此の世は屹度、
全て不具合で出来ている。
‘ そう思う ’ では無く、
‘ そうで在る ’ と言い切る。
勿論、理由有っての話だ。
理由その1
理不尽が多い事。
理由その2
時々世界が狂っている様に感じる事。
理由その3
私自身が産まれてきた事。
ある少女が言った。
「 バグが治った時、死ぬんだよ。 」
何時もと何等変わらない日々の狭間で思う。
此の世界は狂っている、と。
隣で心底つまらなそうにSNSの動画を観ている青年に問う。
「 此の世界って何だと思う ? 」
画面から私の顔へと目線を移す彼。
大きな瞳をパチパチと瞬かせて口を開いた。
「 塵の塊 」
嗚呼、其の通りだと思う。
深く頷ける所をすんでのところで踏み留まって首を振った。
「 不正解。此の世界はね、不具合で出来てるの。 」
「 御前が世界を創った様な言い分だな 」
「 違うけど解るの。私には。 」
其処らに有る植物
生物が口にする凡百、飲食物
全ての生物
そして此の世界
此れ等全てバグにより創られてしまったモノである。
「 其のバグとやらはどうしたら良いんだよ 」
人生をゲームとするならば、
人生自体はゲーム機である。
そして其のゲーム内、若しくはゲーム機自体がバグを起こしてしまった場合、
治すのが普通だ。
無論、其れが人生だとしてもバグは治すべきである。
「 治さなくちゃいけない、というより 」
少し言葉が詰まってしまった。
此のゲームはどうもハードゲームの様でどのレベルを見てみても脱落者、死者が大勢居る。
「 バグを治す為に生きてるの。 」
バグを治せない儘、不本意に脱落する者は病死や事故死。
バグを治すのが面倒に成り、望んで離脱する者は自死。
「 バグが治った時、死ぬんだよ。 」
バグを治し、ゲームをクリアした者は老衰死。
「 御前はバグを治したいの ? 」
「 私はー … 、 」
治したい、なんて思った事は無い。
治したくない、と考えた事も無い。
心の隙間にピタリとハマる答えを見付ける。
「 バグとかいう理由で私を創った世界面倒くさって精神だから、治さずに棄てられるのを待つよ。 」
世界に叫んでみようか。
精々廃棄物になるまで遊んでくれよ、 と。
此 の 世 の 定 義
不 具 合
end.
コメント
10件
なになに天才すぎる!!!( 不具合を「バグ」って読むのも好きだし、考え方も深い…! ゲームの例えが素晴らしすぎた🤦🏻♀️ 1時間でこれが書けるのはいい意味で恐ろしい(
あの一言からここまで天才にできるのは天才しかいません() 死に方で不具合をどうしたのか変わるの結構すき 🫶🏻 走馬灯の連載後のりんちゃの表現爆上がりしてませんか((