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鏡を覗き込みにじんではみ出したアイライナーを、綿棒でふき取る
「これから二次会もあるのにもうくたくたよ」
弘美は笑った
「それでも綺麗よ義姉さん、これを塗って顔色が良く見えるわ」
私はボビーブラウンのリップを彼女に渡した、コスメオタクからしたら、彼女の色の唇にはコンシーラーをはたいて、口紅よりグロスだけの方が映えると意見を言いたかったが我慢した
「二次会にいくなら、もうちょっと派手なアクセサリーでもよかったわね、私の持ってるヴィトンのネックレス持ってくればよかった、貸してあげるのに」
「彼と私の友達でまだ騒ぎ足りない人達のための二次会だから着飾るのはもういいわ」
私は精いっぱいの明るい笑顔を見せていたつもりでも、心の中のもやもやを見抜かれしまったようだ
義姉さんが気遣かわしげに言った
「披露宴ではあなたのボーイフレンドを呼べなくてごめんね・・・」
「婚約者よ!結婚するの!」
私はすかさず訂正した
「ああ・・・そうね婚約者の彼を呼べなくてごめんなさいね」
「どうせ兄と父が反対したのでしょ?いいのよ気を使ってくれなくて」
それから義姉は辛抱強く私の話を聞いてくれた、私は俊哉と出会い恋に落ちた事を話した、けれど家族は誰も彼を認めてくれないこと、私は聞かれてもいないことをあれこれ説明した
「彼は病気のお母さんを面倒見てるの」
とか
「私本当に幸せなのよ」など
二人の関係の過去の話など時々義姉は
「仕事は何してるの?」
とか
「社会保険?それとも国民健康保険?」
とか弁護士らしい事を聞いてきた
私は社会保険と答えたが、実は最近俊哉は仕事を辞めてしまって保険は無かった
でもそれは俊哉の勤める会社があまりにも、ブラックすぎたから私は話を聞いて(もちろん彼側からだけの話だけど)そんな会社は辞めて当たり前だと憤慨した
それを義姉に話しているときはなんだか、悪い事をした子供の言い訳みたいになっていた、それでも義姉は親身になって聞いてくれた
そして一通り話終えた後義姉はこう言った
「もしよかったら二次会にお呼びなさいよ!今からなら気心知れた人ばかりだから遠慮はいらないわ私も会ってあなたの婚約者君と話してみたいし」
「それは無理だと思うわ・・・」
私は意味ありげに言った