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「ありがとう、玲於。大事にする……っ。今、付けてくんない?」
俺は喜んで、自分から無防備な首筋を差し出した。
玲於の長い指が俺のうなじに触れる。
ひんやりとしたレザーの感触が首筋に回され、背後でカチリ、と錠が閉まるような重厚な音を立てて金具が嵌まった。
「似合ってるよ、霄くん。……すごく、いい」
玲於が鏡越しに俺を見る。
その瞳は獲物を完璧に仕留めた獣のような、どろりと濁った悦びに染まっていた。
俺を「綺麗だ」と褒めているのではない。
自分の所有物になったことを、これ以上ないほど愉しんでいる目だ。
「これ、俺が外していいって言うまで、一生外さないでね。……約束だよ?」
耳元で囁かれた低く甘い声が、重たい呪縛のように首筋に深く刻み込まれた。
「……はいはい」
そう答えた俺を、玲於は満足そうに、壊れそうなほど強く抱きしめてきた。
「でもさ……お詫びならもっと他のがいい」
「他の?」
玲於の逞しい背中に回した指に、無意識にギュッと力が入った。
チョーカーが喉仏に食い込む感触が妙にリアルで、俺の中の何かをジリジリと焦がしていく。
「……なあ、玲於?」
自分でも信じられないくらい甘ったるい声が出た。
嫉妬も怒りも、今は全部ドロドロとした欲望に変わってる。
玲於の腕の中からゆっくりと抜け出し、ソファに座ったままの玲於の膝の上に跨った。
「お詫びってこんなアクセサリーで済まそうとするとか……玲於らしくないじゃん」
わざと挑発するように、首元で光る銀色の金具を指で弄る。
「俺が欲しがってたモンくれるのは嬉しいよ?でもさ」
顔をグッと寄せて、玲於の深い茶色の瞳を覗き込む。
そこに映る自分の姿が、飢えた獣みたいに見える。
「それよりも……こっちの方が欲しいんだけど」
玲於の胸元に手を滑らせ、ワイシャツの隙間から覗く肌をなぞってニヤリと笑った。
「こっちって?言葉にしてくれないと分かんないよ?」
「……めんどくさ、言えばいいの?」
玲於がわずかに息を呑む。
その反応がたまらなく嬉しくて、俺は膝を支えにしてグイッと前に傾いた。
「───こんなアクセじゃなくて、もっと俺を…玲於で満たしてよ」
最後はほとんど吐息混じりで囁きかけ、俺は玲於の肩を強く押した。
ドサッ!
バランスを崩した玲於がソファの背もたれに沈み込む。
その上に覆い被さるようにして、俺は玲於を見下ろした。
玲於の喉仏が小さく上下する。
いつも余裕綽々なアイツが見せた、一瞬の狼狽。
それがたまらなくゾクゾクさせて、俺は勝ち誇ったように微笑んだ。