〘 🍵seed 〙
🍵「ん”ん”……」
🍵「眠ぅ……、」
久しぶりの眠いという感覚に嬉しみを感じながら、携帯を手に取り時刻を確認する。
時刻は5:30。
いつもは4:30とかに起きてるから、いつもより1時間長く寝ることが出来た。
🍵「朝ご飯作ろ~っ!」(腕 伸
昨日、🌸くん達と仲良くなれた反動で、俺の気分はとても良くて、何年ぶりかの最高な目覚めだった。
天井に腕を突き伸ばしながら、階段を降りてリビングに向かうと、そこには___
狂ったかのように思える叔母さんの姿があった。
しばらく見ていなくて、安心しきっていた。
暖かな心が一気に冷えていくような感覚があった。
叔母「………🍵。朝ご飯は」
🍵「ごッ、ごめんなさいッ、。まだ、作れてないですッ。」
叔母「チッ…この役ただずッッ!!」(🍵 殴
🍵「ッ”……」
叔母「明日は作っとけ。」
🍵「分かりましたッ、。」
叔母「あと🍵。あんた最近訛りすぎじゃない?」
叔母「ちゃんと勉強してくんないと困るんだけど。」
🍵「はいッ、分かりました、、ッ。」
叔母さんからの朝ご飯に関する指示がなく、作らなくてもいいと思っていた。
けど実際は違う。明日からまた作っておかなければいけない。
作らくていい。と言ったのは、叔母さんの方なのに。
それに、、作ったて不味いとか言って結局生ゴミに捨てるから、。
それに勉強。勉強だって、しっかりしている。
毎日の大半はしっかりと勉強に尽くして、学年1位だって維持している。
嫌気がさしながらも、俺は赤く痛む頬を無視しながら朝ご飯を作り始めた。
………☂️くん達は食べてくれるかもだしね、。
案の定起きてきた☂️くん達はリスみたいに頬張り、美味しい。と一口食べるたびに言いながら食べ進めた。
そしてそれぞれの学校へ向かった。
にしても、☂️くんは前よりも楽しく笑顔に笑えていて、👑くんも何処か解けたような。楽になっていそうな。そんな気がした。
🎮くんもやはり兄達に話しただろうか。1人で我慢ぜず、辛すぎたり症状が酷かったりしたらちゃんと俺らに伝えることができるようになった。
🌸くんや📢くんも少し笑うことが増えた。
弟達が笑うようになったからだろうか。
何より、俺の心は彼らと仲良くなれたことをとても嬉しく思っていた。
冷えた空気が俺の頬を冷たくしていく。
少し雲から覗かせる太陽が心地よく暖かい。
寒くなっても微かに聞こえる小鳥のさえずり。
灰色したコンクリートの上をただ1人、歩み続ける。
足音の裏をつけるとコツコツと音が鳴る。
その音は、冷たい空気に少し反響していたように思えた。
*ガラガラッ*
少し古臭くて、色褪せたドアを開ける。
そこは少し騒がしくて、喋り声が交差している。一見、普通のクラスだろう。
先生も温厚そうで、和気あいあいとしたとても良いクラスに思えるかもしれない。
だが実際は___
MOB4「あれ?彼奴って誰だっけ〜?w」
MOB5「さぁ知らね〜!w」
MOB4「先生知ってるー?」
先生「さぁー?俺も知らんなぁw」
わざと俺に聞こえるような口振りで話す。先生もそれに便乗に俺を面白がる。
こんなの慣れた。なんて言ってしまったらどう思われるんだろう。
クラスメイトを映していた瞳を窓の外へ移す。
朝、曇りで太陽を包み隠していた雲はどこかへ行き、澄み切った青空。
淡く明るく照らす太陽。
葉がなくなってしまい枝がない木々。葉は枯れ、地面にそこら中に落ちている。
気がついた時には、渡された白紙の紙に描いていた。この、いつも見れるようなどうでもいい風景を。
でもこの風景は俺の目に焼き付いていて、不思議と離れない。
少し開けた窓から風が入ってきて寒い。
手が少し悴(かじか)む。
肌色のようで肌色ではないようだった手のひらや指先が赤く。けど少し薄く色づいていた。
そこにそっ、と息をかける。
