⚠注意⚠
『ご本人様とは一切関係ありません』
『ご本人様への迷惑行為もお止め下さい』
腐要素、カップリング要素を含みます。
(ウェディングっぽいこともしてます。)
※キスシーン有り
キャラ崩壊・話し方崩壊 注意
zmemです。(軍パロ)
地雷の方、読みたくない方、 苦手な方は
ブラウザバックをして下さい。
※調べた情報だけで書いていますので、誤りがある場合がございます。
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[まえがき]
テトロドトキシン様の小説に感化され…結局書いてみることに致しました。
是非テトロドトキシン様の小説もお読みください。 設定をパクっt…オマージュしている所がありますので。
お題は下記イラスト通り
『花咲き病…?』です。
全体図はイラストに載せてありますので、そちらをご覧下さい。
長くなるのを防ぐ為に展開の移り変わりが激しいですが、ご了承ください。
結局長くなったのですが。
最初から疲労で文章がガタガタになっています。
上記二つなので、読む方は頑張ってくださいませ。
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コツ……コツ………。
静かな教会に響く小さな足音。
「……⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯ 。」
ポツリと独り言を呟く。反響もせずに、相変わらず静かなままだ。
教会の窓から差し込む自然光。
照らされた私は窓の外を見てみる。
…眩しい。
右目に手を当て、また、ひっそりと呟く。
「繧セ繝?縺輔s縺ョ縺薙→縺悟・ス縺…」
…あ、帰らな……。
私は出入口まで引き返す。
少し速くなった足音が微かに響いた。
扉の開く大きい音と共に、私は教会を出て行った。
⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯
em「ただいま戻りました〜。」
いつもの邸宅まで帰ってくると、何処から音もなく全身緑色の人がやってきた。
zm「emさん!おかえりー…ってあれ?どないしたんそれ。」
やはり気づかれるのも当然だろう。
em「あー…これですか?ちょっと刺さってしまって…的な…。」
これで何とか誤魔化せないだろうか。
zm「…そんなんで出来るような奴やないやろ。毟り取れないんか。」
私の右目を触れようとしたzmさんの手を叩いて振り払う。
zm「…。」
驚いた表情で硬直するzmさん。それを見た私は、パニックになりながらも慌ててフォローをする。
em「…あ。えと、これ、毟り取ろうとすると痛いんですよ!それでこのままにしていると言いますか…。」
zm「…そか。でも、一応医務室行こか。」
em「…はい……。」
冷静に、そして淡々と会話をする。
私は寂しさを覚えながらもzmさんに連れられ、医務室に向かうことにした。
zm「んー、誰も居らんね。」
em「そうっぽいですね…。」
医務室に辿り着いて中を覗いて見ても、人の気配が無かった。
zm「どうするかね、それ。なんか危ないヤツやったら引っこ抜かなかんし。」
em「思い当たるのは特には…。」
私は前線に出ることも少ないのでそう言った兵器にも当たってはいない。
他に思い当たる節と言えば…奇病の一種だろう。
em「花咲き病という奇病の一種なら…似ているかもしれません。」
zm「どんな病気なん?感染するリスクは?」
em「私も小耳に挟んだ程度ですが…感染病系ではないので大丈夫なのですが、花に栄養を取られて死ぬ、と言った感じの病気ですね。」
zm「…何とか取り除こか。」
病気の説明をしている間も誰かが来る様子も無く、zmさんにその場で簡単に診てもらうことにした。
zm「んー…根っこというか、根元は眼球と皮膚の間から生えてきてて、眼球全体を覆ってるって感じやな。別に眼球自体に根を張っている訳でもなさそうや。」
em「そうですか…それなら一応目は無事って事ですかね?」
