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番外編16 『みんなで鬼ごっこ!?』前編
6月の中旬…暑い日が続いていた頃だった。
『こんなに暑いと嫌になる…。』
『運動不足になりますよね…。』
コンコンっ。
『主様、今お時間よろしいでしょうか。』
『ハウレス?どうしたの?』
ハウレスが訓練着に着替えて私の部屋にやってきた。
『これからみんなで鬼ごっこするのですが、主様もやりますか? 』
『ちょうど良かった…暑くて外にも出れなかったから運動不足だったの。』
『ふふ、大丈夫ですよ。水分補給はこまめにちゃんとしながらですから。』
『じゃあ着替えるね。』
『はい。ドアの外でお待ちしております。』
数分後。
『では体力育成と称した鬼ごっこを始める。鬼はじゃんけんで決めるからな。鬼は5人だ。』
『みんなよろしくね〜。』
『主様もやるのか、疲れないように気を付けるんだぞ。』
『いつでも休んでいいですからね!』
『ありがとう2人とも。』
『休憩スペースに飲み物とロノ君特製塩分タブレットがありますから、遠慮なく休憩してくださいね。』
『ありがとう。』
『ではジャンケンしましょう。』
『うん!最初はグーじゃんけんポンッ!』
『鬼はこの5人だな。』
『絶対全員捕まえてやるぜ!』
『あんまり気張りすぎるなよロノ。』
『ハウさんがいればもう負けないね!』
『フフ、私も負けませんよ。』
『負けるとは思わなかった…。』
『主様が鬼ですか…。』
『変わってあげたいなぁ…。』
『大丈夫だよ。こう見えて走れる方なの。てか言無用だよ。 』
『1分数えたら追い掛けるからな。じゃあ逃げてくれ。』
『なるべく遠くに逃げた方がいいっすね。』
『あいつの体力はやばいからな。』
『もう完全にロックオンされてるみたい…。』
『ロノは1番に俺を追いに来るだろう。灯台もと暗しで近くにいるか。』
『バスティン君…。』
『ラムリの足の速さは侮れません。いつも私から逃げてますから。』
『それに彼は運動神経もいい。どこから来るか分からないね。』
『ラトが鬼ならもう勝ち目が…。』
『ラト君は神出鬼没だからね…。』
『主様が鬼なら勝つ気しかしないな。』
『手加減無用とは言っていましたが…いくら主様でも私たちとは体力の差がありますし…。』
『うーん、そうですよね…。どうしよう。』
『ふん、くだらん。あやつが手加減しなくていいと言ったんだ。本気で逃げればいいだろう。』
『こら、シロ。主様には優しくね。』
『ふん。中途半端な優しさはあやつを傷付けるだけだ。』
『あ、そうだ、走るから髪を結ばないと。』
『僕がやってあげます!』
『ありがとうラムリ。』
ラムリは器用に私の髪を結ぶ。
『わぁ、可愛い。』
『お団子にしてみました、崩れないようにしてあるのでどれだけ走り回っても大丈夫です!』
『ありがとうラムリ。』
『さて、そろそろ時間だ。行くぞ。』
『あぁ!』
『特に作戦はないが…ロノは突っ走りすぎるなよ、体力は温存しつつ追いかけるんだ。ラムリは運動神経がいい。木の上から見渡してみんなを見張るのも作戦の一つだな。ラトは耳がいいからみんながどこにいるか把握をしておいて欲しい。』
『はい。分かりました。必ず全員捕まえますね。』
『主様は決して無理のないようにお願いします。』
『うん、ありがとう。あれ、ところでムーは?』
『ムーは休憩スペースにいます。みんなに飲み物を渡す係です。』
『みなさん頑張ってくださいね!僕はここで飲み物と塩分タブレットが盗まれないように見張りますから!』
『なるほどね…。』
『では主様、俺たちは先に追いかけますが、主様はゆっくりで大丈夫ですからね。』
『うん!ありがとう!』
みんなはそう言って走り出す。
『わぁ〜もうあんなに遠くまで…。さて、私も追い掛けるか。』
『…始まったな。』
『えぇ。』
『そういえばこれ捕まったらどうなるんですかね?』
『あぁ何も聞かなかったですね。』
『フフ、3人とも一緒にいるなんて仲良しですね。』
『ラトが先に来たか……っ。』
『テディさん、ハナマルさんを囮にして逃げましょう!』
『ユーハンちゃん!?』
『そうはさせないよ〜!』
『ら、ラムリ君!』
『挟み撃ちですか…っ。』
『フフもう逃げられませんよ♪』
『ここまでですか…。』
別邸1階組確保!!
