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「 てっぺん 」
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? 「遅かったね」
「……は?」
扉のその先には、入学式の前に会った
” 白宮 采來 (しろみや さく ) “ がいた。
「なんでお前…ここにいんだよ…」
白宮 「実はこの学校の副委員長を務めてるんだ。」
…思い出した。
確かこいつ、俺が商店街でババアとジジイに変な事言った時、俺の事怒ってきたヤツ…だよな?
…だから、あの老人達に謝ってたのか。
白宮 「風間先輩の方から聞いたと思うけど、生徒会長の代理 書類仕事とか、してるよ。
あと、君みたいな人間の世話…とかね」
「…うっせえ」
白宮 「今年の1年は君みたいな人間があんまりいなくて助かったよ。」
「……」
なんだこいつ… 気味わりぃ。
白宮 「でも、1人くらいが丁度いい。これが 副委員長 の仕事だから。」
「……」
なんなんだこの学校…
ますますわからなくなってくる
白宮 「昨日の入学式の言葉、意味分かった?」
「……分かんねえ」
白宮 「そうだろうね。…ちょっとまってて」
「…」
ついに、…ついに来んのか?
この学校のてっぺんが…!
白宮 「…会長…ってあれ」
風間 「おい。」
? 「……ああ、ごめんごめん」
「…は?」
こいつ…会長のくせに寝てやがったぞ…?
? 「…君が、1年の嶺二くん…かな?」
「……ん」
? 「こんにちは嶺二くん。僕の名前は
生徒会長を務めてる 余村 光(よむら ひかる ) って言うんだ」
余村 「よろしくね」
「……」
なんなんだこいつ…
なんも覇気も感じねえし、強さも感じねえ。
生徒会長は強いから生徒会長になったんじゃないのか?
…ますます意味が分からなくなってきた…
余村 「……怪我…したよね」
葛西 「……」
「関係ねえ」
余村 「そっか。…治療は? した?」
「する必要ねえだろ」
余村 「…どうして?」
「どうしてって……」
俺は少し黙り、こう答えた
「…そのくらい、普通だろ」
部屋が静まり返るのがわかる
余村 「…普通? 誰かにそう言われた?」
「……」
急に胸の奥が変な感じする
なんで急にそんな事聞くんだ。
別に普通だろ
怪我なんてほっとけば治る 人なんか頼らない
それが普通だろ。
なのに…
「…それが、俺の当たり前だ」
余村 「…そっか。…葛西、治療してくれる?ガーゼじゃ物足りなさそう。」
葛西 「分かりました」
風間 「俺が嶺二のポケットにあったガーゼで処置はしといた。後はよろしくな」
風間 「はい、ちょっと取ってきます」
「………する必要ないって言ってんだろうが」
余村 「…うん、嶺二くんはそう思うよね。」
余村 「でも、僕が心配だから。」
お前が心配? バカなこと言うな。
「…は?」
余村 「怪我を放っておける人って、怪我に慣れてる人だから。」
余村 「慣れなくていいんだよ。」
「……」
何言ってんだ、こいつは
慣れられなかったらどうすんだ。
誰かが助けてくれんのか…?
……そんなわけ、ねえだろ。
「…うっせえ。」
葛西 「消毒するから、少し前髪避けてくれる?」
「……」
葛西 「見えないと処置できない」
俺は無言で前髪を少しだけ避けた
白宮 「………」
風間 「……」
葛西 「…!」
葛西 「…結構深いね」
「別に」
葛西 「痛かったでしょ」
「痛くねえ」
葛西 「痛かったと思うけど」
「……」
消毒液が傷に触れる
葛西 「沁みる?」
「別に。」
葛西 「そっか」
葛西 「終わったよ。」
「……」
俺は顔にある包帯を触る
初めての事だからなんて思えばいいか分からない。
余村 「どう?」
「…別に」
余村 「……そう」
コイツの顔見てるとイライラして仕方がねえ
「……お前さ」
余村 「ん?」
「…なんでここの生徒会長やろうと思ったんだ」
俺がそう言った瞬間、また室内が静まる
生徒会長は俺の目を見てこう言った
余村 「頼まれたから、かな。簡単に言うとね」
「……は?」
余村 「僕がやりたい!と思ってやってる訳ではないんだよね。
ただ、誰かがやるならやれる方がやった方がいいと思っただけ」
「……意味分かんねえ。」
余村 「…嶺二くんはさ、…なんで強くなりたいの?」
「…あ?」
余村 「誰かを守りたい?」
「ちげえ」
余村 「勝ちたい?」
「ちげえ」
余村 「…じゃあ」
余村 「何から、負けたくないの?」
「……」
分からない。
そんな事、考えた事もなかった。
ただ、強くなれば全部解決すると思ってた
そしたら誰にも言われなくなるし、誰にも近付かれなくなる。
だから俺は…
「…知らねえ。」
「……ただ、」
気づいたら口が動いてた
「弱いと、面倒だから。」
「…」
なんで今そんな事言ったんだ
言おうとしてなかったのに
余村 「…そっか。
じゃあ嶺二くんは、 強くなりたい んじゃなくて」
余村 「傷付きたくないだけなのかもしれないね」
「……」
余村 「違ったらごめんね」
傷付きたくない…?
ちげえ…
……ちげえ、よな…
余村 「……みんな、今日は帰らないつもり?」
風間 「俺はそうかな… 余村と嶺二の話終わったら帰ろうとしてた。多分天城も風紀委員でいると思う」
葛西 「…余村と嶺二くんが終わってから帰ろうとしてた」
白宮 「僕もです」
余村 「そっか、みんな考えは一緒なんだね」
「……」
余村 「じゃあ今日、僕の家に泊まろうか」
「……!?」
風間 「いいのか!?」
余村 「もちろん。泊まろう泊まろう!」
葛西 「久しぶりだ、こういうこと」
白宮 「久しぶりですね本当」
家に泊まる…? こいつの…?
風間 「天城にも伝えとくよ」
余村 「うん、ありがとう」
まあいいや。
俺には関係ないし、黙って帰ろ。
そう思いながら俺は鞄を持って帰ろうとする
風間 「おーい、嶺二も今日は余村の家だから」
「……は?」
白宮 「毎週ではないけど、たまにこうなるんだよ」
「…お前ら、家ないのか」
葛西 「あるよ」
「じゃあ帰れよ」
天城 「意外と楽って思うかもよ〜?」
風間 「お、早いな天城」
天城 「早く終わったんだよね〜」
楽…? そう思う訳ねえだろ。
余村 「…まあいいから、僕の家泊まってみてよ」
「……」
風間 「楽しいぞ〜?」
「……」
…なら、行ってみるのもあり、か。
余村 「その顔は行く気になった顔だね。じゃあみんな行くよ!」
嶺二以外 「はーい!」
こいつら見てると小学生思い出す。
久しぶりだ、誰かの家に泊まるなんて。
……少し、楽しみ…だな。
コメント
1件
うわ、第4話読んだよ! 生徒会長の余村、めっちゃ掴みどころないな…「頼まれたから」って理由で会長やってて、嶺二に「傷付きたくないだけかもね」ってズバリ言うシーン、グッときたわ。嶺二の「弱いと面倒だから」って本音、痛いほどわかる。でも最後にみんなで余村んちに泊まる流れ、ちょっとほっこりした。続き気になる!
#学校
ひな💐💫
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