zm「そうやな。これを綺麗に取り除く方法があればやけども。」
腕を組んで頭を悩ませるzmさん。
私は目が無事であればとりあえずはいいと思っているので、一安心した。
…ただ、死ぬ可能性のある事以外は。
em「じゃあ私は自室に戻ります。」
一旦冷静になるべく、私は医務室を出ることにした。
zm「は?え、ちょ、待っ…!」
呼び止める声をスルーして、私は急いで自室に戻った。
em「はぁ…、花咲き病…か……。」
花咲き病とは、花吐き病とは異なる奇病。私も聞いた事がある程度の病気だ。あまり情報が無いので、治療する方法は見つからないだろう。 一応図書室に行き、資料を探してみることにした。
…この目をどうしようか。
試しに眼帯をつけてみるも、はみ出してしまっている。
em「……。」
悩んでいるとドアがノックされる。
em「はい。どちら様で。」
zm「あー…俺や。」
em「zmさんですか。入っていいですよ。」
ガチャッとドアが開いて、zmさんが入ってきた。
em「どうしたんですか?」
zm「emさん今から図書室?」
em「はい。資料を探そうと思いまして。」
zm「なら、俺も探すの手伝うわ。」
em「え、いいんですか?」
zm「うん。今暇やし。」
em「では…お願いします。」
そうして私はzmさんと一緒に図書室に向かう…前に、まずは右目の隠し方を探すことにした。
zm「眼帯じゃ無理やったもんな。」
em「はい…。」
zm「帽子…マント…うーん…。あ、フードは?俺の貸すで?」
em「フード、ですか。確かに深く被れば隠せそう…?」
zm「じゃあ俺の貸すな。ちょっと待っててーや。」
zmさんは自室からフードのついた上着を持ってきて、私に着せる。フードを深く被ると、確かに誰にもバレなさそうな見た目になった。
zm「よし、ほな行くか。」
図書室に向かい、花と病気に関連する本を探す。 だが、当然の如くすぐに見つかる訳もなく二人合わせてもう何十冊も探した。
em「ない…。やっぱり難しいですね…。」
zm「もうひと踏ん張り頑張ろうや。」
em「…そうですね。」
また二人で探し始める。
…あ。
em「zmさん!それっぽいものですが、ありました!」
zm「お、まじか!はよ見ようや!」
zmさんは梯子から飛び降りて駆け寄って来る。私達は本を中心に椅子に隣同士で座った。
本のタイトルは『奇病』
zm「奇病…か。」
早速頁を捲り、読み進めることにした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【目次】
(略)
花吐き病・花咲き病
(略)
﹋﹋﹋﹋﹋﹋﹋﹋﹋﹋﹋﹋﹋﹋﹋﹋﹋﹋﹋
【花吐き病・花咲き病】
迚ゥ隱槭↓繧医j險ュ螳壹′螟峨o繧
※縺薙?迚ゥ隱槭〒縺ッ縲∵イサ逋よ婿豕墓怏
〔花吐き病〕
恋をすると口から花を吐き出す病気。片思いを拗らせ過ぎてしまうと起こる確率が上がる。
(以下略)
〔治療法〕
██い█実ると、最後に██百合を吐き出███治する。
〔花咲き病〕
何処かしらの皮膚等から茎や葉が出て花が咲く病気。基本的に一種類しか咲くことがない。体に根を張り、花に栄養を吸い取られ続け、最後には死ぬ。
(以下略)
〔治療法〕
特になし。
██、この██では 、████と██、████に█され██、完治██る。
または、██を伴うが、██████事でも███が出来る。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
em「…。」
zm「…。」
大事な部分が潰れて読めなくなってしまっている。
zm「一番重要やん…。」
em「注意書きっぽいのも文字化けしてますね…。」
zm「普通の本なのになんで文字化けして読めへんねやろな。」
em「でも、完治という文字があるから、治すことは出来そうですね。」
もう一つの治療法は、きっと激痛を伴うのだろう。なるべく穏便に採取したいものなのだが…。
zm「うーん…花吐き病って言うのと似たような病気やろうから、治し方も殆ど一緒やろ。同じ頁にあるし。」
em「そうですね…。」
