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hnちゃんからの話を聞き終え、私は水を一口飲んで喉を潤す。
真剣に話に喰い付いていたため、まともに喉の渇きに気付いていなかったらしい。
「なるほど……昔は優しい性格だったんですね。」
頭の中で、聞いた話をまとめて、ポツリと呟く。
今の性格からすると、確かにかけ離れていると言うか、全く想像がつかない。
…rkは、個人的な意見ではあるけど、悪く言えば “自分勝手” そのような性格に近しいと感じている。
そんな彼が昔は優しい性格で、とある事件のせいで歪んでしまったなんて…
全く想像することができない。
「そもそも一つ疑問に思ったんですけど、rkとhnちゃんは兄妹なのに、
人間と人外っていう組み合わせになってるのはどういうことなんですかね……?
ちなみにご両親は人外?それとも人間でした?」
悩んでいる間にも、更に気になっていることを聞いてみる。
前々から気にしていたことではあるんですけど、お二人のご両親のことはあまり詳しく知らないし、
中々世にも情報が出ず、いくらrimrの力を借りても知ることが難しくて。
これは折角の聞けるチャンス。
一度でもチャンスを見逃したら、そこで私達の有利具合はぐんと下がってしまうのだから。
hn「そう!説明しようと思ってたんですよ〜
実は、“私のお母さんは人外”で、“お父さんは人間”だったんです。
結婚するまでお母さんは人外であることを隠し続け生き続けてたんだって。
結婚から数ヶ月後、お母さんは黙ってるのが窮屈になってお父さんに話したらしくって結果的にお父さんはお母さんを人間から守ってみせる、そう宣言したそうで…
無理矢理ではありますが…お父さんが人外のフリしてリーダーを務め、
人間として狩人リーダーを務めていたと聞いたことがあります。」
hnちゃんはゆっくりと説明してくれる。
…なるほど。聞けば聞くほど、ご両親は闇深い。
私は感心する半分、hnちゃんやrkのご両親に呆れを覚えていた。
rimr「それは分かったんですけど……
でも、そのお父さんは一体何がしたかったんですかね…?」
rimrは納得できないというように、不服そうに言う。
まぁ確かにそう思うのも当然っちゃあ当然ですかね…
私も少し気になったので、hnちゃんに視線を送ると、黙って頷いてまた説明を始めてくれた。
hn「不正確な話なので、実際の真偽はわからないんですけどね…
二つの世界を操りながら、“人間界を消そうとしていた”っていうのを聞いたことがあるんですよね…!」
またもやその話を聞いて、関心と闇深さを感じる。
…でも一つそれで通ることがある。
rkの自分勝手のような性格は、そのお父さんから受け継いだ性格なのでは…?
rkは人外の世界を壊そうと、お父さんは人間界を消そうと、まるで自分中心的に考えているから。
「なるほど、そちら方面は大体理解しました。
hnちゃんに今無理に協力を要請するつもりはありません。
今は、人間界での不自然なことを見つけて、それを私に教えて下さい。」
私は真剣な眼差しで、hnちゃんを見詰めた。
分かったというように深く頷いてくれるのを確認し、私は椅子から立って言った。
「ここに来たくなる気持ちは分かりますが……無理に来ないで下さいね。そこだけは気をつけて下さい。
今日ももうそこまで長居するのは、怪しまれるかもしれませんし、そろそろ帰りどきかもしれません。」
私は一つ釘を差して、これからの作戦について考え始めた。