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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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?「俺たちは昔、付き合ってたの。」



🌸「…え、?」


ゆぺくんとこの人が、昔付き合ってた…?

どういうこと?それは本当なのか?

問いかけるように目線をゆぺくんへと移すと、ゆぺくんは怒っているような、でもどこか呆れているような表情を浮かべた。


🌟「…そうだよ、昔はだけど。」


…あぁ、そうだったんだ、

そんなことも知らないでおれは…。


おれはどうしたら良いのか分からず、しばらく動けずにいた。



?「ふふっ、ショックでしょ?笑」


その人はおれに笑顔を向けた。

その姿に少々イラついて、気付いたら体が動いていた。


?「…危ないなあ。イライラした状態でがむしゃらに突っ走ってもダメだよ?」


分かってる、分かってるよそんなこと、

だけど…。



パチンッ


男が指で音を鳴らした。

何かの合図としてよく使われるそれは、きっと今のも何かの合図なのだろう。

そう思ったのも束の間、大きな音と強い光がフラッシュし、辺りが白い煙で覆われた。


もしかして、閃光弾でも持っていたのか…?

…いや、とにかく今は攻撃に備えよう。

おれはいつ敵が来ても対応できるように、両手で刀を持って構えた。


煙が消えるのを待っていれば、少しずつ周りが見えるようになってくる。

そしてようやく煙が消えたと思えば、目の前にいた奴らが消えていた。

だけどおれには、気配でどこにいるかがすぐに分かった。



🌸「……え、?」


後ろを振り向いてみると、ニヤリといたずらっぽく微笑むさっきの男と、地面に横たわるゆぺくんの姿があった。


?「大丈夫だよ、気絶してるだけだから、笑」


…ゆぺくんが気絶…?

そもそもそんな隙があった?

ゆぺくんは反射神経が良いし、彼の攻撃には避けられるはず。

だったらどうして…。


…あぁ、そうか、それは物理的にできなかったんだ。

おれの推測ではきっとこう。

さっきの強い光のフラッシュ。ゆぺくんの瞳は光に弱いから、あれで周りが見えなくなったんだ。

だからその隙に男がゆぺくんの背後に行き、攻撃を仕掛けた。

それが奴らの狙いだったのか?


🌸「…さいあく、」


この状況なら勝てるだろうと思ったのか、先程まで彼の前に並んでいた男たちは、余裕そうな表情でおれの方へ向かってくる。

だけど、こんなところで死んでたまるか。


?「…あれ、まだ諦めてないんだ?笑

この状況で勝てると思ってるの?」


うるさい。

おれは男たち相手に刀を振る。

だけど相手はそれを上手く交わしていくばかり。

おれが刀を振るのに精一杯なのが分かってるから、相手はおれを舐めてるんだ。


?「ほんっと惨めだね、笑」


そう言う彼はこの戦いに参戦せず、ただ横で楽しそうに眺めているだけ。


🌸「黙って。」


やっぱり落ち着いて攻撃しないとダメなんだ。

落ち着いて…。


🌸「…いける。」


大丈夫。おれならいけるはず。

今までだってそうだったのだから。

そう思えば、さっきよりは動きが良くなった気がする。


おかげでさっきまでいた敵を、おれは次々に倒していくことができた。



?「わぁ…凄いね、みんな倒しちゃうなんて驚きだよ。流石、”最強”と言われてるだけあるね。」


“最強”

その言葉は、今のおれに似合うだろうか。

ゆぺくんただ一人さえ、殺すことができていないおれに。


?「…だけど、そんな最強な君でも、俺には追いつけないでしょ?笑」


彼はそう言うと、ナイフを手にして走る。

その方向はおれにも分かった。

おれは急いで彼を追う。

だってそこにはゆぺくんがいるから。

でもやっぱり距離的に、彼の方が早く着いたみたい。

おれが彼に追いつくまでの隙に、彼はゆぺくんへナイフを向ける。


…だけど、彼の振り下ろしかけたナイフは、ゆぺくんには当たらなかった。

それはおれが、持っていた刀を彼に向けて投げ込んだから。

流石に彼も、避けずにはいられないらしい。


?「…おっと…。なんで敵であるゆぺくんを庇うかなあ。君が庇わなかったら、君の任務だって終わるはずでしょ?

