、自分が召喚された元凶の〈黒き輪〉を壊そうとした。
だが、獣の中で最上級クラスに強い獣の力を持ってでも、〈黒き輪〉を壊すことはできなかった。
そして、黒翼カルミアが諦めずに〈黒き輪〉を壊そうと攻撃していた時、暴走湧きが始まった。
そしてそのモンスターの集団猛攻撃を受けた黒翼カルミアはできる限り戦ったが、まさに数の力の暴力のごとく攻撃され続け、黒翼カルミアは倒されてしまった。
重大な戦力を失った種族達は我先にと一心不乱に戦場から逃げ出した。
自分の創造した獣の中で最上級にうまくできた獣を倒され、怒った獣神ツァブラミナは〈黒き輪〉を粉々にした。
粉々になった〈黒き輪〉の破片は、年月をかけて各地に散らばった。
そしてもの凄く小さい欠片があるところでも、その土地にはモンスターが湧くようになった。
ダンジョンには勿論、草原、森、林など様々なところにも未だに〈黒き輪〉の破片は埋まっている。
獣神ツァブラミナはもう一度〈黒翼カルミア〉を創り出すために、黒翼カルミアの卵を創り出した。
そして、その卵を「礼を言う」と言いながら、
黒翼カルミアは戦いで敗れて封印された、という嘘の話とともに、リードに託した(押し付けた)のだった。