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第二章 ―― 地上にて……風の音がした。
さらさらと草が揺れる。
暖かい日差し。
土の匂い。
「……ん……」
重い瞼を開ける。
視界いっぱいに、青空が広がっていた。
「……生きてる?」
身体を起こそうとして、激痛が走る。
「いっ……!」
全身ボロボロだ。
服は裂け、腕には《アステリア》の紋章が薄く焼き付いている。
だが――ここは地下じゃない。
草原だった。
遠くには森。
川。
そして、小さな村。
煙突から煙が上がっている。
「地上……?」
その時。
ピピッ。
横で銀色の立方体が点滅した。
ホログラムが展開され、ノヴァが現れる。
「意識回復を確認しました」
「ノヴァ……!」
少女は無表情のままだが、どこか安心したようにも見えた。
「昏睡時間、推定36時間」
「そんなに……!?」
僕は慌てて周囲を見る。
《アーク・メサイア》の姿はない。
巨大ドラゴンもいない。
まるで全部夢だったみたいだ。
だが、《アステリア》はまだ腰にある。
そして――。
ドクン。
腕の紋章が、微かに脈打った。
頭の奥に、あの声が蘇る。
「――見つけた」
「っ……!」
寒気が走る。
ノヴァが静かに言った。
「ヴォイド・イーターは、あなたを認識しました」
「認識……?」
「はい」
「今後、世界各地で侵食災害が発生する可能性があります」
「……つまり?」
ノヴァは真っ直ぐ僕を見る。
「もう、“普通の生活”には戻れません」
風が吹いた。
草原が揺れる。
その時――。
ガンッ!!
ガンッ!!
ガンッ!!
村の方から、鐘の音が響いた。
嫌な予感。
次の瞬間。
「た、助けてぇぇぇぇ!!」
村から、悲鳴が聞こえた。
空を見上げる。
そこには――黒い穴が浮かんでいた。
空間そのものが裂けている。
そして、その裂け目から。
無数の黒い影が、雨のように降り注ぎ始めた。
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不明ちゃん。