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「白兎くん…君はもう退院していいですよ?」                突然、僕を担当する医者からそう言われた…………恐らく、残りの余生は好きに生きろということだろう…今さら、驚きもしなかった…



「退院ですか!よかったですね!兄様♪」そう言い、僕を車椅子に優しく乗せてくれるのは、妹の柊 雪乃(ひいらぎ ゆきの)。両親のいない僕の、唯一の家族だ。「ありがとう…雪乃、この体じゃ、満足に動けなくて…」             「いえ!兄様は無理をしなくていいんです♪私がずっとずっと面倒を見ますから♪」


ちなみに、雪乃は重度のブラコンである  僕のことを異性として好きらしく、雪乃が高校生になるタイミングで告白された


残り少ない余生、僕に尽くしてくれた雪乃のために使うのも、悪くないと思う  「雪乃」                「なんです?兄様」           「好きだよ」              「ふぇっ!?//////」

ちなみに、本心である。僕も雪乃のことは、異性として好きだ………しかし、僕のこの体じゃ、きっと雪乃を守ることはできない…だから、雪乃の告白を受け入れることができずにいた

だが、もう僕は長くない…残りの人生、僕を好きだと言ってくれる雪乃のために使おう                  「に、兄様!?///私のこと…好きって言いました!?///私も兄様のこと大好きです!///なりましょう!恋人!!///いえ、夫婦になりましょう!//(ぐいぐい)」         「(圧が!圧がすごいなぁ!)」



「兄様♪兄様~♪」           上機嫌な雪乃と、一緒に帰る。その雪乃の押す車椅子が、横断歩道を横切った瞬間、トラックが猛スピードでこちらへ走ってくる                  「っ!兄様!」             雪乃が、車椅子を勢いよく突き飛ばす。  (ごめんね)              口の動きで、そう伝える雪乃………僕は……… 「雪乃!」               勢いよく、走りだしていた


体中が痛い、痛い痛い痛い!至る所から出血しているのがわかる…         でも、走れ!大好きな女の子を守るために、ただがむしゃらに走れ!       小さい頃、僕を助けてくれたあの子のように!                  憧れに近づくために!          「雪乃ーー!」              血反吐を吐きながら、必死に雪乃を突き飛ばす………                僕の意識はここで途絶えた




………………鳥のさえずりが聞こえる   天国って鳥さんいるんだなぁ        でも、なんだろう?頭に感じるこの柔らかい感触は…?            恐る恐る目を開ける


僕の目に移ったのは………………       「えっ?(;゜ロ゜)」             「すぅーすぅー(-_-)zzz」腰まで長い金髪、そして背中に純白の羽を持つ、天使だった


異世界ヒーローのハクト

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