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「悠里別れよ。」
雨の日に僕は彼女から告げられた。
「え、なんでやだよ。」
僕は否定した。だけどその言葉は雨音と海の音でかき消される。
昨日までは太陽のように光り輝いていた彼女は今は雨雲のように暗く真剣だった。
そして彼女はその言葉を告げて僕の言葉も聞こえぬまま振り返った。
「待ってよ、、おいてかないで」
だけど彼女は1歩、そしてまた1歩と歩いていく。残ったのは雨の音と海の音、そして座り込んだ僕だけ。その時に急に世界から
【色がなくなったきがした】
第1章 モノクロな世界
私は昨日、彼氏をなくした。
理由も言うまもなく彼の言葉も聞くことも無くただひたすら歩いた。彼の言葉を聞くと別れたく無くなるから。
「残念ながら余命が残り2年ですね。」
私は病院でそう告げられた。
まだやりたいこと、やってないことは沢山あった。
だけど彼だけには悲しい思いをして欲しくない。そう思って昨日、彼と別れた。
雨のおかげで泣いてることもバレずに彼と別れた。帰ってからは沢山泣いた。声が枯れるまで。
彼が今なにをして、どうしてるのかは分からない。ただ別れるとき彼が何か言った気がした。
だけどその声は雨音のせいで聞こえなかった。いや聞こえないフリをした。
その言葉を聞くと絶対に声をあげてしまう、別れたくないという感情が込み上げてくる気がしたから。
だから聞かなかった。その時間からは世界から色が消え去った。どこを見ても白と黒。
人の顔も、声もなにもかも失った気がした。けど余命も残り少ないから耐えれるはず。そう思ってる。
彼女と別れた。
学校に行く気力もなく。今日は仕方なく休ませてもらった。だけど色もなく、音もない世界をただひたすらと生きて、苦しむだけ。
「なんで生きてるんだろ。」
そう呟いた。でもそうだ。僕は彼女のために生きていたから。けど失った今は生きる理由もない。けど死ぬのは怖い。 だから苦しい。誰か殺して欲しいと願う。
あの日に告げられた言葉が蘇りただひたすら泣いてしまう。
あぁつまらない人生。そんな中僕はただひたすら走り続けている。