花吐き病の治し方は片想いが実ること。同じ方法だとして、私にとってはそんな簡単に治せることではない。もし花吐き病と一緒ならば、私の想いが実らなければ…いいや、到底無理であろう。私はこんな…。
そんな事を思った瞬間、激痛が走る。
em「うっ…!」
zm「emさん?って、え…?」
zmさんの驚く表情が見える。何が起こったかはわからないが、私の意識はそこで途絶えてしまった──────────。
em「…ぁ。」
ぼーっとする頭で目が覚めると、白い天井が目に映る。
zm「あ、emさん目ぇ覚めた?」
em「zmさん…。」
右目が無事かどうか確認しようと手を当てようとした時。
em「…え…何や…これ…。」
なんと、薔薇の花が手の甲にも生えてきていた。右目だけでなく、手にも。
em「あ…あぁ…。」
zm「emさん落ち着き。もうすぐtnかosが来るで、待っててや。」
em「はい…。」
大人しくベッドの上でzmさんの呼んだ二人を待つ。
扉が開いて、tnさんが入ってきた。
tn「emさん大丈夫か…ってえ?な、何?どうなってんそれ…?」
tnさんが私を見るなり顔を強ばらせる。それもそうだろう。こんな姿、怖がらない訳が無いのだから。
とりあえず体を起こして、其の儘tnさんに診てもらうことに。
tn「うーん…。今彼奴が居ないから詳しいこととかは分からへんけど…。俺が発症した事ある花吐き病に似とるな。」
em「えっ。」
zm「えっっ。」
tn「え?」
em「tnさん花吐き病って…。」
tn「今は治っとるよ。」
zm「えぇ、いや、そういうことやないんやが…。」
tn「花吐き病と一緒なんやったら、やっぱ治し方も一緒なんやないか?」
zm「それは思ったが、俺ら治し方知らへんねん。」
tn「花吐き病に関しては両想いになりゃ治せるけど。」
tnの言葉を聞いた瞬間、zmが勢いよく此方に振り向く。
zm「え…emさん、好きな奴居るん?」
tn「俺の考えならそうなる。」
じっと此方を見つめる二人。白状するしかなさそうだ。
em「…居ます、けど……。」
私が…繧セ繝?縺輔sと両想いになんか…。
em「痛ぁ!!」
今度は腕に激痛が走る。
腕を見てみると、なんと腕に点々と薔薇の花が。
em「あ…そんな…。」
tn「…なぁ、zm。ゴニョゴニョ…。」
zm「ん、わかった。ありがとな。」
tn「ええで。俺も世話なったし。emさんを頼んだで。」
zm「任せな。」
頭を抱える私にzmさんが話しかける。
zm「なぁ、emさん。俺と気分転換に出掛けようや。」
em「zmさん…。すみません…、そんな気分ではないので…。」
zm「やから、気分転換やって。ほら、行くぞ。」
em「わっ、ちょ!」
無理矢理zmさんに姫抱きをされ、その格好で医務室を出ていく。
tnさんをチラ見したら、こちらに笑顔で手を振っていた。
私を抱えたまま廊下を駆け抜け、庭に出る。そこから颯爽と森の中を走って、とある場所に辿り着いた。
em「ここって…。」
zmさんに降ろして貰い、 大きな扉を押し開けて中に入る。
見慣れた景色。ついさっきも居た場所。二人だけの秘密基地。
…この目を、生んだ場所……。
zm「emさんと、やらないかんことがあってな。」
em「え?」
そう言って私に手を差し出すzmさん。
訳が分からないままその手を取る。
すると、グイッと手を引き、私はzmさんの隣に立った。
em「え?、っえ?」
混乱している私をスルーして、zmさんは私の腰に手を回す。
zm「よし、行くぞemさん。新郎新婦の入場やで!」
em「…え??」
私をエスコートしながら、一歩一歩踏み出して歩き始めた。 よく分からないながらも、私もzmさんに合わせて歩き出す。
壇上まで来ると、zmさんの方向に体を向かされる。
zm「…emは、病める時も、健やかなる時も、俺と共に添い遂げることを誓うか?」
em「え…?えっと…ち、誓いま、す?」
zm「ん、俺もemとずっと添い遂げることを誓うで。」
そしてzmさんは私の頬に手を当て、口付けをした。
em「…!」
口付けをした瞬間、花びらが散り始める。