手は一瞬暖かくなったがすぐに冷たくなった。
放課後、クラスメイトの1人かに呼び出され、集合場所と言われた屋上に向かった。
そこには、クラスメイトの何人かと担任の先生。
最悪なことに、俺の虐めはクラスメイトと担任の先生が協同して行っている虐め。
無論。クラスメイトの中には、あまり関わらない人も居る。
けどその人が助けてくれる訳でもない。
ただ見ているだけ。自分が助けて、自分が被害者にならないように。
こういう事には慣れているからもういいんだけどね。
冷え続ける体温。
カッターで斬られた腕からは血が流れ続ける。ちょっとしたところは既に赤い水溜まりが出来ていた。
体の至る所は青い痣に赤紫色した痣に赤黒い線が何十本。
先生に煙草を押し付けられできた火傷の痕。
人が殴られ蹴られる音。
ゴリッ、と人から出るような音ではないような音。
ジュッ、と熱いものを押し付けられる音。
それを見て嘲笑い。楽しむ人。
全てが理不尽で、強いものと弱いものに分かれるこの世は食物連鎖。
強いものは弱いものを喰らい。力、地位を示す。
俺は、もう成り上がれない。弱い者だ。
紅く、オレンジ色づいた夕焼けから藍色に染まっていく空。
夜が近づいてくる。
もう暗い道を街灯が明かりを灯し、照らす。
先が見えない暗闇をただ突っ走る。
息が切れる。その度に目に映るのは白い息で、冬特有のものだった。
冬真っ只中。走っていたからか、寒さはあまりなくて、むしろ暖かかった。
冬の風が冷たい。耳がジンジンと痛むのが冷たい風に当たる度に思う。
家に着くと、俺はドアを開ける。時間帯は既に19:00をまわっていて、玄関の灯りは付いていた。
👑「🍵兄おかえり~っ!!」
🍵「ただいま👑くん。」(👑 頭撫(微笑
☂️「おかえり!!☂️もして!!」(目 輝
🍵「はいはいw」(☂️ 頭撫
🎮「おかえり🍵兄。……俺もして、」(微照
🍵「ただいま!w」(🎮 頭撫
俺が帰ってくると、順々に、👑くん☂️くん🎮くんの順番でやって来た。そして何故か頭を撫でて欲しいとねだってきた。
🍵「ささっとご飯作っちゃうね。」
🎮「おう。楽しみにしてる、」
☂️「☂️も☂️も~!!」
👑「ぅえっと……俺もっ!」
🍵「……w」
そんなに美味しいものでもないと思うけどなぁ……(笑)
そんなことを思いながら、🎮くん達に虐められた傷が制服から見えないようにしながら着替えて料理に取り掛かる。
包丁が食材をきる音が耳に馴染む。
プツプツと小さな音を立てている加熱されているフライパン。
あまりみんなを待たせないように、今回は簡単めなご飯にした。
🍵「はい、ミートパスタ!」
👑「うわぁっ~!!美味そ〜っ!!」
☂️「もう食べていい!?」
🍵「どーぞ食べて!」
🎮「よっしゃ!いただきまーすっ!」
勢いよくパスタにかぶりつく🎮くん達。
食べると、«とても美味しい»なんていう嬉しい言葉を言ってくれた。
その言葉に、俺の頬は緩くなるのがわかる。きっと嬉しいんだろう。
言われたのは、、何年ぶりだからか……
そういえば、俺の親は___
🎮「あ、いる兄おかえり〜」
📢「ただいまぁー」
☂️/👑「おかえりぃ~!」
🍵「おかえりなさい。ご飯要ります?」
📢「欲しい〜」
🍵「じゃあ準備するんで、手とか洗っててください」
📢「りー」
スタスタと歩いていく後ろ姿は何処かぎこちなくて、どこか傷んでるように思えた。
まるで、痛みを隠すような歩き方。
少し歩きづらそうにしながらも、📢くんは洗面台へ向かった。
そして俺は、先程まで冷蔵庫に入れていたご飯を冷蔵庫から取り出し、レンジで温める。
リビングから聞こえる楽しそうな笑い声が俺の耳に届く。
きっとはしゃいんでいるんだろうなぁ〜。なんて思うと、前までとは違って悲しみは湧かない。嬉しさが出てくる。
🍵「はいどうぞ〜」
📢「おっ、ありがと〜。美味そっ」
👑「めっちゃ美味しいで~っ!」
