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春もまもなく終わりを告げる5月、中間試験が終わり残すはテスト返却だけとなっためぐみたちの教室では、席替えが行われていた。
くじ引きでの席替えで黒板に掲示されている座席番号と自分の引いたくじの番号を見て確認するものである。
色んな場所から喜びの声や文句などが飛び交う。そんな中めぐみはと言うと
「えっと、私の席は….あ〜、一番後ろだ」
「ごめんめぐみ、私1号車の前なんだよね!」
「えー、愛菜と離れちゃうの?」
「まあ時々そっちに遊びに行ってあげるわよ笑」
「それでは皆さん、机を自分の座席の場所へ動かしてください。」
先生の声で全員が机の移動を始める。めぐみは元々後ろ寄りだったため少し移動するだけで済んだ。
「さて、私の隣の男子は誰かな?」
席替えの時、隣の男子が誰かによって気分が変わる。うるさい男子は極力避けたいが、最初の席替えの隣は誰なのか。
少し周りが固定されてきた時、隣に机が来た。
見てみると….
「え、誠くん?!」
「あれ、勝原じゃん、今回お前が隣かぁ」
「なんか、残念そうじゃない?」
「え、いや、全然そんなことないよ!」
「ふーん、誠くんねぇ」
別に悪いわけではない、親しくしてるクラスメートだから尚更だ。でも、なんかしっくりこないというか、なんというか。
「は、はあ?」
「お前、人のこと言えないだろうが」
「え、あ、いやこんなことないわよ?」
「作り笑顔みたいな顔しやがって、全く笑」
「笑笑」
その日の夜、塾の帰りだった誠は久しぶりに遠回りをした。あと少しでめぐみの家、という時に言い争いをしている声が聞こえてきた。
道の角から覗いてみると、それは不良っぽい男3人とめぐみの姿があった。
「なあお嬢ちゃん、俺たちと遊ぼうぜ」
「俺たちと一緒に気持ちいいことしようぜ」
「痛いことはしないよ、じっとしててくれればね笑」
「やめてください、警察呼びますよ!」
このままではマズいと思った誠は、角から出ようとした。その時だ。
「ねぇ、頼むから行こうぜ」
一人の男がめぐみの腕を掴もうとした、ところが。
「やめてって言ってるでしょ!」
そういうと男の腕を後ろへ回した。
「いででででで!」
するとほかの男2人が。
「このクソガキが、さっきから黙って見てればいい気になりやがって!」
「このガキー!」
怒った男2人がめぐみに殴りかかる。
「はあ!」
「ぎゃぁぁああ!」
「うわぁぁ!」
ドサッ、ドサッ!
めぐみは男たちの拳を避け、一本背負いと巴投げを仕掛け男たちを倒した。
誠はしばらくその姿を呆然と見ていたが、我に返ると
「勝原!」
「え、誠くん?!」
「早く逃げるぞ!」
「え、どこへ?」
「お前は自分の家へ、俺は自分の家へだ!」
「え、あ、うん!」
誠はめぐみの腕を掴んで逃げようとした。しかし
「このやろう、タダでは返さねぇぞ!」
フラフラと立ち上がった3人の男たちはまためぐみに襲いかかってきた。
誠は早く逃げようとめぐみの腕を引っ張るが
「こういう人達は1回痛い目見ないとわからないわよ」
そういうとめぐみは近くにある竹やぶ公園へと走った。
「お、おい勝原!」
「待てやコラァ!」
「逃げんじゃねぇ!」
3人の男は竹やぶ公園の中へ入り、めぐみを角へと追い込んだ。
「へっへっへっ、いてぇじゃねぇかよ」
「この仮、キッチリの返させてもらうぜ」
すると3人の男は近くにあった竹の棒を手にとった。
「これでこいつ気絶させて楽しもうぜ」
「お、いいなぁ!」
「ま、待て、やめろ!」
「あ?」
「てめぇナメてんのか」
「こいつから先にやっちまうか、あのクソガキの仲間だろ?」
「なぁに、こいつ弱そうじゃん」
誠は3人がこっちに歩みよってきたことを確認すると
「あ、後ろ!」
「あん?」
次の瞬間、誠の合図とともに後ろから走っためぐみが
「はい、めん、めん、どう!」
高くジャンプしたかと思うと、持っていた竹の棒で2人の頭、一人の腰に命中させた。
「ぐげっ!」
「ぐはっ!」
「うっ!」
3人とも白目をむいて倒れた。
「いや、危ねー!」
「誠くんナイス!」
「いや、あのままだったらやばかったろ」
「うーん、まあちょっとね?笑」
「まあでも、あれだけのこと出来んだからおちゃのこさいさいか」
「今日のことも秘密ね?」
「え、でもこれ110番したほうがいいだろ」
「いや、いいの、このままにしておいてあげよ、ね?」
「あ、ああ」
「でもお前気をつけた方がいいぞ?」
「なにを?」
「こいつらの会話的に、お前の体目当てだったぞ」
「それは私もわかってるわよ」
「ただでさえおまえは、その、、」
「なに?」
「ただでさえおまえは、かわいいしスリーサイズ完璧なのに….」
「なっ、何言い出すのよ」
「いや、ごめん」
本当のことだ、めぐみは顔が整っていてスリーサイズ完璧。まあ他の女子よりガタイがいいような気もするが。
「まあ、でも今度からはもう少し気をつけるね笑」
「ほ、ホントだよ、気をつけろよな」
その後、少し話した後2人は帰った。だが誠は見た気がする。めぐみの本気を。