テラーノベル
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『何をしておるのかのう、三人も殺られたぞ、ツルギ、あとは儂らだけじゃな』『落ち着けセンニン、まだ勝機はある』そう言い二人は潜伏している山の麓へと向かおうとする。
『待つのだ』『ん?誰だ?今の話を聞いてきたなら容赦せんぞ』そう言いツルギは声がする方に振り返る。
『なっ!?康イエ様!?生きておられたのですか!?』『あぁ、そんなことよりお主らのことを聞きつけきてみたが酷い有様だな、今はやめておけ、いつか必ずワノ国に夜明けはくる』康イエは劣勢ながらも百獣海賊団に立ち向かう二人を止めようとした。
『今やらなくてどうするのじゃ、康イエ殿!ワノ国の未来がかかっているのじゃぞ!』『覚えておらぬかセンニン殿、鬼ヶ島決戦の時、あのコタツ殿ですら殺られたのだぞ!』そうしてセンニンと康イエは口論になった。
『おい待て二人とも!落ち着くんだ』ツルギは二人の間に無理矢理入りそれを止めた。
『康イエ殿、分かっておる、だがこのままではもう今後好機が訪れることはないだろう、負け戦と分かっていても、今やらなければ未来を紡ぐことはできんのだ!』(なるほどな…)ツルギの熱意に押された康イエは黙り込んでしまった。
『ツルギよ、行くぞ、儂らにはまだやるべきことが残っておる』センニンはそう言うとツルギを連れてその場を去っていった。
その頃、九里悪鬼が潜む九里の山にはキョウとグロウパー、キンシャチが向かっていた。
『ここからは別行動だ、危険を感じたならすぐ俺を呼べ』キョウはそう言うと一人山の中へと入っていった。
早速、グロウパーとキンシャチも山の周りを別々に捜索しはじめた。
(俺一人で大丈夫だろうか…)キンシャチは少し前に九里悪鬼の圧倒的な力を目にしているため、不安を感じていた。
その時、空がゴロゴロと鳴り、キンシャチに落雷が落ちる。
(この雷…俺を狙ってる!?)キンシャチは更なる落雷に備えるが、回避することができず、意識を失った。
『幹部といえど大したことないのう』そう言いセンニンはキンシャチの横を通り過ぎて行く。
しかし、センニンは数歩歩いたところで足を止めた。
『見つけたぞ、センニン』『グロウパーじゃったな、骨のある奴であると良いが』そう言いセンニンは刀を構える。
『梅雨雷(つゆいかづち)!』直後、グロウパーに落雷が落ちる。
(これくらいで止まるものか)グロウパーは次の攻撃に備えようと距離を取るが、またしてもグロウパーに落雷が落ちる。
(なるほどな、予め作った直線上に雷を落としている、正確さは見聞色で補っているのだろう)グロウパーが躱わすことに専念していると、徐々に落雷の正確さが落ちてくる。
(今だ!)グロウパーはセンニンに近づき、鎌を振り下ろす。
その瞬間、バチッ!と音を立て、空気中から発生した電気がグロウパーに直撃する。
(直線上の攻撃だけではないだと!?)その衝撃でグロウパーは一瞬隙が生まれる。
そしてその隙をセンニンが見逃すわけもなく、センニンは電気を纏った刀でグロウパーを斬りつけた。
『ガハッ!』『どうした、そんなものか?』センニンは続け様に落雷を落とす。
カキンッ!グロウパーはそれをなんとか弾いて、斬撃を繰り出す。
『遅い!戻り梅雨!』(今度は後ろからだと!?)センニンの猛攻にグロウパーは徐々に追い詰められていく。
『とどめじゃ!唐梅雨!』(炎を纏った落雷…!)あまりの威力にグロウパーは片膝をついてしまった。
『終わりじゃな』センニンがグロウパーの首に刀を据えたその時、グロウパーの体が突如大きくなる。
『お前がな』(マンモス!?ゾオン系の能力か!?)次の瞬間、センニンはグロウパーに突撃され、大きく吹っ飛ぶ。
