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すの短編

第29話 - 何て言ったの？　💛💙

568

2025年03月27日

#SnowMan

#BL

#SnowManBL

まきぴよ

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まきぴよ

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酔っ払った翔太を介抱して、家に連れて帰っている。翔太の家が分からなかったから、俺はタクシーの運転手さんに、俺の家の住所を告げた。

💛「翔太、弱いくせにこんなになるまで飲むなよ」

💙「んー？」

かなり眠いらしく、翔太にあまりこっちの話が入っていかない。とろんとした目をして、俺と目が合うとにこにこと笑っている。

それは翔太が普段見せない表情で、少しどきっとした。

今夜の飲み会はたまたま開かれた。

YouTube終わりの翔太と舘さんと阿部とたまたまそのまま飲みに行って、今の9人になる前のまだ6人だった頃の話で盛り上がった。

定番の初対面の時の話や、6人で苦労していた頃の思い出話など。笑える話もあれば、しんみりとした内容の話もあった。

それぞれが感慨深い思いをしながら、思い思いに酒を酌み交わしているうちに、いつのまにか酒が進み、俺と舘さん以外の二人が酔い潰れた。

こういう時、酒に強い俺たちは大抵、介抱役に回る。翔太と阿部を手分けして家に送ろうと言うことになった。

てっきり舘さんは翔太の方を送ると思いきや、阿部に肩を貸し、翔太を頼むと俺に言って、先に店を出て行ってしまった。

残された俺は、テーブルに突っ伏している翔太を見た。

白い顔がほんのり赤くなっている。相変わらずのその肌のきめ細やかさに感心しながら、寝てる翔太をなんとか起こしてタクシーに運んだ。

💙「ここ、どこぉ？」

💛「俺んち」

💙「ふはっ……」

ほとんど歩けなくなっている翔太をとりあえず、家のソファに下ろす。冷蔵庫に冷たい水を取りに行って、渡してやる。

💙「あざす」

翔太は水を受け取って、ぐいぐいと飲んだ。

喉仏が上下するのを見ながら、その首の白さにまたどきっとした。

仲が悪いわけじゃないけど、普段そこまで翔太とあまり近くにいるわけでもないから、こうしてじっくり観察する機会もなかなかない。

渡したペットボトルの3分の1ほど一気に飲んで、翔太は大きく息を吐いた。そして、そのままごろんとソファに横になってしまった。

💛「風邪引くよ。嫌じゃなかったら、ベッドで寝たら？」

💙「えー。お前と寝るの？」

くすくす、とおかしそうに翔太が笑う。

笑う意図がわからなくて、翔太を見た。

💙「最高じゃん」

💛「は？」

💙「行こ行こ」

翔太はそう言うと、急に立ち上がり、ふらふらしながら歩き出した。部屋がわからず迷っているので、肩を支えて寝室へ誘導した。

暑い、と言って、翔太は着ていた服を脱ぎ、半裸でベッドに入った。そしてそのままてっきり寝るのかと思ったら、今度はカチャカチャとベルトを外す音がして、ジーンズも脱ぎ捨てた。

この状態の翔太の隣りに寝るのは…とさすがに気が引け、俺はとりあえずシャワーを浴びに行った。

シャワーを終えて髪を乾かし、おそるおそる寝室を覗くと、翔太は寝息を立てていた。

ぐっすり眠っている。

俺はほっとして、翔太を起こさないようにベッドの端で横になり、目を閉じた。

うとうとしていると、もぞもぞという感触を胸の上に感じた。

💛「翔太？」

💙「ひかる」

いつの間にか翔太が、俺の胸に抱きついている。

💙「ね、しよ？」

💛「へ？」

💙「俺と、しよ？」

💛「な、なにを」

そこまで言うと笑って、翔太は俺に唇を重ねてきた。

え、まさかなと思っていると、事態はどんどん進み、気がついたら俺は、勃起した下半身をパンツの上から翔太に撫でられていた。

💙「ふふ、かたくなってる」

舌ったらずに甘く喋る翔太に驚きながら、いまだ理性を手放せないでいる俺に、焦れたように翔太は言う。

💙「こういうの、いや？」

💛「いやでは……ないけど」

そう答えるのがやっとだ。

💙「俺がここまでしてるのに……つまんない」

翔太は、拗ねてぷいっと背中を向けてしまった。

俺は焦った。

なんで焦る必要があるのかわからないけど、焦った。このまま終わったら、もう二度とこうなることはない気がした。

俺は翔太の手首を掴んで、振り向かせ、今度は俺の方からキスをした。

朝。

頭が痛いとうめく翔太が眠気覚ましに熱いシャワーを浴びている間に、俺はトーストを焼き、コーヒーを淹れて待っている。

しばらくすると翔太は、だぼだぼの俺のTシャツにパンツというだけの格好で歯を磨きながら、戻って来た。

💙「あぃわとぉー」

💛「いや、ちゃんと口ゆすいでから来いよ」

俺はあまりにも翔太が可愛くて笑ってしまった。

翔太は大人しく口をゆすいで、戻ってきた。

💙「ありがとう、いただきまーす」

💛「チョコクリームあるけど、塗る？」

💙「塗る」

翔太の世話をしながら、朝のゆったりした時間を過ごす。食事中、昨夜のことは話さなかった。なんだか野暮な気がして、これからの俺たちについても聞かなかった。

帰りがけ。

玄関まで送ると、翔太に手招きされた。

💛「ん？」

耳元で不意に囁かれた言葉に思わず赤面して、俺は別れの挨拶を言い損ねた。

つづく。

短篇集2-1(だてあべのその後)に続きます。