捕まった人たちは庭で休憩です。
『特にペナルティはないみたいだな。』
『えぇ。ここで皆さんの活躍を待ちましょう。』
『ユーハン普通に話してるよな。さっき囮にしようとしてたのに。』
『年長者が後輩の執事の盾になるのは当然では?』
『やれやれ(´-ω-)』
『2人とも仲良くしてくださいね!』
『みんなどこにいるんだろ、充分走ったけどいないな…。』
(あ!あの後ろ姿!)
『ルカスみっけ!』
『おやおや、見つかってしまいましたね。』
ビュンッ!
ルカスは私と目が合った途端逃げ出す。
『なっ!は、速い!』
私は必死に追いかける。
ダッダッダ…!
『待てー!』
『ふふっ♪』
(( ゚д゚)ハッ!主様が私の名前を呼んで頑張って走ってきている……!)
私は立ち止まり、主様を受け止める体制をとる。
『え?わわぁっ!!』
ルカスに思い切り飛び込んでいく。
ドサッ!
ルカスは私を抱き締めて地面に倒れ込む。
『捕まってしまいましたね♪』
『捕まりに来たよね!?』
ルカスを抱きしめたことにより確保。
『お、ルカス先生。早かったな。誰に捕まったんだ?』
『主様に捕まったんだ♪』
『なんで嬉しそうなんだよ。』
一方その頃休憩スペースでは。
『あ、バスティンさん!』
『お疲れ様、ムー。』
『飲み物ですね、どうぞ!』
『ありがとう。』
『ロノは一番に俺を捕まえに来ると思ったが中々来ないんだ。他の誰かを追いかけてるんだな。』
『きっとそうですね!頑張ってくださいね!バスティンさん!』
『あぁ。ありがとう。』
なでなで
俺はムーの頭を撫でる。
ハウレス side
『≡┏( `Д´)┛』
『あいつ鬼の形相じゃねぇか!』
『まじで捕まえる気っすよあれは。』
『鬼ごっこだからね…。』
『見つけたぞお前達!』
『体力が持たねぇな…!』
ε≡(*ノ`>ω<´)ノ
ロノside
『ベリアンさんタッチです!』
『はぁ、はぁ、捕まってしまいましたね…ロノ君は早いです。』
『はぁ、はぁ、ベリアンさんも中々の速さでしたよ。』
ベリアン、ロノにより確保。
ラムリside
『馬鹿ナック待てー!!』
『待てと言われて待つ人がどこにいますか!』
ラトside
『フフ、フルーレ確保です。』
『あんな全速力で追いかけてくるなんて…っ。怖すぎるよ…。』
フルーレ、ラトにより確保。
主様side
『べ、ベレン、捕まえたっ!』
タッチ(* •ө•)ノ
『はぁ、はぁ、惜しかったな〜あと少しで逃げれたのに〜。』
『はぁ、はぁ、疲れた……。』
『お疲れ様。主様。』
ベレンは私の頭を撫でる。
『あ、ありがとう…///』
ベレン、主様により確保。
さて、執事も続々と捕まり、残っているのは
バスティン、ボスキ、フェネス、アモン、
ナック、ミヤジ、シロとなった。
鬼たちは全員捕まえることができるのか!
それとも逃げる側の逃げ切りか!
後編へ続く⬇️
コメント
2件
(*^^*)まじ最高