(マズイ!体勢を立て直す!)しかし、センニンの眼前には鎌を持ったグロウパーが迫っていた。
ザシュ!『カハッ…』腹を斜めに斬られたセンニンはその一刀で力尽きた。
一方その頃、キョウはツルギと立ち合っていた。
『剣の腕前も身のこなしも素晴らしい!まるでおでんのようだなキョウ!』『たくさん鍛錬したものでな』キョウはツルギの話に淡々と答える。
『キョウ!お前はどのような世界を望む?』『百獣海賊団がワンピースを取り、その支配力で争を無くし、人々を平和へと導く!』それを聞いたツルギは怒号を放つ。
『お前、そんなもので民らが救われるとでも言うのか!俺たちが苦しんでいるのは外部からの圧迫ではない!お前たちのせいで苦しんでいるのだぞ!』『なにを言うんだ!親父はワノ国が平和になるように俺たちに国を治めさせてる!不届き者が出た時は俺たちが対処してきただろう!』キョウは頭に血が上り、声を荒げて反論する。
『おいおい!カイドウの息子だっていうのに、何も分かっていないのだな!アレは百獣海賊団のキング、クイーンの差金だぞ!』それを聞いた瞬間、キョウは愕然とした。
事実、カイドウは表面上はワノ国を守りながらも、実際は己の野望のため、ワノ国で暴虐の限りをつくしている。
そして、キョウが驚いたことも仕方なく、その真実を伝えられている幹部陣はアルベルとサイエンだけで、アマガサやキョウはこのことを知らなかった。
『だとしても俺はお前を殺す!』『望むところだ!キョウ!』そうして二人は刀を構えて突撃する。
(コイツの攻撃はどこからくるか予想しにくい!)不規則な攻撃や手数の多さにより、徐々にキョウは追い詰められる。
(本当にこのままでは死ぬ!一発でひっくり返す!)キョウはもう一度刀を正面に構え直す。
『これで最後にしようツルギ!』『そうだなキョウ!ワノ国の為にもお前を殺す!』そう言い二人は刀を振るった。
『獅子歌歌・炎ァァ!』『天地獄楽・断解斬!』キョウは無数の斬撃で身が飛ぶ。
『ウオオオォォ!』それでもキョウは距離を詰めてツルギを正面から斬り伏せた。
(クソッ!ワノ国の未来が…!)血反吐を吐くツルギの首には刀が据えられていた。
『親父が創る世は民を平和にする…』『本当にそう思うのかキョウ!?お前は本当にそれで良いのか!?』その時、キョウの心の中に葛藤が生じる。
(親父は海賊王になって世を力で治め、争いが起きないようにすると言っていた、だが、争いが無くなったからといって決して民が安心して暮らせるわけではない、本当にそれは俺が目指すワノ国か?親父は後もう少しでワノ国を俺に譲り渡すと言っていた、それを待てばワノ国の者達は救えるかもしれない、だが…)『お前は何がしたいんだ!?キョウ!?』ツルギはキョウに強く訴えかける。
『ワノ国の民を守りたい』『そうだ、それで良い』その後、キョウはボロボロのツルギを希美に連れ帰り、カグラとツナに事情を説明した。
『つまり、カイドウに反旗を翻すということだな?覚悟はできているのかキョウ?』カグラは真剣な眼差しでキョウと話す。
『できてる、ワノ国の民を守るためにも』そうしてそれから数日後のこと、百獣海賊団の幹部に激震が走る。
『早朝、兎丼でクイーン様が重傷の状態で見つかりました、やったのは…キョウ様です』『キョウがやっただと!?何かの間違いじゃねぇのか!?』アマガサはそれが信じられず下っ端に何度も聞き返した。
『映像でんでん虫にはハッキリと…』それを聞いたアマガサは単身で希美に乗り込むを決意したのであった。
そしてキョウは仲間たちと次の標的を話しあっていた。
『次のターゲットは爺だ、できるだけ傷つけず生け捕りにするぞ』アマガサには徐々に若獅子の強靭な手が迫っているのであった。
第25話 完
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