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「はぁっ…はぁっ…」勢いで家を飛び出してしまった裕翔。
裕翔は昔よく行っていた公園へ行っていた。
公園にあるベンチに腰掛け、誰もいない公園を見渡した。
ここはあまり有名ではなく、家族がたまに来るか来ないかのような、古びた公園。しかし、裕翔は強い思い入れがあった。
裕翔は”あの日”の事を思い出す。
それは───親が死んだ日
通り魔に刺されて裕翔の親は死んだ。
それから、裕翔はこの世の全人類に希望を抱かなくなった。
しかし──…鷺沼静香は違った。
裕翔に向けた笑顔。それは嘘偽り何も無い笑顔に見えて、初めての感情が裕翔には湧き上がってきた。
あの笑顔を信じてもいいのだろうか。裕翔はずっとそれでモヤモヤとしていたのだ。
親の死の呪いを解き……自分の人生を歩んでもいいのだろうか。
……そう思っていると、どこからか声がした。
「……朝倉さん?」