私の右目から両腕に掛けてまで支配していた薔薇の花が、次々と落ちていく。
…が、右目だけは耐え抜いた。
zm「…これじゃ、ダメなんか。」
em「……zmさん。」
zm「ん?」
em「あの…もう一度、始めからやりませんか!」
zm「始めから?」
em「はい、私が吃驚したせいで微妙な感じになっちゃったと思うので、もう1回お願いします!」
zm「…ん、わかった。じゃあやろか。」
em「お願いします!」
私達は扉まで戻る。
最初の位置について、またzmさんが私に手を差し伸べる。改めて私はzmさんの手を取り、また、一緒に歩き始めた。
コツ…コツ……。
足音が重なる音が聞こえる。
心地いい音を聞き、暖かな陽の光が差し込む教会内を、ゆっくりと、一歩ずつ、歩いていく。
薔薇の花びらで飾られた壇上まで辿り着くと、向かい合わせになる。大きく深呼吸をしたzmさんが、台詞を言い始めた。
zm「…emは、病める時も、健やかなる時も、俺と共に添い遂げる事を誓いますか?」
em「…はい、誓います…!」
zm「俺も、誓います。」
顔を近づけ、二人でキスをする。
zm「二人だけの結婚式やな。」
zmさんがそう言ってお互いの顔を見合った時だった。
私の右目の薔薇が、一気に散る。
em「……あ。」
zm「まぁ、続けよか。」
zmさんがポケットから何かを取り出し、私の左手を取る。
zm「これしかあらへんけど。」
私の薬指になにかを嵌めた。
em「これって…。」
zm「…ナット。」
em「ナッ、ト…。…ふw…ふふっw」
zm「これしか…あらへんかった…。」
em「いいえ、私達らしくていいですw」
zm「…そんなら、良かった。また改めて指輪は渡すでな。」
em「…はい、ありがとうございます!」
zm「やっぱ一旦それ外そ…。」
こうして私達二人だけの結婚式が終わり、花咲き病らしきモノも治ったのだった。
今度は二人で、邸宅まで戻る。
tn「お、お前ら戻ったか。」
zm「tn!ありがとうな!」
tn「ええでええで。これで貸しは返したってことで。じゃ、お二人さんまたな〜。俺は仕事に戻る。」
zm「ありがとな〜。」
em「ありがとうございました。」
zm「…一応診てもらおか。」
em「そうですね。」
私達は医務室まで辿り着くと、中に入る。
中に居たのは、osだった。
os「あれ?薔薇の花は?」
zm「取れた。」
os「えー!一目見たかっためう…。」
zm「見世物やあらへんで。」
os「まー仕方ないな。んで用事はー?」
em「取れたのはいいんですけど、残骸が残ってないか見て欲しくて…。」
os「おっけー、じゃ、調べてみようか。」
em「お願いします。」
私は色々検査をしてもらい、特に異常が出てくることはなかった。
os「綺麗さっぱりめう…。」
em「良かったぁ。」
zm「osは残念そうにすな。」
os「異常がないのはいいことだけどさ〜。まぁ、とりあえずそういうことだから、一応暫く安静に過ごしてね〜。」
em「はい、ありがとうございました。」
右目もしっかり見える状態で、植物の根っこらしき物も見つからず、ボロボロだったであろう腕も傷一つない状態だった。
医務室を出て、二人で廊下を歩く。
zm「ほんまにどうなってたんやろうな。」
em「さぁ…よくわからないです。が、今は治ったことを喜びます。」
zm「ん、せやな。」
やはりあの薔薇の原因は花咲き病…で、間違いないのだろうか。
zmさんと別れた私は一人、図書室へ向かう。
em「これや。」
あの本を手に取り、椅子に座って読み始めて、花咲き病の欄を見る。
em「…。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【花吐き病・花咲き病】
迚ゥ隱槭↓繧医j險ュ螳壹′螟峨o繧
※縺薙?迚ゥ隱槭〒縺ッ縲∵イサ逋よ婿豕墓怏
〔花吐き病〕
恋をすると口から花を吐き出す病気。片思いを拗らせ過ぎてしまうと起こる確率が上がる。
(以下略)
〔治療法〕
片想いが実ると、最後に白い百合を吐き出し、完治することが多い。
