良仔は、「いい加減」な仕事を探す事を諦め、世間で言うところの「普通」な仕事を探す事にした。「いい加減」を極めるとは難しい事に感じた。
(何があるかな…)彼女の長所は、仕事を選ばないところだった。「入力業務募集、時給1500円」「レストラン厨房の洗い場、平日12時から3時迄。時給1200円」「シティホテル清掃。時給1400円 午前中のみ。」「急募 女性接待 クラブ エンパイア 夜間時給3千円 平日2時間のみ」
彼女は既に三十路に近かった。自宅にいれば母親が煩い。
(皿洗いと、クラブ勤務の両刀にしよう。)1月まあまあの収入になる。皿洗いは即決だった。クラブは、和服の任侠筋の女の様なママが出てきた。上から下迄、ジロジロと良仔を見た。「あなた週2回なら良いわ。」
「あのう、毎日は?」「バイトだから毎日は要らないのよ。そのモッサリした態度と、服装は、周囲を見てるうちに直るから。火曜と木曜日。日払いよ。それで良ければ。」モッサリと評価をされたのも初めてだが、仕事を決めてしまいたかったので、「宜しくお願いします。」と言ってきた。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!