テラーノベル
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黒紫の瘴気が、鷹野修司の全身から噴き上がる。
肉体は異様な音を立てて膨張し、皮膚が裂けるたびに禍々しい光が漏れ出した。
黒く浮かび上がった血管は蛇のように脈打ち、六つの瞳が狂気に染まっている。
その足が地面に触れた瞬間――
ジュゥゥゥッ……
大地は黒く腐食し、周囲の建物は音を立てて崩れ始めた。
空気そのものが悲鳴を上げる。
鷹野は両腕を広げ、高らかに笑った。
鷹野
「ハァァァァッハッハッハッ!!
見ろォ!!
アビスの力、すべてが僕の中で蠢いているッ!!」
その声は、人間のものではない。
幾重もの咆哮が重なり、戦場全体を震わせた。
公太は歯を食いしばる。
公太
「……くそっ。
完全に人間の域を超えやがった……!」
唯我も思わず息を呑む。
唯我
「理屈では説明できない……
勝機が……見えない……」
一祟は震える拳を握り締める。
妹・琴音の笑顔が脳裏をよぎった。
一祟
「……それでも。
僕たちが止めなければならない。」
鷹野は不気味な笑みを浮かべる。
鷹野
「さあ……
第二ラウンドだ。
ここからが――
本当の地獄の幕開けだァァァッ!!」
ORVAS司令室
司令室には重苦しい空気が漂っていた。
ジュリーは震える拳で机を叩く。
ジュリー
「……ダメ。
このままじゃ三人が……!」
その時だった。
脳裏に浮かぶのは、出撃前の畑中の姿。
『……これを預かってくれ。
もし俺に何かあったら、迷わず使え。』
畑中から託された、あの黒いカプセル。
ジュリーは静かに拳を握った。
(畑中……。)
その瞳に迷いはなかった。
戦場
鷹野は右手を軽く持ち上げる。
まるで挨拶でもするかのような、何気ない動作。
次の瞬間――
黒紫のエネルギー弾が放たれた。
ドォォォォォンッ!!!
轟音とともに、近くの高層マンションが一瞬で爆散する。
コンクリート片が夜空へ舞い上がり、炎が街を包み込んだ。
人々は悲鳴を上げながら逃げ惑う。
「きゃあああっ!!」
「逃げろぉぉぉ!!」
その光景を司令室のモニター越しに見つめるジュリーは、必死にデータを解析していた。
画面には膨大な数値が高速で流れ続ける。
そして――
解析が完了する。
ジュリーの表情が凍りついた。
ジュリー
「……計算完了。」
静まり返る司令室。
彼女はゆっくりと口を開く。
ジュリー
「鷹野の体内エネルギー……
最大出力時の破壊規模は――
地球の消滅。」
通信越しに聞いた三人は言葉を失う。
公太
「地球を……
消し飛ばすだと!?」
唯我
「そんな……
あり得るのか……!」
一祟
「まさか……
そこまでの力を……!」
動揺する三人へ、ジュリーは強い口調で告げた。
ジュリー(通信)
「みんな、絶対に無闇に攻撃しないで!
今の鷹野を刺激すれば、それだけで取り返しのつかない事態になる!」
その言葉を残すと、ジュリーは静かに机の引き出しを開く。
中には、畑中から託された黒いカプセルがあった。
光を吸い込むような漆黒。
禁忌を封じ込めたような、不気味な存在感を放っている。
ジュリーはそれを強く握り締める。
ジュリー
「……もう……
これを使うしかない。」
彼女はゆっくりと立ち上がった。
最後の希望を、その手に握り締めながら――。
コメント
1件
いやあ……第85話、めちゃくちゃ重かったですね。鷹野がまさか“地球消滅”クラスの出力を秘めてたとは。あの六つの瞳の描写とか、立ち上がるだけで大地が腐食する表現、本当に圧倒的でゾッとしました。 それ以上に心に残ったのはジュリーですね。畑中から託された黒いカプセル、あれが何なのかまだ分からないけど、「もう使うしかない」って覚悟を決めた表情が想像できる。ORVAS側も追い詰められてるのがひしひし伝わってきました。次が気になって仕方ない……!
#憑依
成瀬りん
633
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たつ
53
#日常
ももは
551