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3時間後、日差しが直接肌を撫ぜ、芳しくもバタフライピーの香りと、懐かしい金木犀の香りがする外にて香った。
鳥籠にヘラクレスを入れた状態で右手で掴みながら左腕は水晶玉やら乾燥ハーブ等箱に入れた状態の物が入ったレザー素材の棺のデザインが刻まれた斜めがけのショルダーバックのジッパーの隙間には、昨日売春婦から手に入れた花弁の先が白くなっていてる深紅の薔薇を一輪、英文字の筆記体が刻まれた新聞紙に包まれた物を差し込んだ侭、ベルは歩みを寄せていた。
しかしながら、ヘラクレスは鳥籠を自ら開いてパタパタと羽を飛ばしてベルの肩に乗る。
『この方が軽いだろう?ベル…?』
ベルは困り眉をしつつも、確かに重かったが故に溜め息を吐きながら、この行動はそのまま許す事にした。
街中には煉瓦で敷き詰められた歩道の右側にはバロック式の大きな教会に、その隣にはフレンチスタイルのデザインの洋風レストラン、反対側にはロココデザインのお城のような建物があり、木製の古びた魔法雑貨店も見えると、ベルは先ずはその魔法雑貨店へと、足を寄せた。
『ヘラクレス……確か、私は専攻して無いですが、貰い主の場所が分かる魔法があるらしくて……必要なのが、ハバネロと、セイレーンの爪に、泡沫のアルペジオっていう音楽です。ただ、音楽は弾けないから、……どう致しましょうか。』
『音楽ならば、……我ならば、常に魔法に使う用の曲が入ったオルゴールを集めて、必要な時だけ出して使っていたが、オルゴールを作って貰ってはどうだ?』
『良いアイデアです。……確かにそれならば、誰かを探す事はこの先、仕事でも必要になりそうですし、せっかくですから買ってみましょう。』
足を一歩、また一歩へと近づくは、魔法雑貨店にて、木製の扉には錆びた銀鐘が付いており、扉を捻ってカチャリと中へ入ると、銀鐘のカランコロンとしたノスタルジックかつ癒される音がなる。
店内には漆黒のアイアン製のシャンデリアに蜘蛛の巣が張り巡らされており、その仄かな優しさの光の下では、入り口の扉付近にはレジダークモカブラウンのカウンターに、後ろにはとんがり帽子を被った店員と、何故かマスターと書かれたタグつきの首輪をつけている黒猫が、カウンターの上で座っている。
『いらっしゃいませ。現在、ユニコーンの鬣に、マンドラゴラの根っこが非常に安く売ってますよ。……この機会にお見逃しなく。』
ロングパフスリーブのダークパープルのワンピースの上に、エプロンを着てる店員さんは、何処かうっとりとした表情で此方を見ては会釈をする。
レジカウンターの上に雑貨屋らしくも、紙に”妖精の鱗粉詰め”と商品名が記載された紙を紙スタンドで立てかけられてた後ろにはタワー型の3段にもなるクリスタルのスタンドの上に、ベルガモット色の鱗粉、サファイヤブルー色の鱗粉やら、サンライズ色の鱗粉等、一段につき七点並んでそれが3段と続いており、妖精が見たら激怒しそうな程、ふんだんに魔力と一緒に募った鱗粉が入った小瓶が沢山並んでいた。
窓のようにクリアなショーウィンドウには、”貴方もこれで調合マスター”と刻まれたポップアップがスタンドからはえており、アップル芋虫の乾燥した鈍色羽の小瓶、一雫の夢が叶うとされる星の涙で作られた金平糖が入った煌めく小瓶に、虹の結晶が入った小瓶等、綺麗にならばれてる様子に、可愛らしいピクシーが捕まってる鳥籠等が飾られていた。
『すみません……。ハバネロと、セイレーンの爪に、泡沫のアルペジオの曲が入ったオルゴールはございませんでしょうか?』
『我は作って貰ってはと言ったが、…最初から入ってるオルゴールがあれば、割と運が良いぞ』
それこそ、夕凪が揺蕩うような程静かな声色でヘラクレスは耳打ちをする。
『畏まりました。……それならば、まだまだ沢山ございますので、用意してきます。』
颯爽と、レジカウンターの裏にある控え室の方へと、向かうなり手際よくハバネロが入った紙袋と、セイレーンの光沢感ある爪が生々しく剥ぎ取られて血塊がついた物が剥製標本のように飾ってある標本に、掌サイズのアンティークデザインのオルゴールを渡された。
『オルゴールのネジを回して、曲を確かめてください。』
ベルはカチカチとオルゴールのネジを回すと、単調なる旋律を奏でてゆっくりとした曲が流れた。
泡沫のアルペジオの曲で合ってるのだろうかと首を傾げる。
『これで合ってる。ベルよ』
ヘラクレスが囁くように口にする。
『これでお願いします。幾らぐらいでしょうか?』
『1500リネンですね。』
すかさず、斜めがけのショルダーバックから財布を取り出して会計をした後、店員は黒猫印の紙類のショッパー袋に商品をベルに渡して会釈をした。