マジフト大会まであと3日…
「私本番本当にできるかな…」
らるはめちゃくちゃに自信を失っていた
「らるー?」
わっユウ先輩だ
「どうしましたユウ先輩?」
「紅茶の差し入れだよ」
「えっありがとうございます…」
「らる10年分のマジフト大会の映像見返してたでしょ。真面目ちゃんすぎるって」
「だって私なんかが大会でしっかり動けるか不安でしかなくて…」
「私なんかは禁止!魔法はイマジネーション魔法師本人の精神面も相当影響されるし息抜きも大事だよ」
「ユウ先輩は緊張しないんですか…」
「えー僕…?去年に比べれば相当平和なマジフト大会になりそうでむしろ安心しきってるよ」
「そう言えば去年のマジフト大会何があったんですか?オーバーブロットがどうとか…」
「あーそれね。実はレオナ先輩がオーバーブロットしちゃったんだよね〜」
「え!?あの超強豪選手のレオナさんが!?」
「うん。オーバーブロット後にあの動き出来るのすごいよね」
「全く知りませんでした…」
「らる。もう深夜2時回ってるし早めに寝た方がいいよ」
「あっそうですねユウ先輩ありがとうございました」
「本番一緒に頑張ろうね。去年はグリムが僕の頭にディスク直撃させてほとんど大会見れなかったから僕も楽しみだよ」
「そうなんですか…って!?」
去年のマジフト大会事件だらけじゃん!?
「それじゃらる無理しすぎないんだよおやすみ!」
「おやすみなさい」
オーバーブロットか…まあまだまだ未熟な私には無縁な話かな
ユウ先輩のおかげでちょっと楽になったな
また今度お礼言わなくっちゃ
そしてついに…!
マジフト大会当日…!
「ひぃ〜ついに来てしまった…」
頑張れ私…!!
開演は10時からね…
今は8時着替えて最終練習に行かなくっちゃ
「エペル先輩!おはようございます!」
「らるさんおはよう本番頑張ろうね!」
道ゆく人に本番頑張ろうって言われる〜っ
「あとこれが対戦寮のまとめ」
えっ優勝候補のサバナクロー寮が一回戦の相手…
殿堂入りを果たしたマレウス•ドラコニアさんが居ない今サバナクローが相当力を持ってるしな
あっもうそろそろ会場行かなくちゃ…
「それでは第100回NRCマジカルシフト大会を始めます。」
始まった…!
エペル先輩の背中に着いてくの緊張する〜…
…!?ラギーさんだ…
「エペルくんと戦えるなんて光栄ッスよ。後輩だからって容赦はしないからね。」
「んだばぁ!ラギーサンよろしくお願いします!!」
「こっちにはジャックくんが居るからね優勝頂きッス」
「ちょラギー先輩…」
ジャック先輩でっか…190はあるんじゃ…
あっもうすぐ始まる…!
「第一回戦ポムフィオーレ対サバナクロー」
「それでは…開始!!」
先輩はポムフィオーレ。
攻めはエペル先輩に任せてっと…あっちの守備が硬いな…
「フェルミエェェっ!!!””」
!?エペル先輩っ!
突然観客席にいた男がエペル先輩に攻撃魔法を打って来た。
私は咄嗟に魔法障壁をエペル先輩の前に出した
「え…」
「らるさん…!?」
私こんな強力な魔法使えたっけ…
ぴぴーっ
「試合停止します!男を取り押さえろ!!」
男は強力な魔法が使えるらしく一般人ではまず戦えなかった
「みんな!伏せて!」
エペル先輩が声をあげる
「目を閉じて 息を止めて 」
「深紅の果実…」
あれがエペル先輩のユニーク魔法…
「…っ」
どさっ
エペル先輩が倒れた
☆ー
マジフト大会は中止
エペル先輩に魔法攻撃をして来た男は元ポムフィオーレ寮生らしく魔法に毒素を込めてたらしい
私の魔法障壁がなかったら命の危険があったとか…
男がエペル先輩に攻撃した理由は自分がかつて取れなかったポムフィオーレ寮長の座を指名で取ったエペル先輩が妬ましかったらしい
春から計画されてた犯行だと思うとぞっとする…
「保健室へエペル先輩の様子見に行こっと…」
「失礼します」
「うちの姫林檎魔法障壁を張ってくれたのは君だねムシュー!」
ムシュー…!?ヴィルさんもいるし…
「えっ…?初めまして柊木らると申します…あのエペル先輩は…?」
「ルークが一方的に話しかけて悪かったわね。アタシはヴィル•シェーンハイト」
そんなの言われなくてもわかりますって…
「エペルはあっちで横になってるわ。もうそろそろ目を覚ますと思うわ」
良かった…
「アナタの魔法障壁がなかったら危なかったんですってね。感謝するわ」
「いえ…あの貴方達がなぜここに…!?」
「いい質問だね。ムシュー•噂人」
ムシュー•噂人…!?
「アタシ達は4年生だけどNRCの4年生はマジフト大会と総合文化祭があるしばらくは研修が休みになるのよ」
「うちの姫林檎の勇姿を見に来たんだが…残念な結果に終わってしまってね…」
「あの子は出会った頃よりも強い魔法師になっているわ。精神面でも魔力面でも。限界のエペルがユニーク魔法を使わなければ今頃学園中怪我人だらけよ」
「そうだね。ヴィル。エペルくんはポムフィオーレの立派な毒林檎になってくれたみたいだ」
「ん……ヴィルサンとルークサンにらるさん!?」
「あら目が覚めたのね」
「はい…あの男の人は…!?」
「魔法司令官に連れてかれたわ。アンタはまず自分の心配しなさい」
「あっそれにらるさん障壁貼ってくれてありがとう…あれがなかったら多分毒を全面に食らってたよ…」
「らるさんすごいね…箒に乗った状態で毒と攻撃を無効化する障壁を咄嗟に正確に僕の前に貼れるなんて…」
「エペル先輩が無事で良かったです…あの魔法は咄嗟に出てしまってよく分からなかったですが…」
「エペルアンタはまだ横になってなさい。毒が完全に抜けた訳じゃないのよ」
「そうだよムシュー•姫林檎。エペルくんに撃ち込まれた毒は元ポムフィオーレ寮生なだけあって相当強力だったしね」
「そうですよエペル先輩しっかり休んでくださいね」
☆ー
「ねえルーク。アタシあの子から”何か”感じるのよねアンタもそうでしょ?」
「ヴィルは相変わらず鋭いね。」
「ムシューの魔力はただの魔法師とは違う。」
「いや”違う”では無く”ズレている”」
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