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9話｢希望なんか｣
あれから、2日が経った。
俺はまだ風邪が治っておらず家に籠っている。
あの時のゾムの顔は、まるで自分が死ぬのかと思うぐらい絶望の縁に立った時のような顔をしていた。
有難い事に、ゾムは今も態度を変えずに接してくれている。
他の奴らにも、俺が伝えるまでは言わないと病気の事も秘密にしてくれている。
お陰で他の奴らとも今まで通り接せれている。
R｢ん…っ｣
小さく扉の開閉音が聞こえ、体を起こす。
ゆっくりとした足音が聞こえ、扉に目を向ける。
ゾムにしては普段より歩くスピードが遅いため、違和感を覚える。
あ、そういや昨日病気について調べたいから資料渡してくれって頼まれたんやった。
コンコンッとノック音が聞こえ、資料を持ち扉の前に立つ。
R｢いつもはノックせんくせに…ゾムー？これ昨日言った資料やけど…｣
扉を開け、ゾムに話し掛けた。
だが、目の前にゾムはおらず、驚いた顔をしたエーミールが立っていた。
R｢え…？エミさん？何でここにおんの…？｣
E｢ゾムさんと来たんですけど…つい先程コンビニ行ってもーて…
私が先に入ったんですけど…｣
少し気まずそうに目を合わせないエーミール。
その目線の先には俺の持っている資料がある。
あれ、こいつ資料のこと見つめてへん？
いや！資料としか言ってへんし…バレてへんやろ！
…姿確認してから言えや俺〜…！！
R｢…おーま、まぁ入んなよ！｣
E｢ありがとうございます…｣
誤魔化すようにエーミールを中へ招く。
少し間があった後、エーミールが口を開く。
E｢さっきの”資料”ってなんですか？ゾムさんに見せようとしてるみたいですけど私も見せていただく事って可能ですかね？｣
…ゾム助けてくれ〜〜〜…！！
＿＿でもここでエミさんに言うておくのも一つの手とちゃうか？
エミさんなら博識やし、なんか知っとるかもしれん
よし！見せよう！！
R｢…はい、これ｣
E｢…！ありがとうございます！｣
エミさんなら口かたそうやし、大丈夫やろ
資料を受け取り立ったまま目を通すエーミール。
足キツくないんか？いや、あれも筋トレか…？
R｢エミさん座んな？｣
E｢えっ？あ、そうですね！ありがとうございますっ｣
…小物感半端ないな。
まぁエミさんがクソ態度でかくなったら嫌やけどな。
態度でかくなったエミさんなんかエミさんちゃうし（酷い）
下らないことを考えていたらエミさんが急にこっちを見る。
なっなんや？
E｢…あの、ロボロさんって死んでまうんですか、？｣
…直球すぎるやろっっ！！
R｢そうやで｣
E｢…そんな諦めたみたいな言い方せんとって下さいよ…
せめて生きてる間は…希望を持ちましょうよ…｣
、なんやそれ
それはちょっと無神経とちゃうか
R｢…別に、結局は死ぬんやからいちいち希望とか持ってられんやろ｣
E｢そんなことっ｣
R｢医者にも言われてんねん。”助からん”って。
希望を持つ持たないやないねん…元々…ｯ希望なんてものは”無い”んよ…」
あー、あかん。泣きそうや
ゾムと言い合いした日も泣いてもうたんに…また…
E｢私、ずっと気になってたことがあって｣
エミさんが急に話題を変える。
R｢？｣
E｢ロボロさん、この前私たちが家に来た時、また病室は嫌だって、言いましたよね？｣
えっ、そんなこと言ったっけ？？
R｢すまん、記憶にないわ｣
E｢まぁ、あの時は寝込んでらしたし、覚えてないかもしれへんけど…私あれから考えたんやわ｣
R｢え、？くだんな…｣
E｢そんな事ないわ！
もしかしたらロボロさんは小さい頃とか入院してたんやないかって考えてたんや。
それか、何らかの病気を持っているか。
資料を見る限る当たってそうやね」
言った覚えは無いけど…全部当たっとるしな…
R｢…エミさんさ、俺の病気のこと、なんか知らん？｣
まぁ知らんとは思うけど…
E｢う〜ん…聞いたことあるんですよ、これ…
なんやっけ…あ！あれや！｣
R｢えっ？ガチで知ってんの？｣
E｢ロボロさんの症状って感情の揺らぎで発作が起こるっていう病気やないですか｣
R｢まぁ、そうやね？｣
E｢それ、凄い長期間の病気で、人によって違うんですけど、感情病っていわれてるやつやね」
※多分そんな病気は無いです。感情障害ならあるみたいですけど、この話はフィクションなのでリアルにはありません。
そうなんや…俺自分の病気名とか聞きたくなくて聞いてなかったな…
てかコイツどこでそんな知識つけてんねん…
R｢感情病…｣
E｢感情の変化で出るやつやから、感情病。そのまんまやね｣
R｢ほぁ〜でも、治らんやつらしいし、俺不幸やな〜｣
E｢いや…これは私の憶測やけど、感情病は治ると思うんや｣
R｢えっ？｣
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡500
コメント
13件
エミさん天才すぎて草w
え..エミさん博識すぎん....？だとしたらその医者ヤブじゃね？見るの遅れてすんません。
ｸｯ見んの遅れたけど、良かったです最高最高。口癖多分最高になったｍかもです笑
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