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退屈だ。とにかく毎日が退屈だ。確かに、友達にも、家族にも、自分を取り巻く環境には恵まれているし感謝もしている。しかし、自分に中に何かが足りないことは感じていた。何かが物足りない。今読み終わったマットへイグの「ミットナイトライブラリー」には、人生について書かれてあった。とても感動したし、自分の生き方に感謝しようとも思った。が、それでも何か足りない。
俺は本が好きだ。というより、物語が好きなのだ。その中でも、小説を読み終わったあとの数時間は人生の中でもとても貴重な時間と言えるだろう。もし、こう生きられたら。と、何度も願う。
クラスの中で俺は。カースト的にじゃ上の方だ。このカースト。というのもあまり好んではいないのだが、今はこちらの方がわかりやすい。今好きな人…というより気になっているのは隣の席でもある前原由美だ。彼女は本を読む時につま先が動く癖がある。つま先の動きでどんな内容かも大体わかる。
「…野、岩野、岩野!起きろ!」「あ、すんません。」自己紹介が遅れた。俺は岩野龍也だ。ちなみに今俺を起こしたのは化学の先生の木ノ宮だ。誰にでもわけ隔てがないから俺はこの先生が結構好きだ。「岩野君、前髪…」「あ、わり、…前原も、前髪 、消しカスついてんぞ…」急いで前髪を隠した素振りも、隠しきれてない赤みを帯びた顔も、僕の心を踊らせた。 ちなみに今は高一だ。今は3月、もうそろそろクラス替えの時期だろう。生徒会にも入ったし、友達作りには困らなそうだ。一応前原も入っている。俺は副会長で、前原は書記、しかし、「相変わらず綺麗だ。」「?」「いや、なんでもない」