ガバッ!
「はぁっ、はぁっ、はぁ…!なんだ、っあの夢…」
布団を跳ね除けて飛び起きた青年。彼は目覚まし時計を見て驚くとすぐさまベッドから下りて着替え、サングラスをかけて家を飛び出した。
ガシャンッ!
「は…、はっ…なんですか…、、この夢…、!」
ガラスが割れる音と共に目を覚ましたもう1人の青年。彼もまた目覚まし時計を見て驚くとスーツに着替えネクタイを締めると慌てて家を後にした。
「ああ〜!もうダメです〜!確実に遅刻です…、うぅ……」
通勤時間で人もそれなりに多い道を全速力で走る国が2人、1人は日の丸が特徴的な日本、もう1人は50個の星が特徴的なアメリカだ。
「あえ!?そ、祖国様!?」
「ええ!?なんで祖国様がこんなところに!?」
日本とすれ違う人はみんな国がしかも自分たちの祖国がこの場にいることに驚きすぐさま道を開ける。
「本当にごめんなさい!直ぐに通りすぎますので!うわっ!?」
ドンッ!
「祖国様!?大丈夫ですか!!」
周りに気を取られ前をほとんど見てなかった日本はT字路から飛び出してきた誰かと出会い頭に衝突した。
「痛たた……」
ぶつかった衝撃で日本はその場に座りこんでしまった。
「おい!祖国様にぶつかるなんてお前何様だ、…よ……」
日本にぶつかった相手にたまたま近くにいた日本人が噛みついた。でも彼は相手の顔を見てカタカタと震え出した。
「悪い!日本大丈夫か!」
「え!アメリカさん!?どうしたんですか、こんな時間に…」
聞き覚えのある声とフランクな喋り方に顔を上げた日本は相手がアメリカだと知って驚いた。
「それは日本もだろ?」
「そうですけど…」
「って、時間やばいんだった!日本行くぞ!」
そう言ってアメリカは日本に手を伸ばした。日本もその手を掴んで立ち上がろうとしたがさっきぶつかった衝撃で足首を捻挫したらしく日本は痛みに顔を顰めた。
「日本?どこか怪我したのか?」
「だ、大丈夫です…ちょっと足を捻挫してしまっただけですので…ってひゃああああ!!?」
日本が言い終わる前にアメリカは日本の膝の裏と背中に手を添えて抱き上げた。いわゆるお姫様抱っこだ。
「あ、アメリカさん!歩けますから!下ろしてください!!」
ジタバタと日本はアメリカの腕の中で暴れた。
「おおっと、暴れたら落ちるぞ!それにこのままじゃ間に合わないだろ、大人しく俺に抱かれてろ!」
アメリカにそう言われて日本は暴れるのを辞めた。この高さから落ちるのも怖かったが何より時間が迫っていたためこの足で歩けば確実に会議に遅れると分かっていたからだ。
「じゃあな!日本国民!」
「おっ!お騒がせしてすみません!きゃあ!アメリカさん!速い!速いですっ!もっとゆっくりいってくださぁぁぁーーー!!!」
残像が見え、砂埃が立つほどのスピードにその場にいた人たちはみんな立ち尽くしていた。因みにアメリカにメンチ切った彼は日本とアメリカが居なくなるまで日本の真横でガクガク震えていた…。
「こっ、怖かったぁ…」がくがく
「お前の愛国心は尊敬するよ…」
その後友人に肩ポンされて膝からその場に崩れ落ちたらしい…
コメント
3件
いいやつだなあのモブ…()おもろい…