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#山中柔太朗
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コメント
3件
もう映画みたいで本当面白かった…! ありがとうございました✨
うわっ、第3話もめっちゃ熱かった!!! 訓練シーンでの緊張感、先輩たちのキャラの立ってる掛け合い、そして最後の初出動——もうドキドキが止まらんかった。 特に「ぼーっとすんな!」って勇斗さんに叱られて立ち直るところ、いいシーンやったな。 おかずのシェアとか、チームの温かさも伝わってきて「この5人なら絶対やれる」って思えたわ。 次、現場で舜太がどう動くのか、ガチで楽しみにしてる🔥
舜太side
朝8時_
東京都中央病院の地下にある訓練施設に、俺たち5人が集まっていた。
昨日結成されたばかりの救急救命隊。
そして今日から、俺たちは本格的な訓練に入る。
「眠い……」
大きな欠伸をしながら、勇斗さんが壁にもたれかかっている。
「佐野先生、寝ないでくださいよ」
仁人さんが呆れたように言う。
「寝てないって。目閉じてただけ」
「それを寝てるって言うんです」
「仁人先生、朝から厳しいなぁ」
「佐野先生がだらしないだけです」
「はいはい」
昨日からずっとこの調子だ。
いや、もっと前からなのかもしれないけど。
「よっしゃ、やるでー!!」
一方、太智さんはやたらとテンションが高い。
「舜太くん、緊張しとる?」
「してますよ!」
「俺も最初は緊張したわ〜!」
「太智さんもですか?」
「そりゃそやろ!笑」
笑いながら肩を叩かれる。
その横で、柔太朗さんが俺を見る。
「舜太くん、今日の訓練俺と動くからね」
「お願いします!」
「分からないことがあったら聞いて」
「はい!」
よし。
今日は絶対に足を引っ張らない。
そう気合いを入れた、そのとき。
「それでは、始めます」
仁人さんがホワイトボードの前に立った。
「まずは現場到着後の初動訓練です」
ホワイトボードには、今日の想定が書かれている。
『交通事故』
「患者は一名。意識レベル低下。呼吸状態不安定」
「……」
一気に空気が変わった。
昨日までとは違う。
これからやるのは、ただの勉強じゃない。
実際の現場を想定した訓練だ。
「現場では、まず安全確認」
柔太朗さんが俺を見る。
「周囲に危険がないか確認。患者に近づく前に、自分たちの安全を確保する」
「はい」
「その後、患者の意識・呼吸・循環を確認」
俺は頷きながらメモを取る。
「そして必要に応じて処置を開始する」
「はい!」
「舜太くんは俺と一緒に患者評価」
「分かりました!」
「太ちゃんは?」
勇斗さんが振り返る。
「俺は気道管理のサポート!」
太智さんが答える。
「仁人先生は全体の診断と指示を」
「了解です」
「佐野先生は……」
「俺は患者診るよ」
勇斗さんが即答した。
仁人さんが少し眉をひそめる。
「俺が診ます」
「じゃ、二人で診ればいいじゃん」
「現場で医師二人が同時に動けば混乱します」
「じゃあ俺が先に診る」
「なぜ佐野先生が……」
「はいはい!」
太智さんが二人の間に入った。
「始まる前から喧嘩せんといて!」
「喧嘩してません」
「してないしてない」
「絶対してるやん……」
思わず笑ってしまった。
その瞬間。
「_開始!!」
訓練担当者の声が響いた。
患者を模した人形の元へ、初めに仁人さんが駆け寄る。
「周囲問題なし!」
「医師の吉田です、聞こえますか?」
「…反応なし」
患者の状態を一目で判断して指示を出す。
「塩﨑先生、麻酔の準備」
「了解!」
「山中くん、MERカー戻ってオペ室の準備」
「分かりました」
「曽野くんはここでバイタル確認」
「はい!!」
「佐野先生、一緒に診ますよ」
「おっけー!」
さっきまで喧嘩してたとは思えないくらいに意気投合している。
「曽野くん、呼吸の確認」
「…曽野くん!!」
「…はっ、すみません!!」
手際の良さに見入ってい たら、すっかりぼーっとしてしまっていた。
「呼吸、弱いです!」
「っあ、血圧低下してます……!!」
「了解」
「太ちゃん、気道確保お願い」
「了解!!」
目まぐるしく進んでいく訓練に、ついていけない。
これが現場だったら?
