フィンとドレイクが町の広場を歩いていると、町の掲示板に貼られた一枚の依頼書に目が止まる。それにはこう書かれていた。
「サンタクロース討伐依頼。報酬:2000ゴールド」
ローザリンドがそれをじっと見つめながら言った。
「サンタクロース…討伐? なんだか怪しいわね。」
フィンは興味津々でその掲示を指さしながら笑った。
「サンタクロース討伐って、聞いたことないけど、面白そうじゃないか?」
ドレイクが腕を組みながら首をかしげる。
「でも、サンタクロースって…あの赤い服の?」
「まさか、こんな依頼が本物なわけないだろ?」フィンが自信を持って言う。
「それにしても、こんな依頼が出るって、よっぽどのことなんじゃないか?」アリシアが冷静に指摘する。
その言葉に、フィンは少し考えてから頷いた。
「確かに。なら、調査してみようか。もしかしたら、別の目的があるのかもしれない。」
翌日依頼を受けることに決め、サンタクロースを討伐するために準備を整えた。ローザリンドは武器の準備をし、ドレイクは戦闘用の防具を整える。フィンは、依頼主からの情報を受けてサンタクロースが出現するという「赤い村」へ向かうことにした。
「サンタクロースって、まさか本当に魔物なのか?」ドレイクが疑問を投げかける。
「どうだろうな。村の住人が全員、『サンタクロース』を怖がってるって言うから、単なる伝説ではないかもしれない。」フィンは少し考え込みながら答えた。
アリシアが冷静に言う。
「もしサンタクロースが魔物であれば、討伐は難しくない。だが、もし人間だとしても…」
「それでも、私たちは討伐を依頼された以上、しっかりとやり遂げるだけだ。」フィンが決意を固める。
赤い村に到着すると、村人たちが恐怖に顔をひきつらせながら警戒の目を向けていた。長老が近づいてきて、震えた声で言った。
「頼む、サンタクロースを止めてくれ…。毎年、奴は村に来て、何かを奪っていく…。」
「奪う? 何を?」フィンが尋ねる。
長老は息を呑んでから続ける。
「奴は、毎年クリスマスの夜になると現れ、村から子どもたちを連れ去るのだ…。どんな力を持っているのか、私たちにはわからない。だが、犠牲になった者たちの中には、子どもたちだけでなく、大人もいた。」
「それは一体どういうことだ?」ドレイクが尋ねる。
長老はさらに顔色を悪くしながら語り始める。
「サンタクロースは、見た目は老人のように見える。しかし、目は異常に輝いていて悪しき力を持っている。そして、村に現れると、クリスマスの夜になると、何かを持ち帰っていく。」
アリシアがその話に静かに反応しながら言う。
「それはただの伝説だとは言い切れない。私たちが確かめてみる価値はある。」
フィンはその言葉を受けて、仲間たちと一緒に夜の村に忍び込むことを決めた。
夜が訪れると、村の周囲は静まり返っていた。フィンたちは村の中心に集まり、サンタクロースが現れるのを待つ。その時、遠くから鈴の音が響き、赤い服を着た老人がゆっくりと現れる。
フィンは息を呑みながら、その姿を見つめる。
「本物か…?」
サンタクロースはゆっくりと歩み寄り、フィンたちに近づいてきた。
「君たちが討伐に来たのか?」サンタクロースの声は冷たく響いた。
ドレイクが警戒しながら剣を構える。
「お前がサンタクロースか?」
サンタクロースはにっこりと笑いながら答える。
「そうだよ、私がサンタクロースだ。だが、君たちが何を勘違いしているのか、わかるだろう?」
その瞬間、フィンはサンタクロースの目が輝いていることに気づき、背筋が凍る。
「その目…お前、魔物だな…!」
サンタクロースがニヤリと笑う。
「そうだ。私はただの老人じゃない。だが、私の目的はただ一つ。世界に『プレゼント』を与えることだ。」
次回予告
「次回:サンタクロースの真意、そしてフィンたちの選択」
フィンの声が聞こえる。
「プレゼントって、一体何のことだ…?」
ローザリンドが冷徹に言う。
「そんなもの、ただの口実よ。」
ドーベンが冷静に続ける。
「そして、次の戦いが始まる。」
To Be Continued…
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