テラーノベル
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「俺、mtkのこと大事にするよ。
ただのセフレにすぎないかもだけど…mtk、辛いこといっぱいあったんでしょ。顔とか見たらわかるよ」
「だからいつでも会うよ。怖かったら連絡してよ」
「…ありがとう」
彼はいつだって、僕のことを一番に考えてくれた。
そう、あの日も、この日も。
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がちゃ。
「はぁい。
…って え!?mtk?泣いてたの」
泣き腫らしたままの目でwkiに会いに行った日。夜遅かった。
僕が急に、勝手に行くと言ったにも関わらず 彼は嫌な顔ひとつせず迎え入れてくれた。
また、その日は僕を気遣って 何もせずにぎゅっと僕を抱きしめてそのまま一緒に寝てくれた。
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インターホンが鳴る。
「鍵開けてるよ」
とメッセージを送る。
がちゃりと、扉の開く音が聞こえた。
「…mtk?大丈夫?」
「ん…」
「すっごい泣いてる、どうしたの。
寂しい?」
「…ホラー映画みちゃって、怖くて…」
「え?そういうこと?
なぁんだ笑」
「そういうことってなんだよ…!!
怖いから一緒にいて、別に今からしてもいいからさ」
「いや、そういう気分じゃないでしょ。
横にいるから。寝ちゃいなよ」
「…ありがとう」
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薄暗い部屋。
ぢゅう、という痛々しい音が響く。
「ぅ”っ…」
「痛い?」
「ん…大丈夫、 もっとして」
「無理しなくていいのに、でもかわいい
痕 いっぱいつけたくなっちゃう」
ちゅっ と今度は額に優しいキスが落ちる。
優しくて 愛してくれて ときに意地悪で
そんなwkiか好きだ。
好き。
それは愛情の好きではないと思っていた。
気がつけばホテルの前。
僕はwkiのことを思い出して泣いていた。
「あっ…ご、ごめんなさ、僕、なんか泣いちゃって…」
「本当に大丈夫ですか…?
なんかありましたよね、絶対。
あの、今日キツかったら本当に 帰って休んでくださいね。それか私、傍にいるだけならできますが…」
「や、まじで違うんです、ごめん、ごめんなさい…」
「今日は帰りましょう。でも…また気が向けば会ってくれますか?
ごめんなさい、わがままで。」
そう言って彼女が優しく笑うから、余計に胸が締め付けられた。
でもこんな状態で彼女と過ごすのもなんだか失礼な気がしたので、今日は帰ることにした。
「ごめん、ごめんなさい。わがまま言って。ありがとうございます。」
そうは言ったが、
彼女との時間を十分に楽しめなかったこと、
wkiへの恋心に気づいてしまったこと、
そのことで彼女を困らせてしまったこと、
彼女に悲しそうな顔をさせてしまったこと。
全てが惨めで情けなくて申し訳なくて、涙が止まる気がしない。
薄暗い夜道をふらふらと彷徨いながら、これからどうするかを考える。
自分から突き放したようなものなのに、彼女のことが気になって仕方がない。そんな偽善者みたいな自分が気持ち悪い。
母さんにもなんて言えばいいかわからない。
wkiにも…どんな顔して会えばいいのか。
好きになってしまったことを隠すのか。
色んなことを考えてもう頭も心もぐちゃぐちゃで、再び涙が込み上げてくる。
「…もう帰って寝よう 何も考えたくないや」
そんなとき。
「…mtk?」
聞き覚えのある声がした。
幻聴だと思った。
「え…?wki、」
「どうしたの、マッチングアプリの人は…
それに…また泣いてるの?どうしたの」
「う、うぁ…わ、wki…」
震える声で、彼の名をよぶ。
彼の目もまた、腫れていることにも気付かずに。
「wki…あの、ね…」
ぽろぽろ涙を零しながら必死に彼に全てを打ち明けた。
すると彼は指でやさしく僕の涙を拭った。
「俺も…俺もmtkが好き。ずっと隠してた。
この関係が終わるかもで、会えなくなるかもで、怖くて…」
そう言って彼もまた泣きはじめた。
本当は彼の方がずっとたくさん泣くのを 僕は知っていた。
知ってるけど、知らないふりをした。
知りすぎてはいけないと思った。
本当はずっと、彼のことを好いていたのかもしれない。 気づかないように、見えないように、蓋をしていただけだったのかもしれない。
「wki…僕最低なことしちゃった。
女の子、僕…泣いて、帰しちゃった。どうしよう。これから。」
「一緒に謝ろ。今度。 俺もなんか申し訳ないっていうか…。
…嫉妬しちゃったの。昨日。 まだ恋人でもなかったのに、」
「うん、うん。ありがとう。」
洟を啜って、 ぐしゃぐしゃの笑顔でwkiに向き直る。
「wki…好き。これからもよろしくね」
こう長く書いてるとキャラが途中から変わってしまう😇終わり方も変!ごめん!
コメント
2件
めちゃめちゃ最高です!!! やっぱハピエンしか勝たん