きっと、もっと何人も患者がいて、こんな風に戸惑ってる暇なんて無いはずなのに。
やっぱり、研修医の俺なんて……
「舜太っ!!!!」
「ぼーっとすんな!」
勇斗さんの声で現実に引き戻される。
そうだ、今は現場を想定した訓練だ。
こんな風に考えてる暇も、困惑してる暇もない。
「俺はこっちの処置をします」
「佐野先生はそちらに専念してください」
「了解!」
「曽野くん、患者の状態は?」
「血圧安定してます!」
「脈拍も異常ありません!」
「……完了!」
「柔太朗ー!」
「搬送先決まりました!」
「了解!」
「_終了!!」
声が響く。
俺はその場に座り込んだ。
「お疲れ!」
太智さんが俺のところへやってくる。
「どうやった?初訓練!」
「……めっちゃ疲れました…」
「はははっ!!」
太智さんの大きな笑い声が響く。
疲れた、本当に疲れた。
体力的に、というより精神的にだ。
訓練、ずっとドキドキしていて、思うように動くことが出来なかった。
現場だったら絶対迷惑をかけてしまう。
次からはもっと周りを見れるようにしよう。
お昼休み_
食堂で5人集まってご飯を食べていた時のこと。
「舜太くん、今日どうだった?」
俺にそう話を振ってくれたのは、柔太朗さん。
俺は箸を止めて、少し考える。
「……全然だめでした」
「そんなことないよ」
「いや、途中で頭真っ白になっちゃって…」
「でも、ちゃんと戻ってきたじゃん?」
「そーそー!佐野さんの言う通りや!」
前に座ってた、勇斗さんも太智さんも肯定してくれる。
「現場では焦ることもあります」
「でも、焦ったまま動いたら判断を間違える可能性もありますね」
「そんな時は、1回呼吸して目の前を見る」
「……はい」
「目の、前…」
「患者を見る、周りを見る」
「自分に出来ることは何か考える」
仁人さんはひとつずつ指を折って教えてくれる。それを聞いて、隣にいた柔太朗さんも声をかけてくれる。
「大丈夫、俺がついてるからね」
「はい…!!」
「よーし、舜太頑張ったし、ほい!」
勇斗さんは自身のお皿に乗っていたおかずを箸で摘んで俺のお皿におすそ分けしてくれた。
「えっ……いいんですか!」
「俺もあげる」
「柔太朗さんも?」
「うん、これからも頑張ろうね」
「曽野くん、これ食べますか?」
「わぁ…ありがとうございます!」
「俺はあげへんで!!」
「まじ〜?太ちゃんケチかよ、笑」
「うそうそ!はいどーぞ!」
「みなさん、ほんまにいいんですか?」
「ええよええよ!頑張ろな!」
「……ありがとうございます!」
今日は確かに疲れたし、色々考えてしまったけど、この5人なら何とかやっていけそうだ。
絶対に足を引っ張らない、そう決めた。
1週間後_
5人で過ごすことも、毎日の訓練にも少しづつ慣れてきた。
勇斗さんにも「動き良くなったな」と言ってもらえて、少しづつだが自分の成長を感じる。
午後2時。
俺はD棟で、いつも通り患者さんのカルテを確認していた。
その時だった_
『_中央交差点で交通事故発生!』
『トラックと大型バスが衝突し、重傷者も多数いる模様!!』
『EBiSU MERの出動を要請する!!!』
『繰り返す_』
俺は顔をあげる。
初めての現場への出動だ。
「舜太くん、いくよ」
俺の腕を掴んで柔太朗さんが走り出す。
俺もそれについて行った。
エレベーターを待つ時間すら惜しい。
階段を駆け下りる途中で太智さんとも合流した。
「おーい!」
「太智さん!」
「事故現場やろ?いくでー!!」
そのまま地下駐車場へ。
救急救命車の前には、すでに勇斗さんと仁人さんがいた。
「乗って!」
勇斗さんが叫ぶ。
「はい!」
全員が乗り込み、 扉が閉まる。
サイレンが鳴り響いた。
「事故状況は?」
勇斗さんが無線を確認する。
「大型トラックと路線バスの衝突。バス内に複数の負傷者が残されているみたいです」
仁人さんが答える。
「重症者の情報は?」
「まだ詳しくはありません。ただ、トラックの運転手が意識不明との情報があります」
「……」
車内の空気が変わった。
俺は膝の上で拳を握る。
現場は、待ってくれない。俺がもたついている時間なんてない。
「曽野くんなら大丈夫」
「落ち着いたら絶対出来るから」
そわそわしてる俺に気がついたのか、 隣に座る仁人さんが声をかけてくれる。
「俺もおるし!」
「そうそう、1人じゃないからさ」
太智さんも、勇斗さんも背中を押してくれる。
そうしているうちに、現場に到着した。
そこには想像以上の光景が広がっていた。
道路の中央。
大きなトラックとバスが衝突している。
周囲には救助隊や警察が集まり、負傷した乗客の対応が始まっていた。
「やば……」
思わず声が漏れる。
「舜太くん!」
柔太朗さんの声で我に返った。
仁人さんがざっと見て状況を判断する。
そして、振り向いて俺らに指示を出す。
「山中くん、曽野くんは俺とバス側に」
「はい!」
「了解です」
「塩﨑先生、麻酔とMERカーの準備を」
「了解!」
「佐野先生は救急隊とトラック側の対応お願いします。」
「任せて!」
そうして、俺は柔太朗さんと仁人さんとバス側の処置に向かうのだった。