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それから百年未満だろうか、主と、極東の島国が同盟を結んだという。かつて、栄光ある孤立と謳われていたが、それも、その日までのことだ。
そうこうしているうちに、第一次世界大戦が始まって、終わって、第二次世界大戦が始まった。
あれは、大変だったな。
1939年9月1日、ドイツ第三帝国がポーランドに侵攻した。それにより、我が国とフランスはドイツ第三帝国に対して宣戦布告し、第二次世界大戦が始まった。
第一次世界大戦でもフランスとは協力して戦っていた。だから、その時に百年戦争以来で西華と再会したが、まともな会話という会話は無かった。
それから何度も攻防戦を繰り返した。
そんなある日、1940年6月、ドイツ第三帝国の軍はパリを占領し、フランス政府は降伏をした。これは、フランスにとって、俺にとって、地獄とも呼べる日々の始まりだった。
定期的な情報交換として西華、いや、この時には既に仏華だったな。仏華と通信をしていた。だが、この日を境に、仏華からの通信が途切れた。
体調は優れない。だが、自分一人の身を守れるぐらいの余力はある。仏華を探しに行かなくては。
ふと、そんな事を考えた。何故だろうか。ただの隣国のドールで、ただの同盟関係で情報交換をしていたに過ぎないというのに。
彼女に炎吉と英厳は同一人物だと伝えたからだろうか。
永遠と通信機の前で思考していた。
ふと、愛華の言葉を思い出した。
彼女の『本気で欲したものはお前の手で掴み取れ』という言葉を。
「そうだ、俺は、この感情を知りたい。その為には仏華が必要なのだろう。なら、自分の手で掴み取ってやる」
翌日、主に探しに行く許可を貰えた為、隣国のフランスへ赴いた。
「仏華ー!何処だ!返事しろー!」
ひたすら声を上げて、近付いてくる敵兵を平伏し、仏華を探し続けた。だが、一切の収穫が無いまま一週間が経った。
そのまま自国に帰る日が来て、俺は渋々、家へ帰った。
それから二日が経った。
その二日間はこれまで生きてきた長いドール生よりも長く感じた。