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あれ以来、めぐみの身には何も起きていない。あの後、まだくたばっている男たちにメモを書いて渡したのだそう。
「もう二度と近づくな、今度同じことがあったら今度こそ警察行きだからな」
と。
あの出来事から3日後、めぐみのクラスではテスト返却が行われた。
「おい勝原」
「ん、なに?」
「テストの点数勝負しようぜ!」
「いいよ、私理科2と数学は自信あるんだ」
全教科のテストが帰ってきた。めぐみの点数はひどかった。
国語 97 数学 86 英語 96 理科1 93 理科2 98
地理 100 歴史 84
誠は言葉を失った。(ひどい=高すぎる)のだ。中学生最初のテストだから張り切るのはわかるが、こんな点数とるとは思ってもいなかった。
「誠くんは?」
対して自分の点数は….
国語 65 数学 48 英語 75 理科1 43 理科2 52
地理 39 歴史 76
特に理科1と地理の破滅さはえげつない。こんなものめぐみに見せられない。
「な、なあめぐみ?」
「ん?」
「やっぱ、やめにしねぇか?」
「え、なんで?」
「いや、俺点数悪いから笑」
「そんなの不平等じゃない!見せなさい」
「いや、ば、バカやめろって!」
テストを見ようと引き抜こうとするのを必死に食い止めようとするが、めぐみの力には叶わず。
「あら!」
「な、だから言ったろ、やめた方がいいって」
「でもそこまで悪くないのもあるじゃない」
「いや、ねぇよ笑」
「英語と歴史なんて75点以上じゃない!」
「….」
「充分すごいって!」
「そうか?」
「うん!」
「でも、結局負けちまったじゃねぇか」
「何言ってんの、期末テストで挽回すればいいじゃん!」
「あ、そうか!」
「そうだよ、次は私に負けちゃダメだよ?笑」
「大きなお世話だよ笑」
2人で笑いあっていると愛菜と海斗が話しかけてきた。
「めぐみ、どうだった?」
「じゃーーん!」
「え、マジで?!」
「すごいでしょ!」
「え、マジですごいわそれは!」
「どれどれ、ふーん確かにすげぇなぁ」
「あんたはどうなのよ!」
「あ、おれ?」
「俺はほら、どどん!」
国語 54 数学 81 英語 27 理科1 69 理科2 59
地理 94 歴史 78
「え、地理高!」
「ほんとだ、すごい!」
「マジかよ….」
「ところでお前は?」
「あ、私?」
「ほれ、どうよ!」
国語 42 数学 40 英語 49 理科1 45 理科2 47
地理 41 歴史 48
「どう?」
「あ、いや、なんちゅうか、ある意味すごいな笑」
「全部40点台….」
「お前勉強した?」
「まあ、私なりにしたわよ?」
「嘘つけ、本当はしてねぇんだろ?」
「あ、バレた?笑」
そして放課後
「いやぁ、委員会の仕事って楽じゃねー!」
誠は保健委員だった。衛生検査の書類作成に時間を要してしまったのだ。
「はぁ、やっぱもう誰もいないよな」
窓から夕日が差し込んでいて、校庭ではサッカー部や陸上部が練習に励んでいる。
「さてと、早めに着替えて練習練習っと」
誠は剣道部に所属している。
荷物をまとめ終わってリュックを背負おうとした時
タッタッタッ
ガラン
「あー疲れた、って誠くん?!」
「勝原、お前、何してたんだ?」
「え、私は委員会だよ?」
そうだった、彼女は学年委員に所属している。
学年委員はかなりハードな仕事と聞いていたから顔の疲れ具合からして相当なのだろう。
「大丈夫か、疲れてる顔してるぞ?」
「え、う、うん」
「でも、なんか顔色あんまり良くないぞ?」
「え、そうかな笑」
「あんまり無理しない方がいいぞ」
「う、うん」
「じゃ、俺部活行くから」
とドアを開けて出ていこうとする
「心配してくれてありがとう」
パン!
めぐみが誠の両肩を叩く。
ドキッ!
「お、おう、じゃ、じゃあな!」
何だこの気持ちは。何かもやもやするというか心えぐるというか、ズキンとする感じは。
その日の夜、道場にて
ズザッ、ズザッ
「勝原、お前はもう少し胸を合わせろ!」
「佐藤、お前は絶対にまわしを取らせんなよ!」
「はい!」
「はい!」
「牧野、お前は足腰がまだ弱い、すり足!」
「はい!」
「この総勢30名のうち、勝原と佐藤と牧野は全日本中学生女子相撲選手権大会に出るんだぞ!気を引き締めろ!」
「はい!」