レストランの皿洗いは慣れた。と言うより、洗う以外要求されないので、洗ったらシンク上のカゴに立てかける。汚れが落ちたかだけを気を付ける必要があった。そして昼食時だけ募集された訳が解った。ハンパでは無い忙しさで、一応高級レストランの部類に入るが、客は一律「ランチ」しか頼まない。1000円だったが、殆どが社割りのカードを持っており、それぞれ3割引きや、役職は半額になる会社迄ある。
「良仔さん終わったら、食事してってね。」と、まかないでは無い、客と同じ日替わりランチが食べられる。良仔は嬉しさがこみ上げてきた。今まで体裁ばかりが良い事務系の仕事ばかりしてきたが、自宅通勤とはいえ、昼食や飲み物代で、1日1000円以上かかってしまう事が多く、手元に余り残ら無かった。母親に弁当作りは頼みたく無かった。良仔が自分で作っていると、「あんたはセンスが無い」と母親が作った時があった。何とも言えず味気無い。(センスが違うんだろう)
さあ次はクラブだ。少し気合いが入った。