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「なぁ、あかんか?」
いつものような顔じゃなく、目を細めて蜂蜜よりも蕩けた甘い甘い目で見つめてくる。
その目で見られてしまえばダメだという否定の声ですら出しにくくなってしまう。
顔が熱い、
今自分はどんな顔をしているのだろうか、想像に容易い。
そんな自分が恥ずかしくなり、目の前の視線から顔を背けた。
「誰も入ってこぉへんよ?」
「そーいう問題じゃ…」
「…そんな嫌なん?」
「嫌じゃないっ!!」
それだけは違う嫌いじゃないし、嫌ってわけでもない。自分が腹を括れてないっていうか妙に意識しちゃうだけ。
背けていた顔を向ければ、愛おしそうなものを見るようにそれでもしてやったりと目があった。
「漸く目あったな」
「ーーッ」
「逸らしたらあかんで、ちゃんと目見て」
割れ物を触る手付きで頬を撫でる、少し傾けた顔につられてサラリとその髪が動く。
絵になるほど綺麗な仕草に少し見惚れてしまう。
「ええか?」
蝶を誘う花のように甘い声色、ここでダメと言ったら少し眉を下げて「ほうか、なら何もせぇへん」と笑って言ってくれるのだろう。
優しくてつい甘えてしまいそうになる、いつか蜂蜜よりもドロドロに溶かされてしまいそうで怖くなる。
自分が自分じゃなくなるようなそんな感じ。
それでも目の前で困ったように聞いてくるこの人になら溶かされても良いんじゃないかと思ってしまう。
愛して、愛して
心の底から愛おしく思ってくれている。
たまに本当に自分で良いのかとも思ってしまう、彼に釣り合うのは自分じゃなくてもっと可愛くてもっと優しくてふんわりとしているような子じゃないのかと、
彼の横で一緒に歩いても良いのかと1人ぐるぐると悩んでしまう。
でもそれですら見透かしたように、次の日には抱きしめて大丈夫って言ってくれる。
いつの間にか自分も彼が好きで好きでたまらなくなっていたのだろう。
頬を未だ撫でている手を取る、鼓動が繋いだ手から伝わっているんじゃないかと思う。それほどまでに自分の心臓の音がうるさい。
でも伝えたい
伝えなきゃいけない
「い…嫌じゃない、から」
「ほんまに?」
その問いに答えるように顔の熱を払うように頷いた。恐る恐る見たその顔は、心底嬉しそうに笑ってた。
「ほんなら、遠慮なく」
その声を聞いた途端に目に広がったのは彼の目の色。
唇に触れる感覚、
「今はこれだけにしとくわ」
「次は舌入れるで」
その一言で顔にはまた熱が集まった。
ーーーーーーー✂︎キリトリ✂︎ーーーーーーーーーー
あとがき
読んでいただきありがとうございました。関西弁の彼と主人公の御話です。
もう少し踏み込んだことを書こうと思ってたんですけどそれはまた今度にします。
関西弁の彼と主人公はお好きに想像しちゃってください!
口調や呼び方もお好きに脳内で変えちゃってください!!
こんな小説が少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。
良ければどのキャラで見たのか教えてくれたら嬉しいです…
お粗末様でした