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『両親からの手紙』
―ある昼下がり、両屋敷では着実にアリサ封印をする為に準備を進めている―
青薔薇屋敷
―コンコン…―
屋敷のドアをノックする音がしたのでそれに気づいた紅姫が屋敷の扉を開ける。
紅姫:はい、どなたですか?って…北の街の長様どうされたんですか?
??????:やぁ紅姫しばらく見ないうちに勇ましくなったね、僕の娘と妻がいつも世話になってるね。湊君も青薔薇屋敷に帰って来てると聞いてね。久々に遊びに来たんだ。
アニエス:あら、お父様。
ベルニ:『アルカトリス』…屋敷に籠もりっきりの貴方がどう言う要件出来たの?
―アルカトリス―
北の街の長様であり、初代魔女長でもある最年少の魔法使い。彼は第一次魔獣大戦の経験者である。
青薔薇屋敷―客間―
アルカトリス:やぁ、アニエス、ベルニ、そんなしかめっ面しないでおくれ。今回僕が青薔薇を訪ねたのは、この手紙を紅姫と湊に渡す為だよ。
アルカトリスは自分の娘と妻にそう説明すると鞄から一通の手紙を取り出す。
アルカトリス:青薔薇屋敷の要件が済んだら不夜屋敷にも様子を見に行くつもりさ。
アニエス:お父様、いくらお父様が不老不死の魔法使いと言えど…
アルカトリス:わかっているよ、例え不老不死の魔法使いと言えど神には勝てない事位ね。でもこれは彼等との『約束』なんだ。
紅姫:長様、湊を呼んできました。
湊:お久しぶりです。北の街の長様、内容は一応客間に着く前にアニエスの宝石を通して聞いてました。
アルカトリス:久しぶりだね、湊…本当に風格が澪に似てきたね。内容事を把握してくれて助かるよ。じゃあこれを渡すね。
アルカトリスは湊に一通の手紙を渡す。湊はそれを受け取り手紙の封を開け紅姫と共に目を通す。すると紅姫は涙をこぼす。
―手紙の主は…紅姫と湊の両親、栞と優里からの手紙であった、内容は―
『紅姫と湊へ
この手紙をアルトから受け取ったと言う事は第二次魔獣大戦が迫っていると言う事だね、僕達の世代でアリサに終止符を打っていれば君達の未来を悲しい事にならなかったと思うと、僕と優里、そして里愛と澪、ノヴァとリリナは悔いても悔いきれない気持ちでいっぱいだ…この手紙を渡す時を待つ前にアルトから僕達は魔獣とアリサの手下によって命を落としたと教えられてきたと思う、ここで真実を言うね。僕達は生きているよ。アリスの加護のお陰でね。そして僕達は君達の裏で手助けする策を練っている。アリサは僕達が手下によって命を落としたと思い込んでいる、その思い込みを利用して密かに生きて逆転の時を待っている。君達とリリエルちゃん、リオ君に苦労かけるかもしれないが…これだけは信じて、僕達は必ず君達のピンチに駆けつけるとそれじゃ、最終決戦の大戦の戦場で会おう。紅 栞 優里より』
紅姫:今まで…密かに生きていたんだ…私達を助けるために…うぅ…
湊:うん、父さんと母さんは生きていたんだそれにノヴァおじさんとリリナおばさんも…
アニエス:良かったわね、2人とも両親の生存が分かって。
ベルニ:アルト、なら霊園に建てられた栞達の墓標は何?
アルカトリス:多分、アリサの目を欺く為だとも思うよ。後は深夜にノヴァはリオ君達に会いに行くと言っていたしね。
紅姫:アルカトリス様、両親の手紙と生存を報せてくれて…ありがとうございます…
アルカトリス:僕は僕の役目を果たしただけだよ。さて僕は不夜屋敷に行くよ、ノヴァと待ち合わせているから、行かないと怒られるからね。
湊:道中お気をつけて…
アルカトリス:うん、またね。
アルカトリスは紅姫達に別れを告げ、転移魔法でノヴァと待ち合わせの場所へと着く。
―不夜屋敷裏―
ノヴァ:時間通りだな。わりぃなアルト手間かけちまって…
アルカトリス:良いんだよ。さて、リオ君達に迎えに行こう。
リリナ:その心配は無いわ…私の黒蝶が二人を迎えに行ったからそろそろ来るはずよ。
リリエル:え…嘘でしょ…
リオ:父さん、母さん?
リリナ:大きくなったわね。リリエル、リオ
ノヴァ:まぁ、俺達は表舞台じゃこの世に居ねぇ事になってるからな無理ねぇよ。早速だが単刀直入に言う、俺達はアリサ封印に今日まで密かに動いてる、お前達の未来を守る為にだ、戦場に行きゃあ栞と優里が紅姫と湊と再会する手筈になってる。
リリナ:貴方達に“悪役のフリ”と言う負担をかけさせてごめんなさいね。
リリエル:ううん、お母さん、お父さん私達…2人と栞叔父さん達が生きてる事が分かって今嬉しいの…全然負担じゃ無いよ。
リオ:でも父さん達だけで封印に動いてるって言うけど…どうやって…
ノヴァ:それに関しちゃ、長達にも応援を頼んである、心配すんな。お前達は時を見てアリサを裏切り紅姫達の元へ戻れ、良いな?
リリエル・リオ:わかった。
ノヴァの言葉に同意するリリエルとリオするとリリナから手下の2人には気をつけろと言う。
リリナ:アリサの手下の中に人形の少女と少年がいるわ、その2人には気をつけなさい。元は私が作った人形達だけど、アリサの堕天の魔法石の力で自分の意思とは関係なく動いているわ。
リリエル:人形の名前は?
リリナ:少女人形の名はアリース、少年の名はアクイラと言うわ。アリースは寿命を蝕む呪いの魔法をアリサから授かりその魔法を使って風の大精霊の寿命を奪った、アクイラは狙撃を得意とする子でね。銃撃には気をつけなさい。2人の持つ能力は私が与えた力ではないのでアリサが与えた力よ。
リオ:母さんが本来2人の人形に与えた力は?
リリナ:天使の力よ、アクイラにはメタトロンの力アリースにはウリエルの力を与えたのこの2つの力は人々を守る為にペルセポネに頼んで人形達に与えた力なの。
リオ:成程、じゃあ、アリースとアクイラは元々アラストル家所有の人形だった訳か…
ノヴァ:後の手下達は長達と関わりがある奴らだそこは長達に対処を頼んである。さて、俺達はそろそろ身を隠すくれぐれもバレるなよ
リリエル・リオ:[頷く]
リリナ:戦場で会うまで元気でね。行きましょうアルト。
アルカトリス:わかったよ。
アルカトリスはノヴァとリリナと共に転移魔法で姿を消す。
リリエル:私達はお母さん達の期待に応えなきゃね。
リオ:うん
リリエルとリオは両親との再会を心の中で喜び、不夜屋敷に戻りアリサを裏切るタイミングを伺いながら悪役のフリを続ける、紅姫と湊は戦場での両親の再会を心の中で待つと同時に改めて自分達の使命を肝に銘じるのであった。