〔花咲き病〕
何処かしらの皮膚等から茎や葉が出て花が咲く病気。基本的に一種類しか咲くことがない。体に根を張り、花に栄養を吸い取られ続け、最後には死ぬ。
(中略)
この症状は、愛されることに自信が無い人がなることも多い。
(以下略)
〔治療法〕
特になし。
但し、この迚ゥ隱では、花吐き病と同様、好きな人に愛されれば、完治出来る。
または、激痛を伴うが、花を切断する事でも治すことが出来る場合がある。。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
em「…あれ、読めるようになってる…。」
また文字化けをしている所はあるが、治療方がわかるようになっていた。
em「好きな人に愛されれば…か。あと、愛されることに自信が無い人…。」
思い当たる節は沢山あった。でも、今はzmさんと両想いになれた。
それだけで、私は─────。
本を閉じて、自室に向かう。廊下を歩いていると、zmさんと顔を合わせた。
zm「あれ、emさん。」
em「何度目の出会いでしょうかねw」
zm「まー、そういうもんやろうなぁ。」
em「今からお茶でも如何ですか?」
zm「お、ええな。ご一緒しよか。」
em「では行きましょうか。」
一緒にお茶を楽しんでいると、ふと、本のことを思い出す。
em「そういえばあの本、読めるようになってたんですよ。」
zm「え、ほんま?」
em「はい、私も驚きました。どうして読めるようになったのでしょうか…。」
zm「治ったからなんかね。知らんけど。」
em「まぁでも、私は今こうしてzmさんとお茶できることが嬉しんで、なんでもええですけどね。」
zm「俺もemさんとお茶できるの、嬉しいで。」
em「ふふっ、良かったですわ。」
そうして、怒涛の勢いで一日が過ぎ、 遂に私の薔薇事件は幕を閉じたのだった…?
…─────後日。
zm「emさん!はいこれ、言ってたヤツ。」
em「これって…!」
zm「あと薔薇の花。…まぁ、言うても3本しかあらへんけどな。」
em「いえ、嬉しいです!ありがとうございます!」
zmさんから指輪と薔薇を貰った。
指輪の方はなんやかんやあり、薔薇は部屋に飾っておいた。
それからまた数日後。
em「…え?なん、で…?」
左頬に激痛が入ったと思い、鏡で自分の顔を見てみると、 また、生えていた。
今度は薔薇じゃない。
白色のゼラニウムという花。
花言葉は…『あなたの愛を信じない。』
em「どうして…?」
泣きそうになりながらも、医務室へ走って行く。こんな時間なので誰も居るはずがなく、自分でどうにかするしかない。
医務室に入ると、私はハサミやカッターなど、よく切れそうな物を手に取った。
並べた中から、適当に刃物を一本、手に取る。そして白いゼラニウムを鷲掴み、私は根元を切った。
em「い”っ!!?あ”ぁぁああ!!!」
花が生えてきた時の痛み以上の、今まで感じたことのない激痛に、私はうずくまって夜も深い時間だったことも忘れ、叫んだ。
zm「emさん!!!」
勢いよく扉が開き、入ってきたのはzmさんだった。流石の戦闘員。小さな音にも敏感に反応する。
em「あぁ…あっ……。う …。」
激痛のショックで喋れない私に、zmさんが駆け寄る。私にまた、今度は足に痛みが来た。
em「う”っ!!…あ、あぁ…そ…。」
zm「emさん、またあの病気か?!」
em「あ……ぁ…。」
zm「いや、喋らんでええ。ちょっとすまんな。」
私を抱え、ベッドまで運んでくれた。
em「ぁ…ぁあ…。」
zm「無理せんくてええからな。」
私の頭を撫で、落ち着かせてくれる。
やっと喋れる様になった位まで、ずっと頭を撫でてくれた。
em「zm…さん…。」
zm「ん、話せる様になったか?」
em「何度もすみません…。」
zm「気にせんでもええよ。それより、今度はこれ何の花なんや?」
em「ゼラニウムという花で、白色の花言葉があなたの愛を信じないなんですよ…。」
zm「え?emさん…。」
em「また、いつの間にか自信を失ってたみたいです。」
zm「…そっか。」