☂️「うんうんっ!!」
📢「へ〜。いただきます。」
📢「んっ!!うっまッ!!」(目 輝
🎮「だろ~?」
📢「なんでお前がどやってんだよw」
🎮「へへっw」
この空間。会話だけは、どこか普通味があって普通の兄弟で普通の家庭でいるようなそんな気がした。
その風景を見ていると何処か心が揺らいで、あの時のことがフラッシュバックする。
思い出してしまえば最高で最悪で、忘れてしまい現実で、あの時に戻りたい。
4人が和気あいあいと話している時、いれていた珈琲を一口だけ飲む。
既に漂っていた珈琲の匂いがとても心地よい。
嚥下音すら、うっすらと自分の中でも聞こえる。
珈琲からは白い湯気が出てきていて、とても暖かい。
砂糖も入れていないせいか、少し苦味もあって、口の中にそれが蔓延する。
👑「🍵兄何飲んでるの〜?」
🍵「珈琲を飲んでるんだよ〜」
☂️「珈琲って美味しいの〜?」
🍵「ん〜……まだ☂️くん達には早いかな〜」(微笑
📢「砂糖入り?」
🍵「んーん。」
🎮「え、、ブラック? 」(微笑
🍵「そそ、ブラック」
📢「苦くね?」
🍵「んまぁ多少?」
🎮「凄ぉ……📢兄は飲めないのに〜」
☂️「飲めない!飲めない!」
📢「こら☂️🎮っ!」
👑「んわぁ……、、」
🍵「www」
📢くんってブラック飲めなんだ〜。なんていう意外性も知りながら、仲を深めていた。
珈琲が入っていたカップの中はすでに空で、飲み終わったんだな。とカップの中身を見て分かった。
🍵「みんなそろそろ風呂入り。」
🎮「そーする〜👑☂️行くぞー」
👑/☂️「はーい!!」
3人は廊下をドタバタと走りながら、風呂場に行った。
先が見えないが、確かに灯りはついていて、段々と遠くなっていくのを2人で何も発しずに見つめている。
そして、3人の姿が見えなくなった時、話を切り出した。
🍵「………📢くん。手当した?」
📢「……気づいてた?」
🍵「まぁ……」(微笑
🍵「歩き方とかぎこちなかったし」(微笑
🍵「それに📢くん。バイトとかしてるんじゃない?夜遊び。じゃなくてさ、」
📢「ッ……わりぃか?」
🍵「いや、むしろ凄いなぁ〜って」
📢「……そうか、。」
🍵「とりあえず、手当しよ。」
📢「わぁった……。」
📢くんの虐めの手当てをしようと、部屋着の下を捲った時、酷い傷や痣が沢山あった。
中には数年前からの傷もまだまだあって、肌色の肌は青かったり赤紫だったり……とりあえず本当に酷かった。
しまいには、たまに手当されていない傷も見えた。
無論。📢くんにはしっかりと手当をするように言っておいた。放置するなんてダメ。なんてね。………自分も偶にしてるけど。
手当がし終わって、片付けを俺がしていると、📢くんは俺に尋ねてきた。
📢「……やっぱバイトって辞めた方がいいかな、」
🍵「俺的には、、📢くんの負担にならないなら辞めなくてもいいと思う。」
📢「そっかぁ……なら続けるわ!」
🍵「そういうと思ってたw」
📢「え〜?ほんとかぁ……?w」
案外歳の近い俺らは簡単に馴染んだ。
普通に接し、普通に会話して。互いに笑いあえた。
そして後に、2人とも解散して自室に戻った。
自分の部屋に戻った時、散らかっていのは、かつては好きだった画材や昔に描いた絵だった。
18話 虐めと義兄弟 _ 𝐟𝐢𝐧𝐢𝐬𝐡
コメント
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一気読みさせていただきました~!最高すぎません!??こんな最高の人と会えて良かったです😭! 担任っっ!!何お前もいじめとんねん!!やり返したろか!??平和な時間がもっと続いて欲しい
おい担任!?いい大人がなに子供虐めてんねん!?ってツッコみたくなりますね笑 先生まで見て見ぬ振りって、、救いようが無い…
今でも絵描いてるのかなぁ描いててほしいなぁ