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学パロです。
敦くん愛されです。
はい終わり。
はいスタート。
ギラギラと僕達を照りつける太陽。
シャワシャワと合奏する蝉達。
雲ひとつ無い真っ青な空。
僕の頬を撫でるのは暑さに負けた汗。
正に、夏。
葉の匂いがすぅ、と鼻に纏い、
いい匂いだ、と思う。
これは、そんな夏の話。
「あつ”〜い……」
「じゃあなんで半袖の下に包帯巻いてるんですか……」
「包帯は躰の一部だ」
「んもぉ……」
「怒ってる敦くんも可愛いね!!!! 」
「おい糞鯖!何敦にちょっかい掛けてんだ!」
「やぁ、敦くんとの大事な大事な時間を奪った」
「蛞蝓さん」
「んだとコラァッ!!??」
「まぁまぁ……」
二人はギャーギャーと何時もの様に騒ぎ始めた。
其の後ろからゴホッゴホッと咳き込む黒い男、
芥川龍之介が来た。
「お二人共、喧嘩はよしてください 」
「芥川、”こういう時は”助かる……」
「其れはどういう事だ人虎」
「人虎呼び辞めてよ。僕敦だよ」
僕も僕で此奴とは仲が悪い。
というか、相性が悪い。
「僕は僕を貫く」
「何名言みたいに云ってんだ」
これが、学校への道程だ。
ふわりとした涼風が僕の肌を撫でる。
其れは此のとても暑い季節には丁度良かった。
「ねぇねぇ敦くん」
こそこそと隣の席の太宰さんが話し掛ける。
「一寸……授業中ですよ……?」
「嗚呼、其れは大丈夫」
「?」
” 大丈夫 “ と云った彼に疑問を持つ。
其の疑問は直ぐに解けるのだった。
「せんせぇ〜!敦くん、体調悪いらしいので、」
「保健室連れてっていいですか〜?」
「!?」
真逆のサボり宣言に驚く。
否、太宰さんならやりかねなかったか……
「そうか、行ってこい」
何だかんだで馬鹿だよな此の先生……
「はぁ〜い!」
「敦くん行こ!」
「え、あ、はい……」
席を立ち、扉へと向かう途中、
橙色の繊細な髪が視界の端に映った。
そして、真っ黒で毛先が白い髪も。
「太宰さん!?」
「なんだい?」
「なんだい?じゃないです!」
「何仮病してんですか!」
「いいじゃないか〜!」
「こうやって、」
細く長い指を僕の 指に絡め、
桜色の寝台へと押し倒した。
そして、
「君を独り占め出来るのだから」
太宰さんがそう発した後、
保健室には恐ろしい程の静けさが拡がった。
其の静寂のせいで外で鳴いている蝉の声が
やけに目立っていた。
「っ、あの……」
もう片方の太宰さんの手が服の下へスルリと入る。
焦って止めようとするが、
太宰さんは聞かない。
ドクドクと鼓動が激しくなっていく最中、
保健室の扉が開いた。
「!だ、太宰さん、」
「先生じゃないよ」
「だから、見せ付けてやろう?」
耳元で艶声を出され、
「っあ……」
なんて情けない声を出してしまう。
「おい、」
低く溶岩の様に恐ろしい声がした。
其の声に太宰さんの肩がビクリと揺れる。
「其の声は……」
カタカタと音がするくらい
ゆっくりと首を後ろに向ける。
「中也……」
「テメェ……何敦に手ェ出してんだ」
「太宰さんといえど、僕の許容範囲を超えている」
「太宰さん、” 敦 “から離れて下さい」
ちっ、と太宰さんが舌打ちをした。
「はーあ、善い所だったのに……」
「おう、善い所だぜ」
「テメェをぶちのめす所だ」
「へ、」
その後、太宰さんの悲痛な叫びが校内に響き渡ったのだった。