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高校生最後の年。
今日こそ今日こそってずっと続いてきた恋。
実際にはこんな恋なんてだめ。
知ってるけど、知らないふり。
やって、はやちゃんも、雄大くんも、大輝くんも、みんなみんな応援してくる。
そんな…諦めきれるわけない。
でも、今日。
やっと諦めるきっかけができたんだ。
「先生、彼女いるらしいよ。」
やっぱそうだよね。なんて勝手に落ち込む。
それを聞いた日、相談をする気力もなく、家へ直行した。
もとから叶う筈がなかった。それなのに未練を残して、馬鹿馬鹿しい。
その日から、いつも彩りがあった日常は普通になって、
つまらない…
そんな気持ちはしまいこんで、我慢して、高校生活を終えるこの日。
卒業式、徹先生の姿が見えなかった。
勝手に彼女面して、落ち込んでた。
けど、夕方になって、雄大くんと話していたら。
大好きなその姿。遠くからでも分かった。
「徹先生、!」
「想太。遅くなってごめん。やっと卒業したんだ」
やっと迎えた卒業、恋心は捨てて単純に祝って欲しかった。
でも、徹先生の発言は期待を遥かに越えた。
「卒業してから言おうと思ってた。」
「… 想太こと好きだよ。」
目を丸くして驚いた。
だって、だって…
「彼女いるんじゃ…!」
言い終える前に抱き締められて、声がでなくなった。
雄大くんはいつの間にかいなくて、二人きり。
「噂には騙されないでほしい。」
「想太のために、空けてたよ、俺。」
すき、徹先生が、すき…
まだ、諦めてない…
綺麗に伝言撤回したこの日、満開の桜が僕たちを祝福しているみたいだった。