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「佐野さんこっちです!」
と、マネージャーらしき人から声をかけられ
やっとの思いで部屋に着いた
まじで東京の建物の構造意味わかんなすぎ
田舎もんには到底理解が追いつかん
と、文句を脳内で垂れ流しながら
部屋に入った瞬間
ぶわっと甘い匂いが部屋に充満していた。
さっきと同じ甘い匂い
「ケーキ」側の人間にも匂いの種類があるらしく友達の話ではチョコや生クリーム、キャラメルと種類が豊富らしい。
ま、そのチョコや生クリームやらの匂い がさっぱりだったから全くピンと来ていなかったが
今わかった気がする。
この匂いは”チョコ”と分かってしまう
味がわかんないくせに 何言ってんの?って思うかもしれんが、それはフォーク側の人間にしか分からないと思うんで無理に理解しようとしなくてもいい。
また1人でごちゃごちゃ考えているとあっちから声をかけてきた
「あの、、さっきぶつかっちゃった佐野くんだよね?まさか同じメンバーだったなんて、、」
俺よりも背が低いこの子は俺が抱きしめたら全部が包み込めそうで、、
「俺吉田仁人っていいます!佐野くんよろしくね」
俺が1人で考えているとまたもや甲高い声で遮られた
『俺は佐野勇斗!ほんと偶然だね笑仁人って早速呼んでい?』
距離縮め過ぎたか?と思ったが仁人はちょっと照れながら「うん!俺はやっぱ年下だから勇斗くんって呼んだ方がいいかな?」なんて可愛いことを言っている
『全然勇斗って呼んでもらって大丈夫だよ!これから長く一緒に活動するだろうし』
と今すぐにも抱きしめたい気持ちを抑えながら会話を弾ませてった
会話中もずーーーっと甘い匂いが漂っていて話している間にもうここで食べてやろうか
なんて事を考えたけど
仁人が面白そうに話をするのでなんか申し訳なくなった
「そろそろ他メンもくるからねー!」
と大きい声でマネージャーに言われてびくっとしている仁人はもう言葉に表せないぐらい可愛かった
「えへへビックリしちゃった」だってさ
2歳しか歳が変わらないらしいが、2歳違うだけでこんな可愛いもんなの?
それともフォークの人間はケーキの人間が可愛く見えちゃうとか?
「勇斗く、、勇斗行こっか!」
まだ呼び慣れていない感じが愛おしくてたまらない
仁人がお先にどーぞとドアを開けてくれている
気も使えて可愛いとか最強か?
とか思いながらまだお目にかかれていないメンバーに会いに行く
仁人と俺を含め5人体制のグループらしい
から、あと3人か
「おはようございまーーす!」
またもやでっかい声で叫ばれてびくっと仁人がなっている
俺もさすがに急にばかでか声で挨拶されてびっくりした
先に曲がり角を曲がったマネージャーにまだお目にかかれていないメンバーが挨拶したらしい
そこには俺の記憶が正しいなら
塩﨑太智、山中柔太朗、曽野舜太の3人が椅子に座っていた。
その中の曽野舜太がバカデカ声で挨拶したっぽい
仁人が「よろしくね」とちょっと気弱な声で返事をし一人一人に挨拶してった
自分より2個も下なのにしっかりしてんなぁ、とか思いながら俺も1人1人に挨拶してく
その中で気になったのが山中柔太朗
なぜかって?
多分こいつ俺と一緒だ
そう。「フォーク」側の人間だ
なんで分かったかと言うとフォーク側の人間は大体食べ物を嫌う
生きる為にしょうがなく食べてるみたいなもん
だからこいつがさっきから水ばっか飲んでるのもそのせいだろう。
まぁ流石にこんなんだけじゃわかんないけど仁人の事を見る目で決定的になった
明らかに目でずっと追っている
あいつも甘い匂いがしてるんだろう
こんな世間って狭いもんなの?
同じグループに2人もフォークがいるなんて
自己紹介がし終わってそれぞれ違う部屋で待機している時に柔太朗の部屋に速攻で行った
コンコンとノックをすれば
「はい」
と面倒くさそうな声で返事が返ってきた
多分寝てたっぽい
『ちょい話があるんだけど』
俺がちょっと真剣な顔で言ってみるとあっちも同じことを思ってたらしく
「俺も」
という返事が帰ってきた
やはりあっちも俺がフォークだって事に気づいているんだろう
柔太朗に部屋に案内されお互い向き合って席に座る
『あのさ…』
と俺が話を出そうとしたらあっちから出てきた
「やっぱ勇斗もフォーク?」
となんの前触れもなく言ってきた
最初はちょっと戸惑ったけどすぐに冷静さを取り戻し返事をした
『おう。俺もフォーク』
「やっぱりそっかぁ〜」
とため息も混じりつつ微笑を浮かべながら気が乗らない返事をされた
「俺仁人の事狙ってるよ」
と急にずば抜けたことを言われ流石にびっくりした
「今日会ったばっかだけど、ケーキの人間会えるなんてごく稀だし。しかもなんか仁人めちゃくちゃ可愛く見えるし。俺猛アタックするよ?」
と、堂々と宣言されてしまった
流石に唐突すぎてすぐに言葉が返せなかった
多分俺は柔太朗から見たらだいぶ固まって見えたと思う
やっとのことで絞り出した言葉が
『そうなんだ』
この一言だけ
流石に唐突すぎて言葉が出なかった
ちょっと沈黙が続いているとあっちから話しかけてきた
『勇斗は?仁人のこと気になってない訳?』
と言われてしまった
気になってるに決まってんじゃん
とか思いつつ
言葉には出せない
「俺ちゃんと勝負したいんだよね。だから勇斗と今話してる」
勝負、か。確かにあっちもせっかく見つけたケーキを取られたくないだろう
なのにわざわざ正々堂々と勝負しよう宣言をしてきてくれて俺も勇気をだして
『俺も仁人のこと狙ってる。』
と言葉に出した
「うん。やっぱお互いギクシャクなるのも嫌だからこれからは正々堂々やってこ」
と言われ確かに、となった
まだ結成されて何もしてないのに最初からギクシャクするのはごめんだ
「これからライバルとしてもメンバーとしてとよろしくね」
『おう!負けないぞ!』
「こっちだって笑」
柔太朗がライバルでほんと良かった
そんな事を言ってるあいだにマネージャーから呼ばれ各々の仕事をこなした