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ジョウントがあればいいのに惰眠さえ覚めれば君の星へと行ける
(詳説)
『ジョウント』とは、瞬間移動を可能にするある種の技術や超能力を表す言葉である。 初出はA・べスターの『虎よ、虎よ!』だが、やはりS・キングの同名の小説、更には『仮面ライダーカブト』にキーワードとして登場することで有名だろう。キングの小説では、ジョウントは特殊な機械を用いた転移技術として描写されている。作中では人間に使用しての移動手段として使われていおり、専用の部屋で眠って目覚めれば月へと到着しているという描写がなされた。しかし、それは同時に恐るべき危険性を秘めていたのだ。小説を読んだならわかると思うが、これは『おのずから行動するとたどり着くまで時間かかるけど、ずっと寝てるよりは時間的にもましだぞ』みたいな意味の短歌である。所で、ゲーム『Library Of Ruina』には『Warp列車』と呼ばれる存在が登場し、その描写が『ジョウント』の真実まんまなのである。 筆者はこいつの元ネタはキングので間違いないと考えている。
新しい眼鏡。アニメのキーホルダー。マドンナ君もエイリアンじゃん
(詳説)
特殊なサングラスをかけることで、人間の中に紛れた侵略者を見分けることが出来る。 『ゼイリブ』はそんな映画だった。 作中ではメディアや政治家などがエイリアンの擬態に乗っ取られており、成り行きでサングラスを手に入れた主人公による反抗が描かれた。作中で(良くも悪くも)印象的なのは、エイリアンの存在を知らない人物にサングラスをかけてもらうために主人公がそいつと殴り合いをするシーンだ。 これが恐ろしく長く、はっきり言って冗長も冗長なのだが、『人にサングラスをかけるのでさえ殴り合い無しではできない』などと考えれば、コミュニケーションの難しさの一例としてとらえられるのではないだろうか。 例えば隠していた趣味が、何の気なしに教室を見回していた誰かに見つかってしまったとして、たとえその相手が貴重な同好の士であろうと、衝突を免れることは難しいだろう。
離電脳(バイ!アバター)現実寂夜(サイレンルーム)電子記録(ディジタルメモ)千葉県某所(サムウェア・チバ)で聖恋節(バレンタイン)に
(詳説)
サイバーパンク小説の元祖、『ニューロマンサー』はその日本語訳の文体が非っ常に読みづらいことで知られる。 ちょうど上の短歌みたいに、ルビ付きの専門用語が続々出てくるため、読むときは覚悟が必要だ。 漢字の持つ表意性で専門用語の解説を図ったが故の措置なのだろうが、この文体をそっくりまねした作品(『ヴィーナスシティ』の事)が出てくるくらい、この作品のSF史上における影響は大きい。かの『マトリックス』も、元々この作品の映画化計画だったのが変更された物である。
膝上の海。制服は沈む日を見ている。……僕は傍にいるから。
(詳説)
小松左京が『日本沈没』という小説に据え付けたテーマは、『国土を失った時、『日本人』のアイデンティティはどうなるのか』というものらしい。 そのスケールにかかわらず、特定の物にアイデンティティを依存してしまうのは非常に危険である。 『一つの巨大な島に住み単一の言語を持つ』という事実が崩れることは本当に日本が沈没でもしない限りあり得ないが、個々人のアイデンティティレベルであれば、その程度の事ははっきり言って『起こり得る』だろう。 常に危なっかしい事ばかりして、どこで沈むかわからなが、妙に魅力的な親友或いは恋人、一番危険なタイプである。 切り捨てるか、切り捨てないならその覚悟を持つか、どっちかはしておいた方がいいだろう。
誰が『王子』に釣り合わないって?仮設ステージ『脳みそ破裂しちまえ』な歌
(詳説)
