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あの声が聞こえなくなってから、もうどれくらい経っただろう。
外は相変わらず真っ暗で、風の音だけがゆっくり流れている。
子どもたちは毛布にくるまったまま動かない。
誰も口を開こうとしなかった。
まるで、声を出したら、さっきの“それ”が戻ってくるみたいで。
そのとき――
バスの奥で、布の擦れる音がした。
💜だった。
荷物を静かにまとめ、肩から小さなリュックを下げている。
その手には懐中電灯と、小さなナイフ。
僕は毛布の隙間から見ていた。
💜は、周りを起こさないように、そっと扉の方へ歩く。
「……💜?」
思わず、小さく声をかけてしまった。
💜が振り返る。暗闇の中で、その目だけが光っていた。
「……🩵を探してくる。まだ、生きてるかもしれない」
声は低く、でも迷いがなかった。
「でも……さっきの……あれ……」
僕の言葉はそこで詰まった。
💜はほんの一瞬だけ、眉をひそめた。
「だからこそ、行くんだ。もしあれが🩵なら……放っておけない」
その言葉が、胸の奥をざわつかせた。
💜は懐中電灯を消し、闇に目を慣らしながら扉を開けた。
冷たい夜気が、一気にバスの中に流れ込む。
焦げた匂い。どこか遠くのほうで、まだ火がくすぶっている匂い。
「鍵は閉めておけ。明日になっても戻らなかったら……みんなで、遠くへ行って」
そう言い残し、💜は闇の中へ消えた。
足音が少しずつ遠ざかっていく。
やがて、完全に聞こえなくなった。
僕は毛布の中で、胸の音を必死で抑えた。
💜は戻ってくるだろうか。
それとも――
夜の闇は、答えをくれなかった。
このあと、
主人公が我慢できずにヒカリを追いかける展開
朝になってもヒカリが戻らず、何かの痕跡だけが残っている展開
ヒカリが夜明け前に戻ってくるが、何かがおかしい展開
のいずれかで進められます。
どうしますか?
そんな機械音が貴方には聞こえたかもしれない