…あ、もしかして俺が噂で聞いた君の任務の内容と違うとか?それなら良いんだけど。」


確かにおれが刀を彼に投げなければ、ゆぺくんを殺せたし、任務も終わる。

なのにおれはそれをしなかった。


🌸「…どうだって良いでしょ。おれは君を殺すから。」

?「別に良いよ?殺すことができればの話だけど。

それに、君がこれ以上俺に近づけば、ゆぺくんも死んじゃうけどね。元カレだろうとなんだろうと、俺は殺すから。」


それがマフィアというものだから。彼はそう付け加えた。

マフィアであるおれは、同じ立場になった時に、それができるのだろうか。



?「あそうだ、一つ忠告しておくね。」


丁度今思い出したかのように、彼はそう言った。


?「ゆぺくんと付き合うのは、やめときな。」

🌸「…どういう意味。」


そもそも付き合ってないけど。


?「ねぇ、分かるでしょ?

どうせ君も俺みたいに捨てられる。愛されないんだよ、笑」


彼の言葉の口調は明るいのに、どこか悲しげに見えた。

普通は敵に耳を貸すなんて駄目なんだろうけど、今のおれはおかしいみたい。

何を思ってか、彼の言うことは間違っていない気がした。

それは彼自身が、ゆぺくんの”元”カレだからか。


?「ふふっ、笑」


彼は嬉しそうに微笑んだ。

その笑顔には、どこか裏があるようにも見える。


?「…本当は、ゆぺくんを今すぐここで殺しちゃいたかったんだけど…特別に殺さないであげる。その方が面白そうだし?笑」


彼は意味深にニヤリと笑った。

何を企んでいるんだか。


?「それはそうと、これを渡すの忘れてた」


男は胸のポケットから何かを取り出した。


?「これは昔、ゆぺくんが俺の家に泊まった時にこっそり盗ったの。返すタイミングが無くて困ってたんだよねー。だから、代わりに渡しといて?」


男がゆぺくんから盗ったもの。

それは二つの、大きさがそれぞれ違う星型のピンだった。

大きい方は黄色、小さい方は水色。

そのピンには、どこか見覚えがあった。


?「ふふっ、見覚えあるでしょ?だってそれ、君がゆぺくんにプレゼントしたものだから。」

🌸「……あぁ、。」


そういえば昔、おれがゆぺくんにヘアピンをプレゼントしたことがあったなあ。

おれが渡した時、ゆぺくんは嬉しそうに目を輝かせていたのを思い出す。

今もおれがずっと付けている、薄いピンクの兎の形をしたピンは、お返しにってゆぺくんがくれたんだっけ。


まるでパズルのピースが埋まっていくように、だんだん昔の記憶が蘇ってくる。


?「…それじゃあ、俺はこれで。」


彼はおれにそのピンを渡すと、そそくさと帰って行った。

…いや、倒れた仲間を置いていくのはどうかと思うけど。






いつにも増して、今回長いですね笑

切る部分が無さすぎて変なところで切りました、笑


そして皆さん、「Rikka_yukiusag」さんを知っていますか?

🍫🐰のイラストを描いている方なんですけど、めっちゃ上手すぎるんですよ!!

そのイラストが上手すぎる…と私が感動していた方が、この小説のFAを描いてくださったんですよー🥹

ほんとに嬉しすぎて飛び跳ねてました笑


画像 ↑この方です🫶🏻

まだ見てない方がもしいるのであれば、絶対見た方が良いです!!


とりあえず、スクロールお疲れ様でした👍🏻

この作品はいかがでしたか?

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