古今東西、宇宙人が地球に攻め込んでくるという筋の作品はそれこそ星の数ほどある。 有名どころでは『インディペンデンス・デイ』やら『宇宙戦争』やら。 こいつらは全部人類のために作られた作品であるので、たいていの作品では人類はなんだかんだ勝つ。 その勝ち方が一番個性的なものの一つが、やはり『マーズ・アタック』であろう。作中で地球に来襲した火星人はその技術力で虐殺の限りを尽くし、アメリカの政府高官をほぼ殲滅せしめたが、最後は’51年のウエスタン・ソング『インスタント・ラブ・コール』を聞いたことで頭を破裂させて死んでしまったのだ。 かの映画はB級映画のパロディで構成されていた。その為深夜アニメで50回は見た展開がこの歌にも含まれている。
もう何も気にすんなよな彗星のどれかがどうせ全部壊すし
(詳説)
地球に巨大隕石が落ちてくる映画と言えば、やはり『ディープインパクト』であろう。 直径11㎞(君の名は。のは40m)の超巨大彗星が地球へと迫り、人類は何とか撃墜を試みる、という話だ。 実際に同サイズの隕石が落ちた場合、人類の滅亡は避けられないだろう。 そもそも現在地球がある程度いい環境にあるとはいえ、そこら辺の火山がちょっと破局噴火しただけで人類は滅びるわけで、宇宙と比較するまでもなく、人間一人の悩みなどちっぽけなものなのだ。
僕ら時間旅行者子供の恋のまま桜五度落ちラベンダーの時期
(詳説)
筒井康隆の名著『時をかける少女』は、現在までに6回表紙絵が変わっている(出版社とかも変わっているのだが一旦そこは無視する)。 それを並べてみると時代ごとの画風の流行という物がパッと見て取れて面白い。細田守監督による映画版は実はこの原作の後日談みたいな話なのだが、あれも合わせれば7時代分、更に実写版などを含めればそれ以上の『時をかける少女』が存在するわけで、かの小説の普遍性はすさまじいものがある。恋愛も時代によって移り変わっていくが、その類型はやはり普遍的なものである。お互い好きあっていながら全然進展せず、タイムリープでもしたみたいに時が過ぎ去ってしまうというパターンもその一つだ。
四年目の夜景大志のレプリカを生きてる僕を壊しに来てよ
(詳説)
映画『ブレードランナー』において、人間そっくりに作られたアンドロイドであるレプリカントは、生まれてから4年程経つと自我を持つようになり、ブレードランナー達はそれらに廃棄処分を下している。一方で、社会に出て四年経った人間は、逆にかなりの物を失ってしまっているだろう。映画内のサイバーパンク都市は実際の東京の夜景をモチーフにしているらしいが、そんな中でずっと働いていては間違いなく心が危ない。 誰か壊しに来てくれる人がいればよいのだが、そんなことはまずない。 レプリカントが持たず人間が持つ物、つまり帰る場所を持たないことには、やはりこの街では生きていけないだろう。
初恋は義務です愚行と嘘も義務失恋も義務も忘却も義務
(詳説)
『未来世紀ブラジル』、『1984』、『華氏451』……俗に『ディストピア』と呼ばれる世界では、人類は高度に管理、監視され、支配者によってその全てを規定される。 それほどの強制力はもたない物の、現在では『常識』と呼ばれるものがその役割を果たしている。 一般に流布された恋愛観もまた、出版産業や映像産業、芸能界によって『作られた』ものであることを忘れてはいけない。 そして我々はそうした恋愛観に従順に従い、恋をしなければならない。 二重思考を絶やすな。
初恋の卵隠した夏祭りヒントは8年越しの手の平
(詳説)
『ゲームウォーズ』――『レディープレイヤー1』と言うべきか、この作品は、もう一つの世界とでもいえるほど高度に進化したMMOゲームを舞台にしている。レオパルドンが出てくること以上に、人類の殆どがゲーム世界に逃避している世界観はかなり嫌なインパクトがある。 ゲームを捨てよ、街に出よ――そんなことを言うつもりはないが、やはり人は現実を生きてイースターエッグを探していくべきなのである。 因みに成功像が余りにもアメリカ過ぎるため、筆者は映画のオチがあまり好きではない。
感想などあれば、ぜひ。