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#山中柔太朗
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448
舜太side
向かった先には、バスから救出された負傷者が沢山いた。
ざっと数えても20人はいる。
「山中くん、これ」
「俺が向こう行くから、曽野くんとこっちの患者をよろしく」
「了解です」
「曽野くん、何かあったら無線で連絡」
「分かりました!」
「じゃあ、気をつけて」
仁人さんが柔太朗さんにトリアージを渡して指示を出す。
俺は言われた通りに、柔太朗さんの方について行った。
「救命士の山中です、聞こえますか?」
「どこが痛いですか?」
「分かりました、大丈夫ですからね」
「舜太くん、この方の脈拍数測って」
「はい!」
「すみません、ちょっと指失礼しますね」
「……異常なし、大丈夫です!」
「すぐ救急隊が来るのでここで安静にしていてください!」
「こんにちは、救命士の山中です」
「分かりますか?」
「手動かせます?」
「よし、もう大丈夫ですから」
柔太朗さんは、正確かつ手際良く患者の状態確認を行う。俺もそれについて行く。
向こう側では、仁人さんが負傷者の手当をしている所だった。
「舜太くん、この子の手当お願い」
「はい!」
柔太朗に引き渡された子は、5歳ぐらいの小さな女の子だった。
事故の衝撃か、軽症ではあるものの数箇所外傷が見られた。
「こんにちは、大丈夫やからね!」
「いたいよぉ…」
「ままぁ……!!」
「よしよし、頑張ったなぁ……俺が治したるから大丈夫!」
「たすけてくれるの……?」
「うん!腕貸してくれる?」
俺は医療バッグをその場で救急バックを広げ、必要なものを取り出した。
出血しているところをガーゼで押さえて止血し、その上から包帯を巻く。
肘と、膝も同じように。
「よし、もう大丈夫やからな!」
「ありがとうせんせい!」
「……こちらこそありがとうな」
「先生」と呼ばれたのが嬉しかった。
小さい子とは言えど、誰かの役に立てたのが。
「ほな、他の患者さん見てくるから、ここでママ待っといてな!」
「うん!!」
柔太朗さんのところへ戻ろうとした。
その時_
『曽野くん、聞こえる?』
突然、無線から仁人さんの声が聞こえてきた。
「はい、聞こえます!」
『佐野先生の方応援行ってくれない?』
『俺、今手放せなくて』
「分かりました!すぐ向かいます!」
『助かる、ありがとう』
言われた通り勇斗さんが対応している、トラックの方へ駆けつける。
トラックの運転手は救出されているも、意識が無い様子だった。
「あっ、舜太!」
「この人、今からオペするから」
「太智に伝えて!」
「はい!了解です!!」
勇斗さんの指示に従って、俺はMERカーへ戻った。
中に入ると、オペ室の準備をしている太智さんがいた。
「太智さん、トラックの運転手が意識不明の重体で、今から緊急オペするそうです!」
「了解!」
「太ちゃん!!いけそう?」
「いけるー!」
「舜太、助手よろしく」
「……は、はい!!」
緊急のオペが始まる。
俺は手術に立ち会うのは初めてで、しかも助手なんて任されるものだから驚いた。
いや、大丈夫だ。
俺は勇斗さんの指示に従うだけ。
「電メス」
「はい」
勇斗さんの差し出す右手に、指示通り器具を渡していく。
「ここ、押えて」
「はい…」
驚くほど手際が良い勇斗さんのオペは、あっという間に終わった。
「……血圧、安定してます」
「脈拍異常ありません」
「…よし、完了」
「太ちゃん、搬送先は?」
「中央病院!」
「了解、引き渡そっか」
無事にオペが終わり、患者さんの引渡しも完了した。
オペ室の片付けをしながら、俺は張り詰めていたものが一気に溢れた。
「……はぁぁ、」
「初めて?」
「初めてです、笑」
「ナイス助手、助かったよ」
「……ほんまですか、!!」
「すごいなぁ、舜太くん!」
「めっちゃ成長してるやん!」
「だよな、初めての訓練の時と大違い!笑」
「佐野さん怒っとったもんな笑」
「いや、あれ怒ってないから笑」
「俺がぼーっとしてたからですよね、笑」
「まあまあ、これからだよ」
「さっ、バス側の応援行きますか〜」
「はい!」
俺らがバスの方に行く頃には、既に全員の処置が終わっていた。
「あっ、柔太朗さん!仁人さん!」
「舜太くん、お疲れ様」
「トラックの運転手さんは?」
「ああ、処置して中央病院送った」
「……佐野先生、無茶してないでしょうね」
「してないわ、笑」
「そういう仁人先生こそ、救急隊の話無視して無理やり処置しなかった?」
「しません、佐野先生じゃないので」
「はぁ?俺でもしないわ!!」
「あーーもう、仲良く!!」
「初出動、無事終わったんやから!!」
「……まぁ、助かったならいいですけど」
「…そうだな」
いつもみたいに喧嘩する仁人さんと勇斗さんの間に入って止める太智さん。
この光景も見慣れてきた。
「あっ、みなさん!本部から連絡が…!」
先程まで無線で誰かと会話していた柔太朗さんが声を上げる。
「今回の出動、軽傷者19名、重傷者3名」
「死者は……」
「……0です!」
「よっしゃーー!!」
「良かったぁ……」
俺はほっと胸を撫で下ろす。
とにかく、死者が出なかったことが何よりだ。
「さぁ、帰りましょうか」
「はい!」
「は〜い!」
「はいはい、みんな乗り込め〜」
俺らはMERカーに乗って、自分たちの病院へ戻った。
病院に戻ると、俺ら5人が教授に呼び出された。
「失礼します」
「おぉ、よく来てくれた」
「まぁ、座ってくれ」
「今日の出動、どうだった?」
「佐野くん」
「死者0名です。無事に全員助けました。」
「それは良かった」
「吉田くん、手応えはどうだった?」
「新プロジェクト、需要あると思うかい?」
「……はい、僕らが出動することによって、多くの命が救われるのであれば、必要であるとおもいます。」
「流石だねぇ……じゃあ曽野くん」
「っは、はい!!」
突然名前を呼ばれて背筋が伸びる。
「君は研修医だが、どうだった?」
「……えっと」
「みなさん本当に手際が良くて、きっと患者さんも安心できたと思います」
「僕もまだまだ、出来ることあると思うので頑張りたいです」
「……そうか、それは良かった」
「このMERが全国に広まれば、日本の医療に革命が起こるはずだ」
「引き続き、頑張ってくれよ」
「では、仕事に戻ってくれ」
「失礼しました」
「いやぁ…説教じゃなくて良かったなぁ!」
「褒めていただいて、良かったですよね」
「よーし!!次も頑張るでー!」
「太ちゃん元気だな〜笑」
教授室から出た後、各々口を開く。
俺はそんな4人の後ろ姿を眺めながら、このMERの一員になれて良かったと思った。
こんな俺でも、救える命がある。
誰かの明日を繋ぐために。
俺が、俺らMERがいるんだ。
「いくよ、舜太くん」
「……はい!!」
表紙やアイコンやら変えてますがお気になさらず……引き続き見守ってください🥲💞
後、1部作品公開範囲フォロ限にします💦
また見てください🫶💕💕
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