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⚠️政治的意図、戦争賛美などではありません
⚠️嘔吐表現があります
⚠️カプ表現少なめ
イギリスに嘔吐してほしいがために書いた小説です。だらだらと長いですが、それでもよければ。
どうぞ!
薄く霧のかかる街を、人々が行き交う。ロンドンは今日もあいにくの雨だ。その人混みのなかで、ベレー帽を被った男が、シルクハットの男の手を引いて走っていた。2人は何やら口論しているように見える。
🇫🇷:もう!なんで君の国はこんなに雨が多いの⁉︎
🇬🇧:仕方がないでしょう?文句を言っても雨は止みませんよ?
シルクハットを被った男、イギリスはベレー帽を被った男、フランスに言った。
🇫🇷:あった!そこのパブで雨宿りしよう!
🇬🇧:えっ、ちょっと!
イギリスは、半ば強制的にパブへ連れて行かれた。
扉を開けると、からんと鈴の鳴る音がした。幸い席は空いているようで、2人はそれぞれビールを頼んだ。木目調の美しい装飾は、暖色光の暖かな雰囲気によく溶け込んでおり、どこかノスタルジックだった。さらに部屋はスノッブグラスで区切られており、ヴィクトリア朝を思わせる。
ビールが届き、2人は乾杯を交わした。2人とも、なかなかの飲みっぷりだ。さすがは西洋人といったところだろう。フィッシュ&チップスをつまみに、2人は他愛無い話を始めた。ロンドンは雨ばっかりで嫌だとか、イギリス議会がイカれてるとか、フランスは白旗野郎だとか。
しばらくすると、イギリスは酔いが回ってようだ。彼は口数が少なく、瞳の焦点が定まっていない。
🇫🇷:イギリス?聞いてる?
🇬🇧:……聞いてます
フランスにはわかる。これは相当酔っている。受け答えこそ出来ているものの、長年のそれで分かるのだ。フランスは、イギリスのジョッキに手を伸ばした。
🇫🇷:はい、没収〜!って力強っ!
🇬🇧:…嫌です。まだ飲みます。
こんな酔っ払いのどこからこんなに強い力が出てくるのだろう。フランスはそんな疑問を抱きながら、イギリスのビールジョッキを没収しようと試みた。が、それは不可能に等しかった。
🇫🇷:もう、明日二日酔いになっての知らないよ?
🇬🇧:……なりません…
突然ガタンと机が音を立てた。うとうとしてた彼が、急に立ち上がったのだった。
🇫🇷:どうしたの?
見るとイギリスは口元を抑え、真っ青な顔をしていた。瞬時に状況を理解したフランスは、イギリスをトイレに連行した。
🇬🇧:ふっ、うっ……はやく出てって、ください
🇫🇷:も〜、変なとこでプライド高いんだから
渋々と言った様子で、フランスは個室の外に出た。しかし、いくら待ってもえずく声が聞こえるのみで、吐いている様子は一切感じられない。
🇫🇷:イギリス〜?入るよ?
🇬🇧:ま、待って!
個室に入ると、トイレには何も吐き出されていなかった。しかしイギリスの顔はさらにやつれているように見えた。
🇬🇧:出てって、ください…
🇫🇷:吐けなくて辛いの?
目尻に涙を浮かべながら、イギリスはこくりと頷いた。フランスは、イギリスの背を包み込むようにくっつくと、自身の手をイギリスの口元へと運んだ。
🇬🇧:はっ?…何して?
混乱するイギリスをよそに、フランスはイギリスの口に指を入れた。
🇬🇧:や、やだ…やめて……
ボロボロと涙を溢しながらイギリスは懇願した。しかし
🇫🇷:こうしないとずっと気持ち悪いんだよ?
それでもいいの?
と言われ、受け入れるほかなかった。
🇬🇧:ぅっ、ぁっ……ケホッ……いや…ぅ゛ぇっ…コヒュッ
イギリスはようやく吐けたようだ。疲れてしまったのか、彼はぐったりと床にへたり込んだ。その間フランスは、イギリスの吐瀉物で汚れた指を洗っていた。手をハンカチで拭くと、フランスはイギリスの近くに寄った。
🇫🇷:どう?楽になった?
🇬🇧:えぇ…おかげさまで……
イギリスが、フランスに素直にお礼を伝えている。これは相当辛かったのだろう。フランスはイギリスの背中をさすった。いつもなら子供扱いするなと咎めるところ、今回は素直に受け入れている。
たまにはこういうのも悪くないな。そんなことを考えた罰が下ったのか、フランスは翌日酷い二日酔いになったとか。
オチ?考えるな、感じろ!