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重い鐘の音がゴーンゴーン
と施設内に鳴り響く音
日々日々増えていく痣
馬鹿にされ罵られる毎日
息をするのさえも嫌になる毎日
苦しい。助けて。
この言葉さえも届かない__。
ジリリリリ ジリリリリ ジリリリ
『…ハァハァ』
手の甲で額の汗をぬぐう
息がしにくかった
大きく深呼吸し、頬をパチンと軽く叩いた
『はぁ』
久しぶりに見た過去の夢のせいで朝から気分が重いうえに、汗で服がびっしょりしていた
『最悪』
とボヤつきながらカーテンと窓を開けた
すぅ…っと冬の冷たい風が汗を冷やしていく
暑かったのが嘘だったみたいに一気に寒くなった「どっちなんだよ…」と窓を閉め服を着替え出す。
上裸になると凍ってしまうんじゃないかというくらい寒かった。さっきの外の冷たい風よりさみーよ…とボヤきながら壁にかけてある鏡を見る
ふいに写る今も消えない痣見ていたら吐き気がする
ボロボロの伸びきった爪で痣を消すかのようにかきむしる。だが消えるはずもなく…
むしろ痣が深くなった
『うううう…』
と唸り声をあげ、ベットに飛び込んだ
このまま二度寝でもしてやろうかと思うと同時にドアがキィィィと嫌な音をたてた
『ちょっと!!いつまで寝てんのよ!!!』
と布団をはいでケツを思いっきり叩かられた
『ってて…おいケツは叩くなよなァ…』
『寝てるロドが悪いわよ!!さっさと起きなさい!!』
わいせつ罪の犯人は同じ施設出身のアイニーだ
無駄に長い髪をなびかせ
無駄に露出している
そして無駄に声がでかい
無駄が多い女に毎日嫌気がさす
だけど
(まぁ…それなりに好きだけどなァ…特に)
とアイニーの胸を見つめる。手をワキワキさせながら
『今日も絶好調だな』
『きも…最低』
と害虫を見るかのように睨んできた。まあごもっともだけどな…でも男という生物は、顔や性格はもっちろんだか胸も恋愛面でかなり重視しているのだ。
『いーだろ…そんくれェ』
「ぐちぐち言うな!!」と叫ばれまたケツを叩かれた
赤くなった気がする、いや気がするというより確信だ。絶対赤くなった
キシキシと音をたて、ケツをさすりながらベットから起き上がる
『わいせつ女』
と口を尖らせるとまたケツを狙い、手を上へ振り上げた。こうなったら必殺技を使うしかない
本当は嫌なんだけどなァと呟いて、アイニーの手が振り下がってくる瞬間にすかさず手をクロスさせ大きく息を吸い
『スーパーバリアァァ』
と町中に轟く声をだした
この技を破れるまい…
とニヤニヤしていると
アイニーに頭をチョップされた
ケツを守る為のバリアだったのに…頭を狙ってくるとは盲点ッッ!
『うるさいわ…ロド』
『盲点とかどーでもいーっつーの!』
言葉責めが一番嫌いだ〜と泣いたフリをすると
頭をワシワシされほっぺをグニーと引っ張られた
『あででで』
鬼だ…こいつは
と思ったのはグッと押し殺して、
『ごめんなひゃい』
としぶしぶ謝った
『よろしい!』
はぁ〜…ケツとほっぺ……ダブルパンチで痛い
『あ、今日の朝ごはんだけど…どうする?なにかご希望はある?』
オムライス!と答えようとしたら、俺より早く
『今日はパンケーキにしよ〜』
じゃぁ俺に聞いた意味はなんなんだ…?と思いつつも、楽しそうなアイニーの顔みるだけで全部許せてしまう。相変わらずダメダメだな…俺と自分に呆れていると
るんるんしながらバタンとドアを閉めアイニーは去っていった
『嵐のような奴だな…ほんと』
そんなとこがまた好きなんだけどな
そう考えながら無意識に下に目をやると、さっきかきむしった時にでた痣の血が、ベットにじんわり染みていた。
『洗わねェとな』
とベットのシーツをはぎ、さっき脱いだ上のパジャマを着直して上着を羽織り、血のついたベットのシーツを抱えて部屋の扉をバタンと閉めた