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「なぁなぁ、こんな噂知ってるか?
5年生に居る、謎の多すぎる悪魔って恐れられてる先輩なんだけどさ…その先輩、1年くらい前まではずっと悪魔学校に居て…」
「あー!なんか聞いたことある!上級生なのに、ずっと学校に居るっていう?」
「そうそう!上級生はほとんど学校に居ないから、なんか怪しいことしてんじゃないのかって恐れられてたんだけど…今は居ないだろ?でも…聞いて驚くなよ?そのヒトが戻ってくるって噂になってんだよ!!」
「えぇ〜、ほんとに?初めて聞いたんだけど…」
「いやいや、マジだって!どんなヒトなんだろうな?噂にしか聞いたことないけど、性別すら分からねぇんだろ?怖ぇよな……お前も会ったら気をつけろよ?」
「会うわけないじゃん!もしかして怖いの〜?かわいいでちゅねぇ〜!」
「いや!本当に怪しいことしてるかもしんねぇし…ほら、バラム先生だっけ?実験してるって噂の!その先輩と話してるところ見たヤツが居るんだよ、俺の師団の先輩に!協力して実験してるって噂もあって……」
「なにそれ〜…チョー不気味じゃん!!本当に大丈夫なやつ?」
「まぁまぁ、そんなビビんなって!ただの噂だからさ!!…とにかく、髪が白くて真っ黒な服きてる悪魔には気をつけた方がいいのは確かだな。」
「…5年生…。」
「確かに、そういう噂はありますが…所詮噂ですからね。あまり気になさらなくて大丈夫かと!しかしイルマ様に危害を加えようとするならばこのアズがお守りします…ですから、安心して下さいね! 」
「うん、ありがとう。アズくん。」
あはは、と少し苦笑いしながらご飯を食べる。5年生…5年生かぁ…。いつものように仲良くはしゃいでいる二人を見ながら、イルマは考える。怖いという訳ではなく、今まで上級生には会ったことがない為、気になっただけらしい。会いたいとも思わないが…どこか心に引っかかるような……気のせいか、と頭を横にふって、おかわりをお願いした。
「ふー、おいしかったぁ〜!ありがとう、アズくん!」
「いえいえ、イルマ様のためとあらばなんでも致します!!」
「ずるーいイルマち!私ももっと食べたかった〜!!」
「ええい、やかましいわ!そもそも私はイルマ様のために注文したのだから…」
「まぁまぁ…あ、僕ちょっとお手洗い行ってくるから、2人とも先戻ってていいよ!」
「わかりました!先に教室に行っておきますね!」
「らじゃー!!早く戻ってきてね〜!」
「はーい…!!」
相変わらず仲のいい2人だなぁ…喧嘩してないといいけど…なんて、2人の心配もしつつ、ゆっくり歩き始める。少し考え事をしていたからか、前から来ているヒトに気づかなくて__。
???side
「いてっ…あ、ごめんなさい!」
「…大丈夫?こちらこそ、ごめん。前見てなかった。」
白い髪、真っ黒な服…あの噂されてたヒトだ!!
…みたいな顔してんなぁ…今も噂になってんの?すごいな、逆に関心する。そういえば…この子こそ、今話題の特待生イルマ…じゃない?なんて、考えながらもとりあえず手を差し伸べる。怖がって逃げるかも…それもそれで面白いか、と変なことを考えた後にイルマを見る。驚くことに差し出した手を掴んで立ち上がると同時に詰め寄ったのだ。
「えっ、あの!5年生の方ですよね、!?えっと…あの、僕、イルマって言います!あなたは!?」
「…いや、イルマくんなのは見て分かるよ。キミ、結構有名だからね。…私はクストス。確かに5年生だよ。まぁ…一応留年ってヤツだね。」
「クストスさん!!って言うんですね!」
「…うん。キミ、どこか行ってたんじゃないの?私も行くとこあったんだけど…。」
「あ、そうですよね……」
そうも残念そうな顔をされては、離れるに離れられない。さっきから色々表情変わって本当面白いなこの子…。流石にこれ以上引き止められる訳にもいかない。こんなのでも忙しくない訳ではないのだから。少し悩んだ後に、携帯を取り出してイルマの前に出す。
「また話したいなら、連絡先交換しよう。嫌ならいいけど…。」
「!!いいんですか!します!…ありがとうございました!また!」
「うん、またね。」
嬉しそうに遠ざかるイルマを見送ったあと、クストスも自身の目的地へと足を進めた。短時間だったが、少し興味のあった者と話せたことと、久しぶりに彼と会えることへの喜びから段々と歩幅は大きくなり、どこか楽しそうにも見える。
ハイ、一旦ここで切ります。今回は主人公と夢さんの出会いのお話でしたねー。同時にキャラ紹介も上がってるはずですから、是非そちらも見てください。ちなみに、投稿は不定期かつ亀になってしまうと思います。筆が進めば1日に2回なんてことも……。まぁ、期待はしないでください。では。