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「まずい!!」僕は立ち上がった。
まだ身体は痛む。
足もふらつく。
でも、村から聞こえる悲鳴がそれを吹き飛ばした。
「急ぐぞ、ノヴァ!!」
「了解です!」
僕は草原を全力で駆け出した。
村が近づくにつれ、状況が見えてくる。
燃えていた。
家々が黒い炎に包まれている。
村人たちは必死に逃げ回り、アイアンゴーレムが何かと戦っている。
だが――敵がおかしい。
「なんだ……あれ……」
黒い影。
人型なのに、輪郭が定まっていない。
身体の表面に無数の目が浮かび、時々ノイズみたいに崩れる。
まるで“バグ”そのもの。
ノヴァが解析を始める。
「ヴォイド侵食個体です」
「通常モンスターが変異した存在と思われます」
その瞬間。
ズバァッ!!
黒い影が、アイアンゴーレムの腕を切断した。
「なっ!?」
あり得ない。
あのゴーレムが一瞬で……!
村人たちが叫ぶ。
「こっちに来るぞ!!」
影がこちらを向いた。
無数の目が一斉に開く。
ゾワッ。
頭痛。
視界が歪む。
「精神汚染反応!」
「視線を合わせないでください!」
「くっ……!」
僕は《アステリア》を抜いた。
ギィン――。
青白い光が周囲を照らす。
すると、黒い影たちが一斉に後退した。
まるで嫌がっているみたいに。
「効くのか……!」
その時。
ドクン。
腕の紋章が強く脈打った。
頭の中へ声が流れ込む。
「侵食体排除モード、起動可能」
《アステリア》の刀身に、星みたいな光が走る。
ノヴァが叫ぶ。
「マスター!」
「村人を守りながら戦ってください!」
しかしその瞬間――。
空の裂け目がさらに広がった。
ビキビキビキッ!!
そして巨大な“手”が、裂け目の奥からゆっくり現れ始める。
村全体を掴めるほどの、黒い腕だった。
不明ちゃん。