もどかしさと違和感だけが募っていく中、 私は必死になって原因を突き止めようと試みる。
しかし、どうしても思い出せないのだ。
一体いつの間に変わってしまったのだろうか? 僕達が出会った時には既に手遅れだったというのか?……そうだとしたら、なんて皮肉なことなんだろうね。
あの時のお前は、今の僕の姿を見てどう思うかな。
正直言って、あまり見られたものではないよなぁ……
これじゃあ、まるで道化師じゃないか。
まあいいか。
とりあえず今は、目の前のことを片付けることにしよう。
今はまだ何も知らないけれど、いずれ知ることになるはずだ。
真実を知った時、君はきっと驚くに違いない。
君が今まで見てきた世界は、全て偽りに過ぎなかったということにね。
そう、これはただの物語じゃない。
これから紡ぐ物語の中で、私は何を見つけることが出来るだろう。
君と私との距離は、一体どれほど離れているんだろうか。
同じ空の下に住んでいることは間違いないだろうけど、 きっとその距離はとても遠いに違いない。
もしも私が今すぐに君の元へ行くことが出来たとしても、 君は私の手を取ってくれるだろうか。……そうだね。やっぱり難しいと思うよ。
君に会いたい気持ちはあるけれど、会えない理由がある。
それは、僕自身を守るためなんだ。
今はまだ、とてもじゃないけど会うことは出来ないよ。
ごめんね、こんなわがままを許してほしいとは思わないけどさ……。
君はいつだって僕の味方であり続けてくれた。
君の優しさに甘えてばかりで、僕は何一つ返すことが出来ていない。
何もかもを背負う覚悟を決めたつもりだったけれど、やっぱり駄目みたいだ。
いつものように優しく微笑んでくれる君の顔を見てると、どうしても決意が鈍ってしまう。
本当はすぐにでも会いに行きたかったんだけど、今は我慢することにした。
少しの間だけお別れだけど、また会えるよね? うん! 絶対だよ!!……約束するよ。
指切りげんまん♪ うーそついたらはりせんぼん飲~ますっ♪ ゆびきった!!!!
(…………)
ふぅ……。(一息つく)
はぁ……。(安堵のため息をつく)
ふぇええんん……ひぐっ……ひっ……。
ああああっ……。うわああん……。
(泣きじゃくる彼女を慰めるように優しく抱きしめる彼氏)
よしよし……。大丈夫だからね……。泣かないで……。
僕はどこにも行かないよ……。君のそばにいるよ……。
絶対に離れたりしないよ……。
ほら……。僕を見てごらん……。僕の目をよく見て……。
そう……よく見るんだ……。見つめ合う二人……。絡み合う視線……。二人の距離は徐々に縮まり、お互いの顔が近づいていき、そして唇と唇が触れ合って……。
あ……れ?……なんだか様子がおかしいぞ。
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