em「すみません…。」
zm「謝らんでええよ。そんならじゃあ、またあそこ行こうや!今度はしっかりと準備してな。」
em「…?」
その日は私が眠りにつくまでzmさんが一緒に居てくれ、安心して眠ることが出来た。
朝になり、足に生えていた花が無くなっていることに気付く。きっと夜のzmさんのおかげだろう。だが、左頬の花は相変わらず取れていなかった。
zm「ふぁ〜…あ、emさんおはよう。よぉ寝れた?」
em「お陰様で…ありがとうございます。」
zm「ん、そんなら良かった。ほんなら行こうかね。」
em「え?えっ?!」
私はまたzmさんに抱えられる。
zmさんが走っていった先は、あの教会。花が生えてきて今回で三度目となる訪れ。
em「あ…。教会…。」
zm「そうやで。今回はちゃーんと準備しといたで、行こか。」
扉を開けて中に入る。
em「ぁ…。」
中にはtnさんとosさんがいた。
os「神父よ〜。」
tn「まあ、色々。」
事情を知っている二人なので、安心ができる。
私はtnさんに短いベールを被せられ、花束も持ち、zmさんにエスコートされながらバージンロードを歩いた。
ゆっくり、一歩一歩、踏みしめる。
いつの日かの薔薇の花が、綺麗なまま散っていた壇上まで辿り着く。
私達は向かい合って、osさんの台詞を待った。
os「emは、病める時も、健やかなる時も、zmと一緒に一生を添い遂げることを誓いますか?」
em「はい、誓います。」
os「宜しい。では、zmは病める時も、健やかなる時も、emと一緒に一生添い遂げることを誓いますか?」
zm「あぁ、誓うで。」
os「宜しい。では、誓いのキスを。」
zmさんが私に掛かっていたベールを上げて、あの時の様に、キスをする。
os「では指輪交換もしましょかねぇ。」
tnさんが指輪の乗ったクッションを持ってきてくれる。
zmさんが指輪を手に取り、私の薬指に嵌めた。
em「まるで本当の結婚式みたいですね。」
zm「ここまで目一杯用意したんやで。勿論、emさんの為にな。」
em「…嬉しいです。 」
私の為にここまで皆が用意をしてくれた。感動で微笑んでいると、左頬の違和感が消えていく。
zm「あ。」
em「ぁ…。」
ポトリ、と左頬に生えていたゼラニウムが丸々地面に落っこちた。
zmさんはそれを拾い上げて、私の胸ポケットに差し込む。
zm「…うん、綺麗やな!花言葉関係なく、よーく似合うで!」
ニコッと微笑んで、私を抱きしめる。私も、zmさんの背中に手を回して、そのまま抱き合った。
os「二人共おめでとう。」
tn「おめっとさん。」
二人からも祝福され、いつの間にか失っていた自信を取り戻す。
…あぁ、私はあなたの愛を信じてもいいんですね。
小規模ながらの結婚式が終わり、少しだけ二人で教会に残る。
最前列の長椅子に座って、雑談を楽しむことにした。
em「…こんなにも綺麗に用意してくださって、本当にありがとうございました。」
zm「ええんやで。それでemさんが俺の愛を信じる自信があるならやけどな。」
em「…ここまで用意して下さって、今更自信をなくすことはありませんよ。」
zm「最近は忙しくてちょいとご無沙汰やったからなぁ。帰ったらまたお茶でもしようや。」
em「お茶するのいいですね!張り切って用意しますよ!」
zm「いいや、今回は俺が用意するで。」
em「ほんまですか?」
zm「ああ。まぁ、他の奴にも手伝ってもろてたけどな。」
em「それでも嬉しいですよ。ありがとうございます。」
zm「よし!じゃあ、帰ろか!」
em「はい!」
手を繋ぎ、教会を出る二人。
太陽の光に照らされて輝く二人の笑顔。
これからはきっと、幸せな日々が続いていくのだろう。
そう信じて、 二人は歩み始めるのであった─────。
『花咲病』おわり。
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エーン。・゚・(ノД`)・゚・。 素敵すぎるよぉぉ。切なくも美しい淡い恋のお話、ありがとうございました!! ワイはまだ、その高みには登れない…