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これは、カタリーナが雷に撃たれた前と後のとの物語
俺は、グレン・ロバーツこと、ロバート王国の第1王子である。
その日はたまたま教会を覗いていた。
生きているうちに指の数ほどしか行かない教会を、たまには覗いてみようと中に入ったあと、
突如として謎の女がガチャんと音を立てて教会に入ってきたのだ。
ここは王家だけしか立ち入れぬ場所にもかかわらず女は何かに取りつかれたようにフラフラと前の方へと歩みよろうとする。
「おい、そこの女。ここが何処かを知っておきながらここにたっているのか?」
驚きを隠しながら、女に注意をする。
俺に気づいた女はフルリとこちらに頭だけ向ける。
俺と同じ背丈、ピンクがかった金髪ロングをふわりとなびかせエメラルドグリーンの瞳は、魂が宿っていないと思えるほど黒く曇っていた。
またフルリと前へ向くと俺を無視して歩き出す。
「おい、貴様どこに行く」
な、……..この俺をなんだと思っている。
声をかけても一切振り返らずフラフラとよろけながら、とうとう1番前の椅子まで行ってしまった。
その瞬間女は糸が切れた操り人形の如くバタリと倒れる。
「おい!!どうした!?」
突然倒れた女に目を開ける
バタバタと女へと小走りに向かう。
近くまで来た時、
突然外の様子がおかしくなった。
雲ひとつない空が一気に曇り始め、
ゴロゴロと雷がなり始める。
その瞬間、
目の前の女に一線の雷の道がスっと落ち、同時に太鼓を強く叩きすぎたような雷鳴が轟いた。「キャーーーーー!!!!!!」
女に直撃に当たり、悲鳴をあげた。
ドンドンと重いノックのあと
「こちらから大きな物音と悲鳴が致しましたが、どうかなさりましたか?王子殿下」
男性の太い声が外から中に向けて発せられる。「すまないが手伝ってくれないか、不法侵入を行った女が倒れた」
「はっ」
ガチャりとドアが開き、3人の騎士のうち1人の騎士が入ってくる。
近衛騎士団副団隊長のドナルドだ
「失礼します、」
ぺこりと頭を俺と教会に礼をし、こちらに駆け寄ってくる。
体をさげ、
「……..!?失礼ですが殿下」
女の顔を確認するや否や顔が強ばっている。「なんだ」
「この方は……..団長の、ご令嬢ではないかと存じ上げます」
後ろで待機していた騎士にドナルドは目を移す。
騎士は、焦っているのか汗でダラダラである 視線を女に移し、
「この女を医務室に連れて行け、後で俺も向かう」
「了解致しました。」
そういうと女を優しく抱き上げ教会を出ていった。
さて……..あの女に色々聞かないとな、あんな無礼を働いたのはあの女が初めてだ。
面白い くるりと後ろをむくと、騎士たちに駆け寄り、近衛騎士団長の場所を聞く。
「国王陛下の、執務室にいらっしゃると思います。」
そうか……..なぜ執務室なんかに……..ますます面白くなってきた。
慣れた道を通り、入り組んだ場所にある父上の執務室前に着く
コンコンとリズムの良い軽い音でドアをノックし開ける
「失礼します。父上、少し稀な話をそこにいる団長殿に伝えに来ました、よろしいでしょうか」
ちらりと、父上が頷くのを確認し、机の前にたっている団長殿を見る。
「殿下、なんの御用でしょうか?」
凛とし、表情が読めないその顔で俺に聞く
ダミアン・キャンベル。
「先程教会に足を踏み入れたら、見知らぬ女がいたが、そいつは雷に撃たれて倒れた。女はピンクがかった金髪ロングにエメラルドグリーンの瞳だったさて、だれだろうか?」
嫌味ったらしく伝えると、みるみるうちに顔が青ざめていく。
「失礼します」
ぺこりと頭を俺と父上にすると慌てた様子で執務室を出ていった。
「……..」
あの冷徹なダミアン殿は、一体どんな顔になるか……..あの女が起きたら問いただしてみよう。ムカつく……..怒りを押さえ込み 俺は出て行ったドアをじっと見つめた。