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進撃の巨人 夢小説(連載)

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進撃の巨人 夢小説(連載)

1 - 第1話 ありきたりな異世界トリップ

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2025年03月22日

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ありきたりな異世界トリップ


あーあ。短い人生だったな。

友達と夏祭り行った私は、屋台の爆発事故に巻き込まれて17歳でこの世を去った。

ほんの一瞬の出来事で、暑さも痛みも殆ど感じなかったのは不幸中の幸いかもしれない。


そう、私は死んだ。

病室のベッドの上で、包帯をぐるぐる巻きにされて、もう目を開けない私に縋りついて泣き崩れる家族。

それを上から見てた。

お通夜もお葬式も、火葬も納骨も、全部を俯瞰で見てた。


……はずなんだんだけど。


私はどうして今生きてるの???

それでここどこ??


中世ヨーロッパみたいな街並み。

遠くに見える、背の高い壁。


私、夢でも見てるのかな??

いやでも確かに死んで身体もカッサカサのお骨にされて、小さい骨壺に押し込められたのを見たんだけど……。

じゃあ、これって現実?


私が考えを巡らせていると…


「あれ?君、どうしたの?」


声がして顔を上げると、馬に乗った眼鏡の女性がこちらを見ている。


「こんなところに座り込んで。…見かけない顔だね。服装も変わってるし…。でもすごく綺麗な格好だな。もしかしてどこかのご令嬢??」


綺麗な格好?


気にしていなかった自分が着ているものを見ると、鮮やかな花模様の浴衣に、ピンク色の鼻緒の下駄。

死ぬ間際の自分の格好だった。


この姿のまま生き返った?それとも転生した?

それとも“異世界トリップ”ってやつ?


「ね、大丈夫?」

「どうしたクソメガネ。拾い食いはやめとけ」


今度は男性の声。

声の主は切れ長の三白眼で、髪の毛はツーブロックにしている。


「あ、リヴァイ!なんかこの子ここに座り込んでたんだけど、見ない顔だよね。服装も」

「初対面の相手にはまず挨拶だろうが。自己紹介も。失礼な奴だな」

「あっ、そうだよね!ごめんごめん。私は調査兵団分隊長のハンジ・ゾエ。君は?」


『あっ…えっと。神崎杏菜(かんざきあんな)です』

「えーっと…カンザキはラストネーム?アンナがファーストネーム…だよね?」

『はい 』

「よかった、どこかぶつけて記憶が…とか心配したけど、名前も言えるしちょっと安心したよ」


ハンジさんがにっこり微笑む。


「アンナ。お前はどうしてここに座り込んでた?」


リヴァイさんに聞かれてハッとする。


『あの…分からないんです。ここがどこかも。私、事故で死んだはずなんですけど、気がついたらここにいて…』


私の言葉に、2人は顔を見合わせる。


「死んだ、って、どういうこと?」

「俺たちはとりあえずまだ生きてるし、ここは死後の世界じゃないと思うが」


訝しげな顔をする2人。

そらそうなるよね。

そしたらほんとに、私は違う世界に来ちゃったってことなのかな?


「ひょっとしたら混乱してるのかも。リヴァイ、とりあえずこの子を保護して連れて帰ろう」

「…まあ、それがよさそうだな。おい、立てるか?」

『はい』


私はリヴァイさんに手を引かれて立ち上がった。


「俺はリヴァイだ」

『リヴァイさん…。よろしくお願いします』


「アンナは女の子だからね。私の馬に一緒に乗ってもらうよ。リヴァイも男だからイタズラされたら大変!」

「しねえよイタズラなんざ」


2人のやり取りをぼーっと聞いていたら、


ひょいっ


『わっ!?』


軽々と抱えられて、私はハンジさんの馬に横向きに乗せられた。

よかった。和服を着てるから跨がれないの心配してたけど、初めて見る服装でもそのへんは分かってくれたみたい。


すごい。高ーい!


『わあ…私おんまさん初めてなんです』

「おんまさん、って。可愛いなぁ。怖くない?」

『はい、平気です』


私はよろしくね、とハンジさんの馬を撫でる。


「ほぅ。初めての乗馬で怖がらねえとは肝が据わってるな」


リヴァイさんが感心したように私を見る。


そして私たちは「調査兵団」本部へと向かった。


道中、この世界のことを教えてもらった。

ここはパラディ島。

この島には三重の壁があって、その中に人が住んでいる。

壁の外には「巨人」という人間を食べる怪物がいること。

それを討伐するのが、ハンジさんやリヴァイさんたち「調査兵団」という組織。


私も頭の中を整理するため、信じてもらえないかもしれませんが、と前置きをして自身のことを話す。


高校2年生の夏休み、友達と夏祭りに行って、そこで屋台の爆発事故に巻き込まれてしまい、17歳で死んだということ。

気がついたらさっきの場所にいたこと。

この服装は「浴衣」といって、自分がいた世界の、生まれ育った国では、古くは入浴する際やお風呂上がりに着ていた下着や寝間着のようなもので、その後は夏の普段着として、私が生まれた時代にはお祭りの時に着るものとして普及していたということ。

「カンザキアンナ」という、ラストネーム→ファーストネームの順番の名前は元の世界の自分がいた国ではそれが普通だったということ。


2人は私の話を否定することなく黙って聞いてくれていた。


少しして、調査兵団の本部に到着。


ハンジさんとリヴァイさんは、私を客間のような部屋に残して一旦その場を離れた。




「リヴァイ、どう思う?アンナのこと」

「どうもこうも。にわかには信じ難いな」

「でもさ、嘘をついてるようにも見えないよね」

「…まあ、そうだが」

「とりあえず、エルヴィンに報告だね」


早速2人は杏菜のことを調査兵団団長と、兵団幹部に報告した。





つづく

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